「この補欠選挙は、今の政治の流れを変える、その大きな、大きなきっかけとなる選挙だ。一人ひとりの暮らしの、草の根の声をしっかりと受け止めて、しっかりと実態に合った政治へと変えていく。まさに皆さん『一人ひとりが主役の政治』へと変えていく」(枝野幸男代表)。
10日、枝野幸男代表は羽田雄一郎参院議員の急逝に伴う参院補選(4月8日告示、4月25日投票)に立候補している羽田次郎候補の応援のため、長野県に入りました。松本市の中央西公園(花時計公園)で行われた街頭演説には、枝野代表、杉尾秀哉参院議員(羽田次郎総合選対本部長)、下条みつ衆院議員らとともに、社民党の福島瑞穂党首、共産党の田村智子政策委員長、および羽田次郎候補と政策協定を結んだ市民団体の代表らが参加。羽田次郎候補への支持を聴衆に訴えかけました。
枝野代表演説
「去年の9月、なんとか野党側に政権中核の受け皿となる政党をつくらなければならないということで、大同団結して立憲民主党をスタートさせた。それができたのは羽田雄一郎さんが、いろいろないきさつで難しかった参院をうまくまとめてくれたからに他ならない。だから一緒に新しい政権をつくり、今の政治を変えるんだ、と。そして羽田孜先生がずっと仰っていた、政権交代可能なもう一つの柱をつくることを互いに目指した」。このように枝野代表は、故羽田雄一郎参院議員と築き上げてきた関係や共有した志について触れ、「ですからその議席は、しっかりとその思いを理解している、その志をしっかりと引き継いでいける人に継いでもらわねばならない」と、羽田次郎候補を応援する理由を説明しました。
また自民党の新型コロナウイルス対策について、飲食店の経営者や病院の治療従事者等、末端の関係者から直接話を聞かないで政策を決定しているため、ことごとくピントはずれなものになっている、と指摘。しかしこのような現場の話に耳を傾けない傾向は、これまでも8年間近く続いており、それが今、感染症というこの危機の時に、そのダメぶりが「一気に噴き出している」と批判しました。
その上で「羽田雄一郎さんは周りの人たち、一人ひとりが主役の政治をめざす活動をずっと国会でしてきていた。我々も彼を信頼し、多くの方々も彼に期待していた。今度は弟である羽田次郎さんが、皆さんの声を主役にした政治をしっかりと前に進めていく」と述べ、立憲民主党と自民党の違いを強調するとともに、「そのための場を作っていくのがこの補欠選挙だ」と訴えました。
また「今日は共産党の田村さん、社民党の福島さんもこの場に来ていただいている。党派を超えて、多くの皆さんにお力添えを頂きながらも、主役は政党ではなく、政治家でもない。皆さんの力だ。皆さんの力とともに政治を変えていく」と語りました。
そして最後に枝野代表は聴衆に対し「お兄さんの分も、次郎さんは誰よりも一生懸命頑張ります。でも主役は皆さん。あなたの力が必要だ。命と暮らしを守るために。暮らしの現場にしっかりと目を向ける日本の政治に変えるために。この信州から、ともに戦っていこうではありませんか」と広場に集まった聴衆に向かって力強く呼びかけました。
羽田次郎候補演説
「スモール・ボイス・ファースト(小さな声に耳を傾ける)」をスローガンに掲げる羽田次郎候補は、「この信州長野県の各地で、さまざまな声を聞かせて頂いた。女性蔑視の発言に憤っている方々、結婚して自分の氏が旦那さんの名前に変わることで自分のアイデンティティを失ってしまった、という女性の話。明日食べる食事がないために、ボランティアが配布する食事の列に1時間も並ぶ有名大学に通う学生たちの話。そういった小さな声、声なき声を国政の場に届けていきたい」と訴えました。
また今回の補欠選挙は実兄が死去したことに伴うものであることにも触れ、「2019年の選挙で多くの皆さまからご支持、ご期待を頂いた『チルドレン・ファースト』、子どもたちの未来が安心で、安全で、そして平和である。そんな日本をつくっていく。それらを実現するためにも、兄の残した任期を受け継いでいきたい」と自身の志を述べました。
枝野代表ぶら下がり
枝野代表は、記者団との取材に応じ、以下のように述べました。
今回の長野訪問について
「昨年の暮れ、雄一郎さんが急逝された。本当に改めて悲しい思いを持ちながら、長野にやって来た。その議席を何とか次郎さん守り抜いてもらいたい。また羽田孜先生以来、日本に二大政党制をつくり二大政党が競い合う、そういう状況を作ることを目指してきた。そこに向けた大きな大きな一歩になる」。
参院長野県選挙区補選の状況について
「一昨年の参院選挙を含め長野では、しっかりと力を合わせれば必ず勝利できるという思いでいる。したがってそれぞれの皆さんが最大限の力を発揮する選挙戦にしていくことが大事だ。政党の違いということを別にしても、今の政治はおかしい。特に『一強』と呼ばれる状況では、金権と腐敗も生じるし、足元の感染対策についても危機感が見られない。それが結果的に国民生活に大きなマイナスを及ぼすということは、多くの国民の皆さん、そして長野県民の皆さんもお気づきになっておられる。そう思っていらっしゃる勢力を最大限連携して、力を発揮していくことが大事だ」。