枝野幸男代表は17日、福岡県春日市を訪問し、衆院福岡5区の堤かなめ総支部長の出馬会見に同席しました。堤総支部長は太宰府市出身の福岡県議会議員で、九州国際大学、九州女子大学の教授を務められていたジェンダー問題の専門家です。会見では福岡県連代表の山内康一衆院議員が司会を務めました。

 枝野代表は堤さんについて「国政選挙に挑戦された経験もあり、県議会で3期実績を積み重ねている。立憲民主党にとって次の総選挙の一つの大きなテーマであり、また日本の社会にとても、世界的にも大きなテーマであるジェンダー、あるいはそれにまつわる貧困や暴力といった問題の分野の専門家。その経験を活かして政治、NPO活動においても実績を上げて来られた」と紹介しました。党としても努力を続けているところだが、まだ女性議員の比率、女性候補の比率が残念ながらなかなか目標に届かないという状況の中で「これだけの実績と経験、能力を持った堤さんには是非とも、厳しい選挙だが勝ち上がっていただくことによって、いま国が解決しなければならない問題に即戦力として当たっていただけると思っている」と述べました。そして「堤さんは太宰府や(鬼滅の刃で話題の)竈門(かまど)神社とご縁がある。地域から日本を、特に今大きなテーマであるジェンダーの問題について引っ張っていかれる方が名乗りを上げたということで、ぜひ幅広い支援の輪を広げていただきたい」と呼びかけました。

 堤総支部長は「県議会議員は3期目で10年務めてきた。この間、子どもの貧困、児童虐待やDVの根絶、ジェンダー平等、教育の中立、環境、防災・減災、雇用など幅広く県に提言し、施策の充実に努力してきた。中でも全国初の性暴力根絶条例の制定に多くの方に支えていただきながら携わることができた」と県議会議員としての実績について語りました。続けて、「いまコロナ禍の中、生活が立ち行かない、子どもにお腹いっぱい食べさせてあげることができない、家賃が払えない、あるいは人生をかけて始めた事業を畳まなくてはいけない、そういった悲痛な声があがっている。この現状を打開するには大きく政治を変えなければいけないという思いだ。そういった中で、今回は「すべての人に安心を」ということで、選挙戦を戦っていきたい」と決意を語りました。

 ジェンダー問題の専門家として大学の教員として教鞭をとっていたことから、特にジェンダー平等を実現し、女性の力を社会の力、日本の力にしていきたいと表明しました。日本の大卒以上の女性の労働力率はOECD先進諸国37カ国中30位であることを取り上げ、とくに若い世代の女性が社会に貢献したくても働けない障壁があることを問題視しました。その上で、「障壁には、沢山要因があると思うが、そのうち大きな問題はやはり待機児童の問題。昨年4月1日現在、この福岡5区の中においても、筑紫野市で125人、春日市で35人、大野城市で95人、太宰府市でも95人、那珂川市で40人、筑前町で35人の待機児童が生じている。そして福岡県全体の待機児童数は1,119人ということで、これは何と全国ワースト4位。県が一生懸命整備してもそれを上回る女性が働きたいということで県、国の推計値がはずれて来たのではないか」と説明しました。そして、待機児童問題の解消について「待機児童が多い要因は2つあって、1つは施設自体が足りないこと。もう1つは保育士が足りない、保育士不足の問題。保育所はあるけれども、保育士がいないために園児を受け入れられないということがある。保育士の待遇改善、労働環境の改善が必要ではないかと思っている」と語りました。

 また、性犯罪、性暴力の根絶にも取り組みたいと表明しました。性犯罪は大きく人間が持っている力を奪う、「魂を殺人」だとし、「性犯罪は重要犯罪の約6割を占めると言われるが、性犯罪の場合は非常に暗数が多く、表に出てくるのは氷山の一角で、実際には重要犯罪の中に占める割合はもっと高いのではないか。性犯罪は国民生活を脅かす最大の犯罪ではないかと思っている」と述べました。この問題について、警察行政として取り組むよう求め、根絶に向けて全国で取り組みを進めていきたいとの決意を語りました。

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