枝野幸男代表は17日、衆院福岡5区の堤かなめ総支部長の出馬会見に同席し、日米首脳会談と等について記者団からの取材に応じました。

Q)日米首脳会談が初めて行われ、台湾が50年ぶりに明記されたり、気候変動分野での取り組みが入るなど菅総理は成果を強調しているが、受け止めは。
枝野代表)台湾海峡の平和と安定について両国の認識が一致をしたことについては、それは大きな成果だというふうに受け止めております。ただ、それ以外については、国内がこれだけのまん延状況の中、また、なかなか国境を越えた人の移動が困難な中、わざわざアメリカまで行かれて、すでに2+2(日米安全保障協議委員会)で話しているようなことで、わざわざ総理が行かれるまでのことがあったのかなあ、というふうに受け止めています。

Q)菅総理はオリンピックについて、団結の象徴として開催の実現の意欲を示している。米大統領からは支持する旨の発言があったとのことだが、メディアからは感染対策ができていない段階での開催は無責任じゃないかと問われたのに対して総理は明言を避けている。これについての受け止めと開催の是非についての考えは。
枝野代表)まず、菅総理の会見によると、菅総理の決意を支持すると大統領はおっしゃったのであって、開催を支持するとおっしゃったわけではない。ここは明確な違いだと思っていますし、国際儀礼上、国のトップが決意を述べたのに対して、それに水をかけるようなことを言うはずがないわけなのであって、ほとんど意味のないやりとりだったというのが、菅総理ご自身も事実上、認めているというふうに思っております。そして、聞かれたことに答えないということは、皆さんも皆さんの同僚の皆さんも総理会見で苦労されてきたと思いますけれども、本当に世界を相手にした会見の場でああいう対応をしたことが、世界のメディア相手に許されるのか、ということは私は問われているというふうに思っています。

Q)代表の五輪に対する考え方と二階幹事長が感染状況によっては中止する可能性について言及していることについてどう思うか。
枝野代表)これは従来から申し上げていますが、選手、関係者のことを思えば、できれば開催をしたいと思います。ただ、一方で参加をされるアスリートの皆さん、そして日本の国民の皆さんの命と健康の方がより重要であるということは間違いありません。本当に開催することによって、日本の国内における感染を大きくすることはないのか、あるいは選手村等における
クラスター等で選手の皆さんを危険にさらすことはないのか。さらには、ただでさえ医療がひっ迫している──大阪では医療が崩壊している──の状況の中で、東京やその周辺の皆さん、あるいはマラソンが行われる北海道の皆さんの医療がちゃんと確保されるのか、併せてワクチン接種の時期と重なる中で、それが確保されるのか、これらのことについての説明責任は政府が負っていというふうに思っています。現時点で政府からそれについて安心できる説明はないというふうに思っています。

Q)日米首脳会談では、ワクチンの世界規模での供給に協力するという申し合わせがあったということだが、国内感染が広がって、国内でのワクチンの接種状況が望ましいとは言えない状況にある。首相として何を優先すべきタイミングなのかと言う問題を突きつけられているかと思う。まん延防止等重点措置の対象エリアも広がっている。国民に対して正しいメッセージが発せられているかどうか、ワクチンをめぐる申し合わせの評価と併せて、見解を聞かせてほしい。
枝野代表)ワクチンについては更に詳細な情報が出てこないと断定的なことは申し上げられませんが、先進国における国際社会でワクチンの国際的連携というのは、ワクチンを確保できていない多くの途上国の皆さんの命と健康をどう守るのか、そこに向けて先進国がどう役割を果たすのか、そういうテーマで私は大統領はおっしゃったのではないかというふうに、これまでの経緯からすると(、想定をしますが、実は日本は途上国なみにワクチンが確保できていない。あるいは途上国なみに接種ができていない、という状況であって、他の先進国と異なって、残念ながら他国のことを考慮する余裕がわが国にはないということについて、菅総理の自覚がないのか、というふうに私はまず1つ強く感じました。そして、もう1つは国内でいろいろな状況があっても、国際会議で各国首脳が集まっているところに日本だけいないという、その場にいないということは外交や政治の上では大きなマイナスになりますし、どうしてもこのタイミングで日米のトップ同士で話をしなければならないことがあるとすれば、それはわれわれも、どうぞ行ってくださいと送り出すべきだと思いますけども、残念ながら結果を見ると、台湾海峡についてのコミットがあったということは一定の評価すべきことだが、これも別に2+2でやれば十分なことであったと私は思いますし、何のために行ったのか。
 一方で大阪は、私は2週間前から緊急事態宣言を出さないのはおかしいと言っているのに、まだ週明けだと言っていると。週明けだと言っていることの1つは、やはり総理が週末いないということが大きな要素だと思います。1日遅れれば、おそらく100人と言う単位では済まないくらいの感染が広がることになるわけですし、やはり1桁では済まないような命に係わることであって、やはりこれはタイミングが遅れれば、遅れるだけ大きな問題を招く。繰り返しますが、当初の時期とは違って野党から、私の方から明確に(緊急事態宣言の)解除は早すぎるし、そして現状は、緊急事態宣言は必要だということを2週間も3週間も前から申し上げていると。それに対して、根拠なき楽観論に立っているということは厳しく指摘せざるを得ません。

Q)菅総理はコロナ対応は優先しますと繰り返すおっしゃっているが、野党の不信任案提出が解散に対する大義になるという考えを重ねて示していらっしゃる。自民党幹部からは代償は高くつくという牽制だという声も出ているが、内閣不信任案の提出に関する考えは。
枝野代表)否決する自信がないですね、菅さんは、というふうに受け止めています。

Q)総理はバイデン大統領と長く付き合っていきたいという発言をしている。続投を目指すかどうかを問われて、政治家は解散して勝たないと政権は続かないと、いろいろな条件があるということもおっしゃっている。与党幹部はパフォーマンスの代償は高いという野党へのメッセージだという発言もある。代表が繰り返し信任に値しないとおっしゃている菅政権だが、その菅政権とどのように対峙していくか、総理の発言を踏まえて改めて聞かせてほしい。
枝野代表) 菅さんの立場だったら当たり前のことをおっしゃっていると思っています。どなたがトップであっても、外交関係はできるだけ同じ人が長くやった方が望ましい。ただし、やはり各国とも国内の政治状況、国内での政治的パフォーマンスの良し悪しで変わることはあるし、すでに菅総理は感染症危機に対応できていない。根拠なき楽観論に基づいて、当事者意識を欠如した対応ということで、信任には値しない。