立憲民主党は10日、新型コロナウイルス対策本部と会派の厚生労働部会・文部科学部会の合同会議を国会内で開催しました。
 冒頭のあいさつで長妻昭厚生労働部会長は、喫緊の課題として入院をすれば助かる命が、入院できずに失われてしまう事態が起こっていることに触れ、「これをなんとしても食い止めたい」と力を込めました。こうした事態を防ぐために、病院の駐車場や倉庫を利用した入院待機ステーションの設置、ホテルを借り上げて療養型の施設にし、看護師を24時間常駐させることをもっと増やすべきだと強調しました。しかしながら、オリンピック・パラリンピックの実施でホテル需要がひっ迫して「借りられないと東京都の方が言っていた」と状況を説明し、「オリンピックは終わったのだから、また戻してほしい。保健所のひっ迫にも五輪が関係していたということなので、本当に国民の命を第一に考えてほしい」と求めました。また、全国で緊急事態宣言が出ていない地域に総理がお願いをして「ひっ迫地域のお手伝いしていただくことの工程表を示してほしい」と述べました。

 政府から、(1)全国の感染状況及び感染防止対策(2)新型コロナウイルス感染症中等症患者の入院方針の転換――等について説明を受け、質疑応答をおこないました。

 出席者からは(1)自宅療養者用の酸素供給は各都道府県で整備されているのか(2)田村厚生労働大臣は肺炎症状のある中等症患者は全員入院させると答弁したが、それは机上の空論で東京の現状はもっと厳しい(3)羽田空港の検疫所で発見された国内初のラムダ株感染者はオリンピック・パラリンピック関係者か(4)昨年11月に大阪府が示した資料には、無症状・軽症者に分類されている人のほうが亡くなる人が多く示されているが政府は把握しているか(5)肺炎で40度の発熱をし自宅療養している人は現実的にいるので、東京都任せではなく厚生労働省が踏み込んで自宅療養者と医療をつなげて確実に診断を受けられるようにしてほしい――等の質問、意見があがりました。

 長妻部会長は最後に、「緊急提言を明日にでも厚生労働省にしたい」と述べ、(1)オリンピックが終わり150棟のホテルが空く可能性があるので全部ではなくても東京と首都圏のホテルの療養施設に転用すること(2)国有地を使って臨時施設を作ること(3)緊急事態宣言が出てない地域の医療関係者に医療体制がひっ迫している地域を手伝ってもらう体制をつくってもらうこと(4)お盆休みでかかりつけ医が長期休業している場合に適切な対応ができるようにすること――等について提言をまとめることを長妻部会長と逢坂誠二新型コロナウイルス対策本部長に一任することを出席議員に諮り、一任されました。

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