立憲民主党は18日、衆院選挙に向けた新ポスター「変えよう。」を発表。枝野幸男代表と蓮舫代表代行兼国民運動・広報本部長が国会内で記者会見を開き、衆院選挙での政権交代に向けた決意を述べました。
冒頭、蓮舫代表代行は、「今のコロナ感染症対策、後手後手に回っている政治を変えよう。説明が全くされていない言葉のない総理大臣を変えよう。嘘とごまかし、改ざん、そして黒塗り、公文書を作らない、歴史に対するさまざまな後ろめたい行為そのものを変えよう。われわれは全てを変えたい。その思いを込めた」「通常国会を閉じてからの2カ月の政府あるいは政府与党の連携の動きを見ても、とにかく変えるしかないという思いであり、国民も同じ思いだと思う」と「変えよう。」に込めた趣旨を説明。通常党首が正面を向いた構図が多いなか、今回横を向いていることについては、「枝野代表がひたむきに国民にきっちりと語りかけている。枝野代表は(国民に)向かい合う、そして互いに支え合う社会をつくるという、そうした語りかけの思いを込めてあえて横向きのポスターにした。実際に街頭演説(6月26日、東京・JR品川駅での東京都議選応援演説)をしているときの写真であり、リアリティをのせさせていただいた」と述べ、「このポスターをもって政治活動がそのまま選挙活動に突入すると考えている。私たちの総選挙にかける思いだ」と力を込めました。
枝野代表は、「短期的には今のコロナの状況、そして私が『枝野ビジョン』という本で示した通り、大きな流れの中でも『変えよう』『変えなければいけない』というその思いをシンプルに、直接的にお伝えをするのが一番いいのではないかということで、このコピーになった。政党、政治家らしくない、ポスターになったと思っている」とコメント。横向きのデザインについても触れ、「少しでも政治に日頃距離を感じていらっしゃる方に、『あれ?』という感じで振り向いていただければありがたいと思っている。何を変えなければならないのかのポイントはボディーメッセージでも示している。このポスター単体でも、総選挙に向けた私たちのメッセージを届けられる中身になっている。しっかりとこれを各地に貼り出して選挙戦に向けて活動を充実させていきたい」とアピールしました。コロナの感染状況が日々刻々と変わる状況のなかで政権政策集の確定版は衆院解散の日になるだろうとした上で、このタイミングでのポスター発表については、「衆院選挙に向けた一種のキックオフが今週」だと位置づけ、今後テーマを絞った形で政策を順次打ち出していく考えを表明しました。
記者から、衆院選挙の目標を聞かれると、「衆院では小選挙区制度を軸とした選挙制度をとっている以上、最大野党の目標は次の選挙で政権を取ること。その目標以外の目標を持ったら、民主主義は成り立たないと思っている。しっかりと選択肢であることを示して政権を変えたい」と表明。自民党が衆院選挙の前に総裁選をおこない、総裁や総理大臣が変わる可能性が出てきた場合への対応についての質問には、「他党の人事の話であり、コメントする立場にあるとは思わない」と前置きした上で、「コロナ対策1つをとっても、菅総理個人の問題ではなく、安倍政権の段階から機能していなかった。われわれは(昨年の)あの段階から、例えば検査の飛躍的な増加や水際対策の強化、自粛と補償はセットであるべきであるなど、ずっと指摘をしてきた。しかし、そうしたことを全くやらない流れの中での今の菅内閣であり、自民党がどういう人事になろうと、この機能していない自公政権が相手であることは何も変わらないと思っている」と述べました。
また、公職選挙法の例外規定を用いて衆院議員の任期満了となる10月21日以降に衆院選挙を実施するといった話が出ていることには、「任期がはっきりしている以上は、その任期満了前に総選挙をおこなうのは、その総選挙の日程を決めうる立場にある政府与党の責任だ。10月21日以降にならないと総選挙ができない状況であるとすれば、そのこと自体、政権与党は大きな責任を政治的に負わざるを得ない問題だ」と断じました。
政府は17日にまん延防止等重点措置を適用している地域7府県を緊急事態宣言の対象地域に追加するなど、緊急事態宣言は13都府県、重点措置は16道県に拡大、入院できずに自宅療養中に亡くなるケースが相次いでいます。こうした事態への受け止めを問われると、枝野代表は「政治の場に携わる者として本当に申し訳ないと思っている。少なくとも第5波が目に見えてきたときから、私どもはいわゆる野戦病院的なもので対応するなど、自宅療養にではなくしっかりと医療関係者が近くにいる状況、そしてすぐに対応できる状況をつくらなければならないと求めてきた」と述べました。立憲民主党は全国から医療従事者を集め、国有・公有地にプレハブででも臨時の宿泊療養施設を建てるよう提案し続けているとあらためて指摘し、「こうしたことが実現できないなかで、今、目の前で適切な治療を受けられないまま亡くなっている方が出ている状況なので、この医療提供体制の整備に全力を挙げていただかないといけない。17日の議運(議院運営員会)の質疑を聞いていても、相変わらず病床の問題を自治体任せにしている。そんな状況ではない。国が責任を持って大規模な病床を確保するべきだ」と述べました。