「今国会で何の前進もないのは、国民との関係で許されない」(文書通信交通滞在費の制度改革について、小川淳也政務調査会長)。
 小川淳也政調会長は9日、政務調査会長就任以来初めての定例記者会見を国会内で開きました。

 冒頭、木曜日夕方に政調審議会があり、そこで意思決定を行うことに絡めて、同日昼に会見を開催することから「(会見の開催時刻は)タイミング的には微妙は微妙」「いろいろと時事問題などもあろうかと思うので、こうしたものに対する受け止めや考え方含め、コミュニケーションを取らせて頂く機会」と説明しました。さらに「闊達な議論をさせていただく」とあいさつを締めくくりました。

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 記者団との質疑応答では、次のようなやり取りがありました。

■ 文書交通費の制度改革

 原則的には「どの政党であれ当然拒絶するものではありませんし、歓迎すべき」と述べた上で、「国会対策も含めて、どういうパートナーシップを取っていくかの観点から、国対委員長や泉代表と、よく相談しながら進めていきたい」と述べました。
 また、進め方について「この国会で何の前進もないのは、国民との関係で許されないだろう」と述べました。

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 また、米国議会のように、国会議員にあらかじめ大きな金額の事務経費を支給することについて意見を問われると、私見と断った上で、先進諸外国では個人的な歳費、給与は日本より低いケースが多いものの、例えば米国上院議会では、数億円単位で事務所経費を支給され議員活動を支えているとして、「個人的歳費よりも諸経費でしっかり政治活動を支える必要がある」との認識を示しました。一方で、「特に国会議員に対する信頼度が決して高いとは言えない今の状況では、最も透明性が低いと言われている文書交通費を上乗せするのは、少しでも国民的理解が得られるものではない」と述べました。

■石原内閣官房参与の政治団体の雇用調整助成金受給

 石原伸晃内閣官房参与の政治団体が昨年、雇用調整助成金を受給していたことについて意見を求められると、「こうした制度の議論や実施において、責任を負う立場にある国会議員、ましてや与党の実力者が、いささかも悪用しているとの疑いすら生じさせてはならない。極めて不適切ではないか」といった旨の発言をし、場合によっては予算委員会で石原氏に説明を求める可能性についても言及しました。

■憲法調査会の設置について

 憲法調査会の設置については、「今日、承認を頂く前提で骨格人事を決めたい」と人事の見通しについて触れました。
 また「法律でできることは法律で対応すればいい」「改憲そのものが自己目的化した改憲論には乗らない」のが前提であり、「このあたりを軸に憲法調査会で議論して頂ければ、国民のための憲法論議になるのではないか」との見解を示しました。国民的なニーズがある課題の具体例を求められると、「緊急事態における国会議員の任期」や「参院合区の解消」といった例を挙げました。

■北京五輪の外交的ボイコット

 米国、英国など、諸外国で北京五輪を外交的にボイコットする動きが広がっていることについて、小川会長は「オリンピックはいろいろな意味で政治利用を指摘されてきた歴史がある」「抑制的であるべきだという思いを基本的には持ってる」と語る一方で、「最近の中国における人権弾圧、それに対する説明が十分に果たされていない状況、それらを含めて言えば、今後日本も特にG7諸国などと連携しながら、場合によっては厳しい対応が求められることもあり得る」と語りました。

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