参院予算委員会で20日、政府提出の令和3年(2021年)度補正予算の締めくくり質疑が行われ、「立憲民主・社民」会派から 森本真治議員が質問に立ちました。森本議員は(1)核兵器のない世界の実現(2)新型コロナウイルス感染症対策(3)子育て世帯への10万円給付(4)国交省データ書き換え問題――等を取り上げました。
■核兵器のない世界の実現
広島県選出の森本議員は、2016年のオバマ米大統領の広島訪問を振り返り、「核兵器のない世界の実現に向けた第一歩に期待した。広島県や被爆者への思いを受けとめていただきたい」と岸田総理の決意を確認しました。総理は被爆地広島出身の総理として、大統領選挙で「核なき世界の実現に努力する」公約を掲げたバイデン米大統領と日米首脳会談でその考えを確認し、今後の安全保障戦略について積極的に協議していく考えを示しました。
森本議員は米国が今後、核兵器の役割低減の方針が示された場合、賛同する大きなチャンスだと迫りましたが、林外務大臣は「米国と引き続き緊密な連携をしていきたい」と述べるにとどまり明言を避けました。
■新型コロナウイルス感染症対策
政府が17日に発表した「オミクロン株に対応する包括強化策等」の説明を山際経済財政担当大臣から受けた上で、森本議員は「人流が多くなってきた。年末年始の行動制限が必要ではないか」とただしました。山際大臣は現時点での制限は考えていないとし、感染が拡大する場合、専門家の意見を聞いて検討する考えを示しました。森本議員は制限の発出の対応が遅くならないよう、早目の対応を求めました。
また、多くの国民がワクチンの交互接種の安全性に不安を感じているとし、政府による副反応などの丁寧な説明が必要だと提案しました。
■子育て世帯への10万円給付
森本議員は政府が当初予定していたクーポン給付を導入する自治体の数を山際大臣にただしましたが、具体的な回答は得られませんでした。
また、「クーポン導入にかかる事務経費約900億円を対象外の子どもたちに活用してはどうか。給食費、ランドセルや修学旅行の負担減免に」と提案しましたが、末松文部科学大臣から明解な回答は得られませんでした。
■国交省データ書き換え問題
森本議員は通常国会前までに第三者委員会による調査結果を示してほしいと求めましたが、 斉藤国土交通大臣から、明確な回答は得られませんでした。
国交省に、建設業の受注動向など調査票の書き換え前後でどれくらい数値に差があるかただしたところ、1カ月で1兆円、合計10兆円以上の差が生じることが判明しました。
森本議員は予算委員長にGDPへの影響を検証するための集中審議を求めました。