アメリカの日米同盟及びインド太平洋地域への揺るぎないコミットメントを歓迎する
立憲民主党代表 泉健太
バイデン米大統領の訪日を心から歓迎します。
現在の、ロシアのウクライナ侵略が進行している局面においても、アメリカがインド太平洋地域の平和と安定への関与を重要視する姿勢を示し、日米同盟に基づいた、我が国の防衛に対するコミットメントが揺るぎないこと、我が国に対する「拡大抑止」の維持・強化を確認したことは非常に重要な意義があります。
また、ロシアを厳しく非難し、中国を念頭に、力による一方的な現状変更を認められないとして、法に基づいた国際秩序を守るため、連携をさらに強化していくことを首脳レベルで改めて確認したことも評価します。
今年は、日米ともに国家安全保障戦略改定を予定しており、効果的な日米同盟の抑止力の強化に向けて、緊密な協議を行うべきです。同時に、拉致問題、沖縄の基地負担軽減の問題や地位協定問題についてもハイレベル協議を求めます。
アメリカが提言したIPEF(インド太平洋経済枠組み)については、TPPへのアメリカの参加が国内事情により困難な中、インド、インドネシアを含む、アジアの民主的な国々との経済関係を強化しようとする趣旨に我が国も賛同し、協力すべきです。一方で、すでに発効しているTPP11やRCEPという自由貿易協定と整合的な対応を行うことが必要です。また日米貿易協定で約束されていた自動車関税等の撤廃は手つかずであり、こちらも協議を進めるべきです。
さらに、インドのモディ首相、オーストラリアのアルバニージー首相が参加して、QUAD(日米豪印)首脳会合も行われました。普遍的価値観を共有する4ヶ国による、通信、半導体、宇宙、量子技術、人権を尊重したサプライチェーンなど具体的な分野における共通原則づくりは経済安全保障に資するものです。
来年の広島での来年のG7開催の提案を歓迎します。核軍縮、廃止をどのように具体化していくかを協議し明示していく必要があります。
また、岸田総理はバイデン大統領に防衛費の大幅増額をコミットしたようですが、自民党の提案のような、「GDP比2%」という数字ありきの態度ではなく、国民が納得する中身の議論と積算を示していくよう求めます。立憲民主党は日米の役割分担を前提とし、専守防衛に基づいた防衛力の整備に努め、日米の連携を深化させます
バイデン大統領は、台湾海峡で紛争が生起した場合、軍事介入を辞さないことを発言しました。立憲民主党は、こうした危機を未然に防ぐため、日米アジア、ヨーロッパ諸国を包含した、インド太平洋地域の安全保障に関する対話を促進する国際的会議体の創立を目指し、平和と安定にむけた役割を果たしてまいります。
【代表談話】アメリカの日米同盟及びインド太平洋地域への揺るぎないコミットメントを評価する(2022年5月24日).pdf