衆院厚生労働委員会で11月4日、政府提出の感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律案および、その修正案が、立憲民主党など与野党の賛成多数で可決しました。
感染症法の改正をめぐっては、立憲民主党と日本維新の会が共同で対案をまとめるべく、両党の政調間で協議を始めることを10月6日に合意。21日には立憲民主党、日本維新の会、社会民主党が共同で「国民本位の新たな感染症対策を樹立するための感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律及び予防接種法の一部を改正する法律案」(国民本位の新たな感染症対策樹立法案)及び「新型インフルエンザ等治療用特定医薬品の指定及び使用に関する特別措置法案」(日本版EUA法案)を衆院に提出し、25日から政府案と並行して審議が行われていました。その後、立憲民主党など提出法案の内容を踏まえて修正4項目を与党に提案、以下3項目(1)新型コロナウイルス感染症の罹患後症状に係る医療の在り方についての検討(2)新型コロナウイルス感染症の新型インフルエンザ等感染症への位置付けの在り方についての検討(3)予防接種の有効性及び安全性に関する情報の公表の在り方についての検討―ーを政府案に盛り込む修正を行うことで合意しました(下記、修正案要綱、法案、対照表PDF参照)。
政府案の修正案と修正部分を除く原案が可決した後、立憲民主党など与野党6会派は政府改正案に対する付帯決議(下記PDF参照)を提出。付帯決議は、政府に対し、(1)本法施行までに相当の期間があることに鑑み、本法成立後、施行までの期間においても本法の趣旨を踏まえた感染症対策の全体的な取組の強化に努力し、当面する感染拡大に十二分に備えること(2)流行初期医療確保措置が実施される期間について、保険者等の負担に鑑み、速やかな補助金、診療報酬の上乗せにより数か月程度の必要最小限の期間とすること(3)感染症危機に際しかかりつけ医等の地域の医療機関が可能な限り感染症医療を行うことができるよう、医薬品、個人防護具等の配布、治療方法の普及その他の必要な支援を行うこと(4)薬事承認制度が製薬企業からの申請に基づくものであることを踏まえ、製薬企業の研究開発支援、申請時の企業負担の軽減、治験等の手続の簡素化、企業相談の実施その他の製薬企業の薬事承認申請を促進する措置を講ずるとともに、緊急時における国主導による医薬品等の確保の仕組みを検討し、必要な措置を講ずること、――等18項目について、適切な措置を講ずるよう求めるものです。中島克仁議員が趣旨説明をした後、採決が行われ、与野党の賛成多数で可決しました。
【要綱】感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案.pdf
【法案】感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案.pdf
【対照表】感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案.pdf