衆院予算委員会で2月1日、大西健介議員は2023年度予算の基本的質疑に立ち、(1)児童手当の拡充と子ども手当(2)防衛力強化と財源確保のための増税(3)特定秘密漏えい事案(4)岸田翔太郎秘書官による外遊中の公用車の私的利用の疑い――等について政府の見解をただしました。
大西議員は、自民党の茂木幹事長が言及した「児童手当」の所得制限撤廃に関し、それ自体は評価する一方、民主党政権時代の2010年、所得制限をかけない「子ども手当法案」に対し自民党は「バラマキ」だと批判し所得制限を付けたことから、「少子化は国の予測を上回る形で8年も早く進んでいる。所得制限なしの手厚い支援を続けていたら(少子化問題が)ここまでひどい状況にならなかったのではないか」と指摘。自民党は、子ども手当法案の採決の際に丸川珠代議員が飛ばしたヤジ「愚か者めが」をあしらったTシャツを販売、これを広報本部長として音頭を取っていたのは現・東京都知事の小池百合衆院議員だったことにも触れ、「反省すべきは(岸田総理が答弁した)ヤジの態度ではなく、家庭を基礎とする精神に反すると、社会全体で子どもを育てる民主党の考え方は間違っていると党を挙げてキャンペーンを張ったことではないか」と迫りました。
岸田総理は「子ども子育て政策に関し、かつては家庭なのか社会なのかまるで二者択一のような議論が行われてきた経過がある。今われわれは、家族も含めて社会が協力することで子育てを考えていくべきではないかと思っている。こうした考え方の変化がある中で子ども政策が見なおされて、さらに未来に向けて充実させようとしている」などと答弁。大西議員は「家庭が第一というのはその通り。二者択一の議論にしたのは当時の自民党」だと断じました。
大西議員はまた、政府・与党は所得制限を強化し、昨年10月に約4割の世帯への特例給付を廃止しておきながら、所得制限撤廃はマッチポンプそのものだと批判。「全体の予算の中で待機児童対策に重点を置く観点からそうした対策を取った。バランスの問題」と強弁する岸田総理に対し、大西議員は「兄の小遣いを削って弟に回しているようなもの。子育て予算の強化にあたっては、子ども予算のなかでのやりくりはやらないということでいいか」と確認しました。岸田総理は「同じパイの中で右から左ということはしない」と答えました。
海上自衛隊の1等海佐が特定秘密保護法で定められた「特定秘密」を外部に漏えいした事件については、政府発表にはない、米軍から提供を受けた中国艦艇の動向に関する情報を含むとの一部報道を受け、事実関係を確認しましたが、浜田防衛大臣は「今すぐこれを調査しようとは考えていない。検討したい」「米国との情報交換はしていない」などと答弁。大西議員は、「今後の同盟関係に支障を及ぼしかねない」と調査を求めました。
大西議員は最後に、「国民は岸田政権に安倍政権、菅政権からの転換を期待した。でも子ども政策も防衛政策も金融政策も、安倍政権の影を引きずっていることが浮かび上がった。私たちはこの失われた10年を取り戻すため、しっかり検証していく」と表明し、質問を終えました。