立憲民主党は2月15日、「2023年度NPO関連予算公開ヒアリング」の特別企画として、トークイベント「労働者協同組合法は市民社会になにをもたらすのか」を開催しました。
労働者協同組合法(以下、労協法)は、2021年12月に与野党全党が賛成して制定された非営利法人法で、地域でのさまざまなニーズに応じた仕事を創り出すことを通じて、持続可能で活気ある地域社会を創ることを目的としています。同法の根幹である仲間と一緒にお金を出し合い、全員の意見を反映した経営方針に基づいて、ともに働く「協同労働」という働き方が、これからの市民社会にどのような影響を与えるのか、パネリストそれぞれの立場から語っていただきました。
当日の資料と動画はこちら資料_協同労働・労働者協同組合について.pdf
https://www.youtube.com/live/6c-BoiUiS8U?feature=share&t=10304
パネリストは、労働者協同組合運動の現場から、ワーカーズコープ・センター事業団の高橋弘幸さんと友岡有希さん、駒澤大学経済学部教授で非営利組織論がご専門の松本典子さん、長年法制定に取り組んできた小山展弘衆院議員の4名。コーディネーターは元衆院議員の高橋昭一さんが務めました。
高橋弘幸さんからは労協法についての基調的な内容説明に続けて、地域の自治会から労協法人をつくった沖縄県宮古島での例などについて説明がありました。また、全員の声を経営に反映させる「意見反映」がもたらす効果などについてもお話しがありました。
友岡有希さんからは、現場の経験からワーカーズコープとNPO法人のジョイントがもたらした相乗効果などについてお話しがありました。また、海外の先進事例として2012年に協同組合基本法が制定された韓国における労協の広がりなどについて紹介がありました。
松本典子さんは、法律で労協法人が次の発展に向けて義務付けられている「就労創出等積立金」「教育繰越金」の持つ意味について話されました。また、「日本での労協運動は福祉系が多いがアメリカ、特にサンフランシスコでは若者たちが立ちあげる労協法人がとても多く、自転車屋さんや診療所、住宅協同組合など自由にいろいろな業種で労協がつくられている」との説明がありました。
小山展弘議員からは、法制定まで経緯や、中小企業などでの労協法を活用した事業承継、農協をはじめとする他の協同組合との連携の意義などについて詳しい説明がありました。