参院予算委員会「外交等現下の諸課題」に関する集中審議で3月23日、「立憲民主・社民」の2番手として質問に立った勝部賢志議員は(1)放送法の政治的公平の解釈(2)JT日本たばこ産業株式会社子会社のロシア事業(3)子ども・子育て政策――等について取り上げ、政府の見解をただしました。

 勝部議員は冒頭、岸田総理が政治活動である後援会の集会でG7広島サミットロゴを使用した件に言及。「G7サミット機運盛り上げに資することから申請を受け入れてもらい使用したものだと理解している。政治との接点については、今後慎重に対応しないといけない」と答える岸田総理に対し、政治活動での使用を禁じる規定があるにもかかわらずなぜ許されたのか、政府がどのような見解を持っているのか、政府として統一見解を同委員会理事会に提出するよう求めました。

 また、放送法の政治的公平性に関する行政文書をめぐり、その多くを書いた総務省の課長の参考人招致が認められなかったとして、あらためての出席を求め、「放送の政治的公平をねじ曲げる解釈の変更であり、放送の自由を委縮させ、国民の知る権利を踏みにじる重要な問題。継続して解明に取り組んでいく」と表明。高市大臣のねつ造発言には、「行政の文書主義を否定するもの。仮に自分の記憶や言い回しと違った点があったとしても部下を信じない、罪人扱いする、ねつ造というのは極めて問題がある。大臣の任にあらず」と断じました。

 ロシアによるウクライナ侵略下におけるJT日本たばこ産業株式会社子会社のロシア事業をめぐっては、G7各国を中心とした対ロシア経済金融制裁強化を継続するなか、多額の税金を納めている実態があることを問題視。民間会社とは違い政府が33.5%の株を保有している特殊会社が、(この問題を衆院で取り上げた渡辺周議員の)試算によると年間約3千億円もの税金を納めていることに、「ロシアの継戦対策になっているのではないか。極めて問題だ。即時中断、撤退すべきではないか」と指摘しました。これに対し鈴木財務大臣は、「3分の2は民間の方が株式を保有している。企業としての判断は、一義的に自主的な経営判断で対応すべきもの」、岸田総理は「同社のロシア事業については、すでに新規の投資やマーケティング等を停止している。現在、同社グループ経営からの離脱を含めた選択肢の検討が行われていると承知している。こうした検討の状況を注視していく」とそれぞれ答弁。勝部議員は「私たちも注視している。一刻も早くそのような対応をしていくべき」だと求めました。

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 子ども・子育て政策に関しては、「子どもを産み育てやすい社会にすることは重要な政治課題だが、同時に生まれてきた子どもたち、これから生まれてくる子どもたちが社会のなかで健やかに笑顔あふれる生活ができるように教育の環境整備と両輪で進めていく必要がある」と主張。具体策として、高等教育費の無償化及び負担軽減、保育の質向上に向けた配置基準の見直し等を挙げました。

 勝部議員は教職員の多忙化の解消と教科担任制の計画的な配置についても取り上げ、不登校や子どもの自殺が増えるなか、教職員があまりに多忙で子どもの声と向き合う時間がないと指摘。厳しい環境のなか成り手も不足しているとして、教職員の多忙化の解消に全力を尽くしてほしいと求めました。

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