衆院本会議で5月18日、「財務大臣鈴木俊一君不信任決議案」について、趣旨弁明を桜井周衆院議員が、賛成討論を藤岡隆雄衆院議員が、それぞれ行いました。
■趣旨弁明 桜井周衆院議員
鈴木財務大臣について桜井議員は、(1)欠陥だらけの防衛財源確保法案(2)わが国の主要課題に対応できていない予算編成(3)経済・財政政策の失敗――の3点を挙げ「信任することはできない」と断じました。
(1)欠陥だらけの「防衛財源確保法案」
鈴木大臣が提出した「我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法案」(財源確保法案)については、法案名とは違い「防衛力強化につながるかどうか不明」、防衛財源についても「確保できていない」と訴えました。また、被災地出身であるにも関わらず、東日本大震災の復興財源を「目的外の防衛費に流用する」のは、被災地に対する「裏切り行為」だと断じました。
(2)わが国の主要課題に対応できていない予算編成
予算制約の中でリスクに応じて予算を配分しながら予算編成をするのが財務大臣の責任だとして、鈴木大臣が防衛財源の確保について「ぎりぎり確保した」と答弁したことを踏まえ、そうであるならば今後の感染症対策、少子化・人口減少対策、子ども・子育て支援に充てる財源は「もう残っていない」と指摘しました。
(3)経済・財政政策の失敗
物価上昇、実質賃金の低下の中で、「アベノミクスを漫然と継続し、国民生活を困窮させている財務大臣は信任することはできません」と強調しました。
以上を踏まえ桜井議員は、戦前の高橋是清大蔵大臣は「軍部からの圧力に屈することなく、命がけで軍事予算を抑制し、国民生活を守ろうとした」が、鈴木大臣にはその「姿勢と覚悟がない」と訴え、趣旨弁明を終えました。
■賛成討論 藤岡隆雄衆院議員
賛成討論に立った藤岡衆院議員は冒頭、自民党議員が反対討論で「採決は理事会で決まっていて信義則に反する」旨の発言をしたことに言及し、そもそも「形式論の反論に固執する時間があったら、防衛財源のフレームワークをチェックすべきではないか」として、「破綻した防衛財源のフレームをそのままにしているほうが、国民に対する信義にもとる」と断じました。
その上で、(1)防衛増税の重大な誤り(2)被災地の心情を踏みにじる復興所得税の流用(3)防衛財源確保法案は欠陥法案(4)防衛財源の全体フレームの問題(5)防衛費43兆円は砂上の楼閣――の5点を挙げ、鈴木財務大臣は信任に値しないと強調。
「財務大臣鈴木俊一君不信任決議案」について、「日程闘争とか昭和の手法などとわが党を批判している議員」に対し、「防衛財源の中身、本気でチェックしたのでしょうか」と疑問視し、防衛増税を追加することは容認できず、「国民の思いを無視した増税にひた走り、国民を欺く破綻した財源フレームで押し通そうとする無責任な政権に、この国を託すわけにはいきません」と断じ、賛成討論を終えました。