泉健太代表は5月19日の定例会見で、(1)次期衆院選に向けた総合選挙対策会議の開催と候補者支援策(2)G7広島サミット(3)少子化財源――などについて発言しました。

 泉代表は次期衆院議員総選挙に向けた総合選挙対策会議を同日開催することを報告。各部局の取り組みを点検し今後の方向性を共有していくと述べました。

 4月の統一自治体選挙では45歳以下の若い世代や女性議員が増えたことを挙げ「これからも青年や女性の擁立にも力を入れていきたい」と述べ、次期総選挙に初めて挑戦する女性候補者と45歳以下の男性候補に通常の支援に加え、100万円の資金貸付制度を創設したいと語りました。

 G7広島サミットについて「成功を期待したい」と述べ、ロシアによるウクライナ侵攻の終結とロシアの全面撤退に向けて「一歩でも前に進むサミットであって欲しい」と語りました。また、経済・物価安定、エネルギー、気候変動への対応、AIなどの新しい技術への対応などの議論で「岸田総理と日本政府には成果を出していただきたい」と述べました。

 各国首脳への贈り物として、原爆が投下された広島の地での開催であることから、被爆し苦しんできた多くの被爆者や家族について、また復興を願い、取り組んできたから今の広島があるとして、原爆被害の写真集が良いと述べました。

 少子化対策の財源に医療保険料の上乗せを検討していることについて、「防衛費は暴走し、一方で少子化財源は迷走」していると指摘、少子化財源は明確にならず、防衛財源だけはリアルになっていくと述べました。歳出改革や恒久的には税制(所得税・法人税・金融所得課税など)改革で手当てができると語りました。

 ジャニーズ事務所での性被害などについてヒアリングを実施したことに触れ、「立憲民主党として何か手柄をとるという発想はない」「野党が主導で取り組むということでもなく、超党派、与野党で取り組むべきことだ」と述べ、超党派で児童虐待防止法の改正チームを立ち上げ、保護者・監護者と同様に地位利用による第三者についても対処できるよう自民党にも協力を要請し、今後他党にも働きかけていく予定だと語りました。

 財務大臣不信任決議案が否決されたことに関連し、防衛費増額の財源確保法案は「やり過ぎ法案、行き過ぎ法案、暴走法案」「現実的な安全保障を考える立憲民主党においても(の立場としても)防衛費の増加の議論は煮詰まっていない、枠組みがいい加減である」と述べました。さらに、委員長の解任決議は国会法に規定されていることであり、「パフォーマンス」「日程闘争」などの批判について「全力で闘う、最大限の可能性を追求することを忘れている政党がいるとしたら、闘う気がない、敗北主義だ」と述べました。

 LGBT理解増進法案(2021年に超党派議連で合意した法案と同内容)を昨日衆院に提出したことについては、「採決したら勝つに決まっているから与党(提出の法案)に乗りますという野党がいるとしたら、それは大きな間違い」と述べ、公明党を含め、超党派で策定をした法案への賛成を求めました。

 記者から他党との選挙協力について問われると、「立憲民主党として国民からの信頼を得られなければ、どの党と組もうとも立憲民主党は伸びない」「『有権者に人を大事にする政党である、人のために働く政党である、国民生活を向上させる生活目線の政党である、それが立憲民主党である』ということがまず伝わらなければ、どこかの党と組んでいる政党としか見られない」と述べ、「まず、独自で頑張ること。それに尽きる」と語りました。

 維新・梅村議員のウィシュマさんに関する発言に関連し、17日に音喜多政調会長が本会議の質問は問題提起として間違っていないなどと述べた後、18日になり梅村議員を委員会から外したり党での処分をする意向を明らかにしたことなど日本維新の会の対応について評価を求めらると、「維新の中も大混乱しているのだと思う」とした上で、政治家間で謝れ・謝るなといった話ではなく、亡くなられたウィシュマさんとご遺族が名誉を傷つけられた話だと指摘しました。

 有権者に伝えるべき立憲民主党とはどういったものかと問われると泉代表は、政党は人のため、人の幸せのためにあると述べ、「徹底的に国民生活、人間の幸せ、人間の安全保障に力を入れている政党」として一番になりたい、その結果として、選挙でも一番になれれば良いと思うと語りました。続けて、多様性や人権の問題にこだわるのは、「元気な人だけが元気であればいい」「勝った人だけが幸せであればいい」と思っていないからだと述べ、スポーツに例え、相手チーム、観客、試合をするためのスタッフ、みんなが幸せだという状態をどう作っていくかに最もこだわりをもって考えていくのが立憲民主党だと語りました。

 泉代表は今回の会見にかりゆしウェアで臨んだことについて、今週15日に沖縄が日本への復帰から51年を迎えたからだと説明しました。