立憲民主党は11月15日、「杉田水脈議員による人権侵犯に関する国対ヒアリング」を国会内で開きました。自民党の杉田水脈衆院議員はみずからのSNS等でアイヌ民族をやゆする投稿をし、札幌法務局から人権侵犯の事実があったことを認定されました。しかし、その後インターネットの番組に出演した際にも、アイヌ文化の事業関係者をやゆする発言をしており、人権救済の申し立てを行った当事者を招きヒアリングしました。また、このような状況に対する対応を法務省、内閣官房よりヒアリングしました。

 当事者からは、「このような人を陥れる議員やそこにぶらさがる差別者を許してはならない」「国会で包括的な差別禁止の法律をすぐに検討してほしい」などと声があがりました。

 徳永エリ参院議員は、杉田議員が、アイヌ関係団体がアイヌ文化の振興事業について公金を不正流用した疑惑があると示していることについて、「内閣官房として明らかにして、この疑惑が事実ではないことが明らかになれば、しかるべき責任を求めていくべきではないか」と問いました。内閣官房担当者は、平成22年2月から9月にかけての北海道が実施した調査の結果で、公益財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構の助成事業で一部助成金の不適切な執行があったが、それ以降防止対策を講じることで、適正な事業が行われていて、「不正経理はないと認識している」と答えました。道下大樹衆院議員は、「大変重要な回答だ」と発言しました。

 また徳永議員は、人権侵犯と認定されてもどのような措置を取ったか公表できず、法的拘束力も強制力もなく、「人権救済を申し立てた方々が救われない」と指摘。その点についてどう考えているかを法務省に質問しても「実効性のある制度を検討していく」と述べるのみでした。徳永議員は、「人権侵犯を認定されたのに誹謗中傷を繰り返すことがあってはならない」と述べ、政府が真剣に受け止めるように要望しました。