衆院本会議で2月20日、立憲民主党が提出した「文部科学大臣盛山正仁君不信任決議案」の趣旨弁明を菊田真紀子議員が、賛成討論を堤かなめ議員が行いました。討論後、採決が行われ、賛成少数で否決されました。
菊田議員は、盛山文部科学大臣が2021年の衆議院議員選挙において、旧統一教会の関連団体から推薦状を受け取り、選挙の支援を受けていたことが明らかとなったことに「旧統一教会との関係を自ら公表する機会が何度もあったにもかかわらず、報道されるまで自分にとって不都合な事実を隠し続けてきた盛山正仁氏は、文部科学大臣にふさわしくない」と断じました。
菊田議員は、盛山大臣が閣僚に就任する際に、過去に旧統一教会との関係があれば開示するよう官邸から通達があったにもかかわらず、文部科学大臣に任命されたことについて、「官邸すらも欺いていたことになる」「岸田総理を支えながら大臣になりたいがゆえに岸田総理もだましていた」と指摘しました。
また、菊田議員は、旧統一教会との関係が明らかになると、盛山大臣は国会で「記憶にない」と繰り返すなど、国民への説明責任をまったく果たすことなく大臣の職に居座り続けていることに、「記憶があいまいで国会での質疑に明確な答弁ができず、政策協定すら文章をよく読まずに署名し、その署名をすぐに廃棄してしまうような人物にこの国の教育行政や文化行政を任せていて大丈夫なのか」と批判しました。
菊田議員は岸田総理の任命責任についても、「盛山大臣が解散命令請求を出したのだから、現時点で旧統一教会と関係はなく、問題がない」といった岸田総理の発言を問題視し、昨年の与野党協力で成立した被害者救済法についても、政府側の取り組みが「消極的で決して十分とは言えない状況」と指摘しました。さらに、山際大志郎元経済再生大臣が旧統一教会との関係が明らかになった際に更迭されている一方で「なぜ盛山正仁氏を即刻更迭しないのか、不思議」と指摘した上で、「岸田総理の任命責任も厳しく問わなければならない」と批判しました。
最後に菊田議員は、「宗教行政を担っている文化庁職員にとっても、厳しく対峙するべき旧統一教会と、実はズブズブの関係にあった人物が文部科学大臣を務めている状況は決して好ましくない。一刻も早く辞任してほしい」と訴えました。
【衆院本会議】「盛山文科大臣不信任決議案」趣旨弁明 菊田真紀子議員 20240220.pdf
盛山文科大臣不信任案に「賛成」の立場で討論に立った堤議員は、賛成する理由として、(1)宗教法人を所管とする文部科学大臣として不適格であること(2)盛山大臣と旧統一教会の関係において、宗教行政や教育行政が歪められる大きな懸念があること(3)盛山大臣は文部科学大臣として、国民の信頼を失ったこと――の3点を挙げました。
その上で、岸田総理には「盛山大臣の問題については、総理の任命責任も極めて重い」と指摘。メディアの世論調査でも国民の8割以上が説明責任を果たしていないと考えているなか、「説明責任を果たすことができない盛山大臣を、一刻も早く更迭すべき」だと訴えました。
盛山大臣に対しては、旧統一教会との関係を隠し、嘘の回答をして文部科学大臣の職を得た大臣は、子どもたちに範を示すためにも、自ら辞任すべきだと求めました。
自民党、与党の議員には、「盛山大臣の不信任案に反対することは、盛山大臣の政治姿勢やこれまでの言動を容認すること」だと述べ、国民から負託を受けた国会議員としての矜持を示し正しい判断をと求めました。
最後に、国民の皆さんに「ごまかし答弁を繰り返す大臣、国会議員を一層し、ともにまっとうな政治に変えよう。人へ、未来へ、まっとうな政治へ。私たち立憲民主党とともに、もっと良い未来を一緒につくろう」と呼びかけ、討論を締めくくりました。