立憲民主党の子ども・若者応援本部(本部長・泉健太代表)は4月12日、国会内で、ニッセイ基礎研究所生活研究部上席研究員の金明中氏より、「韓国社会における少子化の現状と課題」をテーマにヒアリングを行いました。
冒頭のあいさつで事務総長の大西健介衆院議員は、「子ども子育て支援法改正案」に関する「衆議院地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会 厚生労働委員会 連合審査会」において、日本円で30兆円の少子化対策を行った韓国で少子化トレンドが反転できていない現実を検証すべきだと主張したところ、加藤こども担当大臣の反応が鈍かったことを紹介しました。日本の子ども子育て政策に生かせるよう、今日の機会にしっかりと勉強したいと述べました。
金明中氏は講演のなかで、韓国の国会立法調査処が「出生率が1.19(2013年の出生率)のままで少子化が改善されない場合、韓国は2750年には消滅する」という衝撃的な推計が行われるほどの韓国の少子化の現状について、説明しました。また、韓国も日本同様に子育て世帯に対する経済的支援が主であるため、給付策の拡充に留まらず、男女間における賃金格差、出産や育児による経歴断絶、ガラスの天井など、結婚を妨げる問題を改善するなど、多様性を認める方向に進むことや、未婚率や晩婚率を改善するための対策により力を入れるべきであり、何よりも安定的な雇用と賃上げが必要であると指摘しました。
講演を受け、大西事務総長は、「韓国と日本の状況は似ており、子育て世代に対する給付だけではなく、儒教等の文化的背景を前提に、日韓両国に共通の問題としてともに乗り越えていきたい」との決意を表明しました。