立憲民主党は12月20日、「医薬品不足を解消するための中間年改定廃止法案」(正式名称:健康保険法及び高齢者の医療の確保に関する法律の一部を改正する法律案)を国民民主党及び社会民主党と共同で衆院に提出しました。
薬価の見直しは、従来、診療報酬改定に合わせて2年に1回行われてきました。しかし、2016年の4大臣決定を契機として、診療報酬改定のない年にも、価格乖離の大きな品目を対象に薬価改定(中間年改定)が行われており、それまで2年に1回行われていた薬価改定と比較して、薬価の急激な引き下げが行われています。
この薬価の中間年改定は、医薬品産業の賃金競争力を低下させ、業務負担を増加させるといった悪影響を及ぼしています。その結果、離職者が増加するといった事態を招き、医薬品産業の基盤が大きく揺らいでいます。また、薬価が削られやすい傾向にあることが、薬不足の要因の一つにもなっています。
これまで立憲民主党は厚生労働省に対して、中間年薬価改定を廃止し、2年に1度の改定とすることを要請してきました。しかし、政府は中間年改定を維持し、来年度も薬価を改定しようとしています。そこで、医薬品の安定供給、イノベーション創出の基盤を強固にし、国民に品質の高い医薬品を安定して供給できるようにするため、診療報酬(薬価)の基準は2年ごとに必要な改定を行うことを原則とすることを法律上明確化する本法案を提出しました。
法案提出後の記者会見で、筆頭提出者の中島克仁衆議院議員は、「医薬品が供給不足で、30年医者をやっているが、こんな状況は初めて。こういう状況を招いているのが中間年薬価改定であることから、中間年薬価改定になんとか歯止めかけないといけない」と実体験をもとに法案の必要性を述べました。また、「報道を見ていても薬価が下がることで、国民負担が下がるというような論調ではあるが、巡り巡って、医薬品の基盤を揺るがして、国民の皆様の健康や命を脅かしている。この状況に一刻も早く歯止めをかけなければいけないということで、この法案の提出に至った」と語りました。さらに、「野党だけでなく与党にも賛同する方がたくさんいる。審議して成立を目指していきたい」と意気込みを語りました。
立憲民主党の法案提出者は、中島克仁(筆頭提出者)、山井和則、柚木道義、伴野豊、井坂信彦、早稲田ゆき各衆院議員です。森本真治参院議員も同席しました。
【提出法案等】
【概要】医薬品不足を解消するための中間年改定廃止法案.pdf
【要綱】医薬品不足を解消するための中間年改定廃止法案.pdf
【法案】医薬品不足を解消するための中間年改定廃止法案.pdf
【新旧対照表】医薬品不足を解消するための中間年改定廃止法案.pdf
【説明資料】医薬品不足を解消するための中間年改定廃止法案.pdf