参院本会議で5月29日、グローバル戦闘航空プログラム (GCAP)政府間機関の設立に関する条約について、代表質問が行われ、水野素子議員が登壇しました。

 水野議員は「近年深刻な国際紛争が頻発している」「多くの大切な命が失なわれていることに深い悲しみを感じる」と述べ、「戦争の苦難の歴史と平和憲法を持つ日本こそが、武力の行使や戦争によらない平和の維持構築を、戦争を防ぐ抑止力としては武力よりも外交を、国連改革やICJなどの国際裁判制度の補強などにおいて国際社会でリーダーシップを果たすべきだ」と訴えました。

 本条約について以下の点について質問しました。

 (1)次期戦闘機開発の必要性について、そもそもなぜ今必要なのか、改めて問うと指摘し、「約43兆円に及ぶ防衛費の大幅な増加、トマホーク400発など膨らみ続けるFMS調達など、国民の暮らしが厳しい状況において暮らしを守るための他の予算とのバランスが悪く、具体的な用途にも疑問が多い」と述べ、さらに「近年、安全保障の戦略領域は無人機・ドローン、宇宙、サイバー、電磁波など、人員喪失リスクを極力低くすることを念頭においた装備品や抑止力技術に各国の主軸が移っている」と指摘し、「10年もかかると言われる次期戦闘機の開発に、多額の国家予算・税金を投入し、これから取組む必要性と合理性」について疑問を示しました。

 続いて、(2)国際共同開発の必要性について、従来、日本の独自開発をめざしてきたにもかかわらず、国際共同開発に転じた理由は何か(3)協力相手方について、英伊が最善と考えた理由と、規定されている追加的な締約国の参加について、どのような国が想定されるか(4)共同開発の枠組み(5)締約国間の役割分担(6)知的財産権、製造権、情報の取扱い――等について質問しました。

 水野議員は(7)完成機の輸出と防衛装備移転三原則等との関係について、改正された防衛装備移転三原則及び運用指針では、日本は現に戦闘が行われている国に対してGCAP完成機の移転は行わないとしている。他の締約国が第三国に移転する際の我が国の事前確認において、現に戦闘が行われている国への移転を我が国は認めず、従って現に戦闘が行われている国にはGCAPの移転は一切行われないのかと問いました。

 最後に水野議員は「昨年末の防衛装備移転及び運用指針の改正、さらには一昨年末の安保三文書の改正についても、私は国会で改正内容を事前に政府に質問したが、全く回答がなく、国会閉会直後に閣議決定により改正された」とプロセスの問題点を指摘しました。

 水野議員は、「憲法の平和主義にかかわる重要な法政策について国会で事前に説明せず、与党のみの閣議決定で密室的に改正し、骨抜きにしてきた政府の姿勢は、立憲主義・民主主義の観点で問題」「この政府・自民党の国会・国民軽視の政治姿勢は、裏金問題にも通じる。多くの自民党現職議員がからみ、違法の恐れもある戦後最大級の不祥事を、仲間内の不透明な調査や形だけで中身のない改善策でごまかし、トップも責任を取らない。このように国民を欺き続ける政治を変えなければ、日本の未来はない」と訴えました。

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