泉健太代表は7月12日午後、国会内で定例記者会見を開き、(1)防衛省・自衛隊の不祥事(2)兵庫県知事への内部告発をめぐる問題――等について発言しました。

(1)防衛省・自衛隊の不祥事
 防衛省・自衛隊で「特定秘密」の違法運用や手当の不正受給など、不祥事が相次ぎ約200人が処分される事態となっている問題や、2023年度の防衛予算で1300億円が未使用になるとの見通しを踏まえて泉代表は、5年で43兆円という防衛予算により「現場にさまざまな歪みが起きている」との認識を示しました。また、岸田総理が事実上先送りしている防衛増税についても、「撤回」すべきと強調しました。

 さらに、同12日に閣議了解された「防衛白書」を掲げながら、泉代表は、次期国会は防衛予算の中身を徹底的に点検する「防衛予算総点検国会だ」とも表明。相次ぐ幹部らによる不祥事は「組織の信頼を失墜させる行為」だとして、立憲民主党は現場の自衛隊員が「きちんと仕事ができる環境に変えていく」と強調しました。

(2)兵庫県知事への内部告発をめぐる問題
 兵庫県の斎藤元彦知事らを内部告発した県の局長が亡くなられたことについて泉代表は、お悔やみを表明しました。その上で、かつて所属していた衆院内閣委員会で「公益通報者保護法を定着させて、どの組織でも通報者が守られなければいけない」と繰り返し訴えてきたと強調。兵庫県議会が設置した調査特別委員会(百条委員会)で、実態解明を進めるべきとの認識を示しました。


泉健太代表記者会見

2024年7月12日(金)15時00分~15時45分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/D2vpHODSUVU


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○防衛省・自衛隊の不祥事による大量処分について

【代表】
 通常はというか、毎週は午前中でしたが、きょうはちょっとさまざまな予定の関係で午後ということになりました。よろしくお願いします。
 まず、防衛省と自衛隊の不祥事の問題です。防衛大臣も会見を開いて、自らは1カ月の減給ということ。そして、延べ220人が処分ということであります。これは海自と航空自衛隊での特定秘密の違法な運用、そして手当の不正受給などなど、そういったこと。さらには、海自の潜水艦乗組員における川重からの物品の供与、飲食接待などなど(の問題で特別防衛監察が行われる中)、かなり大規模な処分ということになりました。
 これは、5年で43兆円という巨額の防衛費の問題で、先日も記事になりましたが、1300億円ほどが、当初予定していた予算が消化できなかったということも明らかになりました。
 かなり、この防衛省・自衛隊の現場にさまざまなひずみが起きている。おそらく対応力を超えているのではないかという状況が出ているのではないかと思います。
 もちろん、この潜水艦乗組員云々の問題だとかは随分以前から行われていたということですから、これはこれで根深い問題ではあるわけですが、改めて、国民には防衛増税を言いながら、一方では予算を使いこなせないというわけですから、使い切れないというわけですから、ここには相当な矛盾がありますよね。ですから、防衛増税撤回と。今も事実上先送りをしているわけですが、この防衛増税撤回ということを政府・岸田総理は改めて考えるべきだということがまず一つ。
 そして、この予算が適切なものかどうか、ここも国会として検証が必要ですね。ですので、次期国会、これは臨時国会になるかもしれませんが、きょう「防衛白書」、出されたばかりの「防衛白書」を持ってきましたが、改めて、この中にある防衛予算などなどを含めて徹底的に中身を点検しなければいけないと考えていますので、次の国会、これは「防衛予算総点検国会」だということも我々想定をして準備をしていかなければならないなと思っています。
 現場では極めて真面目に、日々スクランブルや警戒監視に当たっている自衛隊員がおります。真面目に仕事をしている隊員、訓練に携わっている隊員はたくさんいます。そういう隊員たちからしても、こうした不祥事というのは、自らの組織の信頼を失墜させる行為であり、世の中の目も厳しくなるということで、大変遺憾に思っている自衛隊員の方々は多いと思います。
 そういった、組織にひずみを与えてしまうような、この昨今の防衛政策になっていないのかどうかというところも含めて、立憲民主党として、我が国を守る自衛隊の皆さんがちゃんと仕事ができる環境に変えていくということは必要だと思っておりますので、引き続きこの問題に取り組んでいきたいと考えています。

○兵庫県知事告発者死亡 公益通報者保護の必要性について

【代表】
 私は、もちろん代表になる前というか、まだ当選して2回、3回くらいのときには随分内閣委員会で仕事をしていましたので、公益通報の保護法というのは私自身も取り組んできた法案の一つでした。
 当時も、民間企業の中における不利益取扱いというものがあって、例えば取引先の下請けの会社の社長が公益通報したら会社が立ち行かなくなったケースとか、いろいろな、その公益通報者の受けた被害というものを目にしてきて、その都度その都度、公益通報者保護法をちゃんと定着させて、どの組織でも通報者が守らなければいけないということを繰り返し言ってきたわけなのですが、やはりこれがまだ徹底していないなということを実感いたします。
 今、兵庫県の県庁でも大変残念なことになってしまっているということで、その告発をした元幹部が自ら命を絶つということで、改めてお悔やみも申し上げたいと思いますし、そして、今、百条委員会も行われておりますが、やはりこの拙速な処分だとか、まさに上に立つ者が「うそ八百」とか「事実無根」だということを一方的に言って、しかも、言った人間まで当然特定されて、相当なプレッシャーを受けたということもこれは事実でありまして、真相はこれからまさに百条委員会の中でさまざまに解明されていくことであると思いますが、ぜひこの百条委員会はしっかりそういった点を明らかにしていただかなければいけない。
 そのほかにもさまざま、鹿児島県警の問題ですとか、いろいろと言われているものもあります。とにかく、その通報者というのは立場が守られなければならない。そういう中で究明が進んでいって、それが真実かどうかということは当然一つ一つ判断されていくわけですが、通報者そのものが危うくなるようなことではならないと、これも改めて言わなければいけないと思っています。
 兵庫県においては、立憲民主党の所属議員ですとか同じ会派のメンバーは、この疑惑に対してはいち早く問題視をして行動もしてきているということで、それそのものは正しいことであると思いますし、議会の中でもしっかり解決をしていく必要があろうと思います。

○東京都知事選の結果について

【代表】
 さて、東京都知事選も、そして、東京都議(補)選も終わりました。
 結果は結果としてもう出たわけでありまして、これは今、基本的には戦った陣営の中でさまざまな分析や検証を行うということだろうと思うし、立憲民主党においては、特に都知事選ということもあり、東京都連の中でその分析なりを進めていくということにもなろうし、さはさりながら、首都東京の知事選ですから、我々執行役員会の中でも既に意見交換はしてきているところであります。
 改めて、応援をしてくださった全ての皆様に、これは我々も応援した一人ではありますが、感謝を申し上げたいと思いますし、我々の訴え方が、あるいは訴えが通じなかったということについては、ここを反省し、いかに次につなげていくかということも必要だろうと考えております。

○政権交代へ向けた取組について

【代表】
 一方で、東京の都知事選と、全国で行われる衆議院総選挙というのは、また選挙制度も違えば、選挙そのものの中身も大きく異なります。構図も異なりますから、改めて立憲民主党としては、総選挙に向けて、その準備を進めていくということを、更に力を入れていきます。
 きのうは鹿児島県へ行ってきました。そこでも「政権交代行脚」ということで、共に、鹿児島、熊本、宮崎の3県の県連の役員たちと意見交換を行い、空白区に更に候補者を出すよう取組を要請したところであります。
 きょうはこれから新潟、あしたも新潟ですね。あさって日曜日が和歌山。そして、月曜日が群馬ということで、「政権交代行脚」を引き続き続けてまいります。
 そして、「りっけん政治塾」、また今週土曜日に行われますので、今回は長妻政調会長ですが、この「りっけん政治塾」でも、今、改めて塾生の皆さんに、国政にエントリーをしたい方についてはぜひ公募に紙を提出してほしいということを呼びかけをしておりますので、既にもう何件かその公募に応じて用紙を提出するという方々が出てきております。
 そういったことも含めて、候補者擁立をできる限り早期にまた進めていきたいと、このようにも考えているところであります。


■質疑

○防衛省・自衛隊の不祥事による大量処分について(1)

【北海道新聞】
 冒頭ご発言にあった防衛省と自衛隊の不祥事の関係で2点伺いたい。まず1点が、今回閉会中にこういった大規模な処分が行われたこと、それ自体の受け止めを伺いたい。加えて、この閉会中に何らか国会で政府側に対してただす場が必要ではないか、閉会中審査等への考えについてのご見解をいただきたい。

【代表】
 これはもう先週もお話ししていますから、我々としては、これは可能な限りやはりそういったことも考えていきたいと思います。
 処分が閉会中になったか、それとも国会開会中にできたのかというのは、これは国会が閉会してから出てきている事実もたくさんありますからね。そこは閉会中だから何か意図を持ってずらしたというところまでの話ではないのかなとは考えています。

○選挙のあり方に関する議論について

【フリーランス】
 次期選挙について言及されたので、それについて伺いたい。ことしになって選挙は非常にネット戦略というかネットの影響を受けがちになっている。特に東京都知事選はネット戦略に勝った候補が大量得票を取るというような結果になっている。ところが、ネットの世界というのはどうしても特定の恣意が入り込む可能性が非常に強く、なおかつ動画の場合は広告料を取るためにバズるところを重視して出すところがある。それも含めて、選挙妨害などの問題について、公職選挙法の改正というような動きがあり、6月に閉会した国会で審議されるということもあったが後回しになってしまったが、この公職選挙法改正で、例えば選挙期間中にそういった類いの動画に関しては、出していけないというわけではなく、収益に関して課金させないようなシステムをつくるとか、それはすごく簡単な方法だと思うが、そういったところの検討というのはいかがお考えか。

【代表】
 ありがとうございます。
 それは十分あり得ることだと考えます。
 これまでも、実は公職選挙法というのは、広く目について、広く展開できて、有権者に大きな影響を与えるものについては、都度都度ルールを定めてきているという歴史はあると思うのですね。例えばビラにしたって、わざわざ証紙を貼って枚数制限をしているのはなぜかといえば、それがとにかく自由であれば幾らでも、何百万枚とまくことも可能になってしまって、ある意味、中立公正な選挙運営ができなくなるということから規制をしているわけですよね。テレビでもやはり公平な報道、公正な報道ということがルール化されているということもある。
 そういった意味では、新しい媒体としてのこのネットについては、今は全くその意味での規制がない状況ですから、一つ、今おっしゃったように課金(収益化)についてどう検討していくかということも十分な論点になり得ると思いますし、そもそも、このネット動画の世界において、さまざまな動画も、これは真実であるもの、ないもの、フェイクなものも含めて拡散しかねないという状況の中で、何をどういうふうにルール化していくのかというのは、これはやはり政治の中で検討されてしかるべきことだと考えています。

○防衛省・自衛隊の不祥事による大量処分について(2)

【共同通信】
 防衛省の不祥事について改めて伺いたい。今回、4項目について200人以上が処分された。特に特定秘密の不適切な扱いについては、諸外国との関係等も含め深刻な問題かと思うが、この辺り、代表の認識を改めてお願いしたい。

【代表】
 2014年に特定秘密保護法ができて、おそらく自衛隊の、これはあってはならないことではあるものの、やはり現場のそれぞれの環境の中で、情報を、共有してよい情報と共有してはならない情報の峻別・区別がまだまだ徹底していないということを感じます。例えば同じ船なり潜水艦のオペレーションルームがあるところで、一定の部下には情報は共有していいけれども、その隣にいる部下にはもしかしたら情報を共有してはいけないかもしれない。なのだけれども、同じ空間の中にいる際に、ついついそこを共有してしまうようなところがあるのではないかなどですね。
 やはり情報共有をするということが必要な場面もありますが、特にこうした特定秘密に関わるようなことというのはやはり厳格さが求められますから、そういったことが全ての隊において徹底されるということがやはり必要だというのは強く感じます。

【共同通信】
 防衛大臣は給与の1カ月分の自主返納を既に発表されているが、川重の問題をめぐっては特別防衛監察が実施される予定だ。既に辞任を否定されているわけだが、大臣のこの責任の取り方についてはどのようにお考えか。

【代表】
 今後、更にこの不祥事が拡大するということになれば、今のような処分では足らない可能性というのはあると思います。

【共同通信】
 また、処分が発表されたが、この説明責任についてはどのようにお考えか。

【代表】
 どういう意味でしょう。

【共同通信】
 きょう発表され、同時に処分も発表されたわけだが、国会あるいは国民に対しての説明は十分に尽くされているとお考えか。

【代表】
 いや、まだまだでしょうね。実態全容も明らかではないわけですから、そこはやはり説明してもらわなければいけないですね。

○党代表選について

【朝日新聞】
 昨日の会見と同じ質問で大変恐縮だが、代表選をめぐり枝野幸男前代表が赤松元議員に代表選立候補の意向を伝えたという報道があった。まず、この受け止めをお聞きしたい。

【代表】
 ございません。誰が誰と会うのは自由ではないですか。

【朝日新聞】
 特に代表選でどなたが出るかということに関しては、泉代表の立場からは何かないか。

【代表】
 何かあると思う。

【朝日新聞】
 ないですね。

【代表】
 誰が誰と会うとか、誰が出るとか、何かうちの党で駄目とか規制されているものはないと思いますよ。

【朝日新聞】
 これも同じ質問で恐縮だが、代表自身の代表選に向けた姿勢を改めてお聞きしたい。

【代表】
 党代表選は、我が党代表選管の今の想定では9月中だと聞いています。
 党代表としては、今、7月ですしね。とにかく今は現職の代表として、全国各地、党大会で決めた候補者擁立をとにかく達成させるべく全力を尽くしている最中です。そういった意味では、まだ現代表としての職務が、まだ今はそこに全力を尽くす時期であって、次の代表選のことについて考えるという状況には至っていません。

【朝日新聞】
 それはいつになったら、ご自身の出る、ないしは出ないという判断ができるというふうに考えているか。

【代表】
 さあ、いつでしょうね。

【朝日新聞】
 関連で、もう一点だが、泉代表は昨日のXで、「歴史や伝統を敬い、国と国民を愛する。平和を守る。国民生活を豊かにする。多様性を認める。金権政治を打破する。立憲民主党を担う次世代を育てる。これらを念頭に党を運営してきた。国民に安心いただける立憲政権をつくる!」と投稿している。これは、これまでの党運営を振り返りつつ、立憲政権をつくるという、今後の決意を示したというふうに捉えられるが、代表選への出馬を表明するという意図が含まれていると考えてよろしいか。

【代表】
 面白いですね。いろいろな妄想が膨らみますね、朝日さん。
 私のXの投稿は、書いてあるとおりです。

【関西テレビ】
 今の代表選の関連だが、代表ご自身がどうかというのはお伺いしないが、きのう連合と代表の会見、それから共産党も小池書記局長が会見を開いた。連合が考えていることと共産党が考えていることがやはり違うなというのが誰も感じたのではないかと思うが、立憲民主党の代表選において、連合との距離感、共産党との距離感、それぞれどういうふうに持ったらいいかということが争点になり得るのかどうか。この辺りはどういうふうにお考えか。

【代表】
 代表選って、誰が出るかもわからないし、もしかしたら一人しか出ないかもしれないし、そうしたら争点になるもならないもないし、ちょっと予想はつかんですわね。
 でも、基本的に他党が何を考えているとか、党の外がああだこうだというのは、全く出てこないかどうかはわからないけれども、争点ということではないのではないかなと思いますけれどもね。
 あとは、じゃあ今の立憲民主党でそんなに何か全く違う路線が存在しているんですかね、というふうにも思いますけれどもね。

【関西テレビ】
 一方で、代表が、次の代表選に対して、こういう議論が深まったらいいなと、何か期待する部分というのがあったら教えていただきたい。

【代表】
 それはあらゆる議論が深まったらいいですよ。それはもう外交から安全保障から経済から、あらゆる問題は、やはりこれは我が国のリーダーを選ぶ予備選挙みたいなものですから、全ての論点において盛り上がることが必要だと思います。

【関西テレビ】
 一番を挙げるとしたら、どこが盛り上がるか。

【代表】
 いや、それは別に私から言うことではないですね。

○野党連携について(1)

【テレビ朝日】
 昨日の連合との会談の後に、連合の芳野会長が、さきの都知事選で共産党との協力によって票が流れてしまったのではないかと言及された。また、夕方の共産党の小池書記局長の会見では、それを否定する形で、連合東京が小池知事のほうを応援したということで批判をした。泉代表は昨日のぶら下がりでは特に今後の方針などについては答えていなかったように感じたが、改めて立憲民主党としての考えをお聞きしたい。

【代表】
 場外での戦いがにぎやかになっているかもしれませんが、戦ったのは、出馬を決意して立ち上がったのは蓮舫さんだし、その蓮舫さんの選対、陣営の中でさまざまな選択をして、最善を尽くして当選に向かって取り組んできたことですから。
 それぞれが分析をするのは自由です。だけれども、今、選対として何が敗因だったなんていうことを決めてもいない状況の中で、こちらから何か「あのせいだ」とか「これがこうしたからだ」なんて言う話ではないと思いますね。ですから、あまり誰においても決めつけをすべきではないと思いますよ。

【テレビ朝日】
 都知事選に関してはそういうことなのかもしれないが、今後の、次期衆議院選挙などにおいての関係性。前の質問と似たようなことになるかもしれないが、今後どうしていくかというところについてお願いしたい。

【代表】
 その意味では、何か毎日さんの、ちょっと私はけさの新聞を見て驚きましたが、立憲民主党は今、全国的に基本的に連携をしているのは国民民主党です。それは全国を皆さん回っていただいたらこれは間違いないことであって、そこがなぜか点線になっていて「連携模索」と書いてあって。全国的に共産党さんと連携しているかというと連携はしていないのです、でも、それがなぜか「連携」と書いてあって、二重線になってしまっていて。これはちょっと間違っているのではないのという気はしましたのでね。
 全国的な我々の認識、党のスタンスということでいえば、あくまで国民民主党とは連立政権の可能性があるということも言ってきているし、既にある種、県内においてはすみ分けをしているところもあるというくらいに全国的には連携を進めている。一方で、共産党さんについて政権を共にするということはこれまでも否定をしてきているし、そういった意味での話合いをしてきているわけではないということで、そこの距離感というか立ち位置は皆さんに正しく理解をしてもらいたいなと思います。

【時事通信】
 今の選挙協力、候補者調整等についての関連の質問だが、例えば愛媛1区では先日候補者擁立を発表されたが、既に国民民主党の石井智恵さんという方がいて、非常に残念だと、立憲民主党に対して共闘できるように候補者を取り下げてほしいという依頼もしていると、記者会見を開いてその旨を発表している。例えばこういったところとか、千葉5区などでもやはり国民民主党は(先に出馬表明したとのことで)候補者を統一したいという意向を示している。活動してきているので、話合いをしたいというような意向を示している。こういった、連立を共に組めるかもしれない国民民主党と競合しているところ、交渉はいろいろあるのでしょうけれども、既に国民民主党の候補者がいるのに後から出してしまったというところをもう一回取り下げるとか調整していく意向はあるか。

【代表】
 あらゆる可能性は僕はあると思っていて、玉木さんとはそういう話も、どこをどう降ろすという話の前に、包括的に、競合するのはやはりよくないよねという話はこちらからもしているのです。
 今紹介してもらった選挙区についてはそういう事実はあるものの、例えば石川1区では立憲民主党が既に前回総選挙に出ている人がいるところで国民民主党の新人が立ってしまったとか、岡山1区でも立憲民主党が前回戦って次も議席獲得に向かって頑張っている中で候補者が立ってしまうとか、実は逆の事例もあるので、これはやはりお互いにそういうのを続けていくのはよくないよねというのは、こちらからも玉木さんには言っているところなので。
 一方で、確かに、国民民主党は国民民主党で各地に候補者を立てたいというモチベーションというか、当然あるし、立憲民主党も立憲民主党で、例えば愛媛で考えたときに、それは県都松山で、やはり立憲民主党に政権交代をしてほしいと期待をしている方々はかなり数多くおられる、そういう方々の期待にも応えなければいけないというのがあるものですから、そういうことをいかにして、やはり立憲民主党・国民民主党双方で、これは繰り返し僕は言っていますが、双方で違いを強調したら幾らでも、違う政党なのだから「あの政策が違う」「この政策が違う」といっぱい出てくる、「スタンスが違う」とかいっぱい出てくるけれども、でも、たぶん違いを強調していたらいつまでたってもまとまらないよと。だから、まとまれるものをいかにつくるかではないのというのは僕からはやはり言いたいですよね。
 そうやってまとまったときには、たぶん候補者調整というのはさまざまできてくる話になると思うので、一日も早くそこにたどり着きたいなという思いです。

○東京都知事選の結果について(1)

【時事通信】
 別件になるが、都知事選で、蓮舫さん、勝利を目指して頑張っていたと思うが、結果的に3位に終わってしまったということだが、長妻政調会長は都連会長としても引き続き使命を果たしていきたいということで、辞任は否定した形になる。これは誰も責任を取らなくていいのか。

【代表】
 これは知事選ですからね。例えば京都府知事選にしても島根県知事選にしても、基本的には県連で態勢を組んで、そして、その県連の中で選挙をやって、その結果が出て、その後、やはり県連としてどう考えるかということがあると思います。
 長妻さんがそういう発言をしたとするならば、それはいわゆる立憲民主党東京都連の人たちに向けておそらく言ったことであろうと思うし、それを受けて東京都連の中からどういう声が上がってくるのか、次の会合がいつ開かれるのかという話には、それはなるのだろうなとは思いますが、基本的にはその県連内、都連内の話ということですね。

【NHK】
 都知事選の話に関連して、大まかな受け止めだが、蓮舫さんが3位という結果に終わったことについて、この結果についての受け止めと、敗因、現時点で代表はどのように見ていらっしゃるか教えていただきたい。

【代表】
 まず、(歴史上)現職が負けたことのない都知事選に挑むということそのものが大きな決断を要することであり、現職が圧倒的にやはり有利なんですよね。そういう中で戦いを挑んだということは尊いことであるし、もちろん、その中でさまざまな想定どおりいかなかった点、これはあると思います。そこは実は党本部でもつぶさにわかるものではないところもあるので、どのように蓮舫陣営として一つ一つの判断をしていったのかというところで検証していくほかはないのだろうなと、こういうふうにも思います。
 岡田さん、うちの幹事長は既に(発言しているように)、この陣営の中で、やはり本来取りに行くべき中間層というか、無党派層が取れなかったということの事実をどう受け止めて、その無党派層を引きつけるために何ができたのか、何をすべきだったのか。そういうところは特に考えなければいけないポイントだというふうには感じますね。

【NHK】
 関連して。中間層をどう取りに行くかということ、都知事選の蓮舫陣営でという話だが、今後の立憲民主党にとってもこれは課題となり得るのか。また、次の衆議院選挙に向けて、その中間層を取りに行くためにどういうふうにやっていかれるのか教えていただきたい。

【代表】
 今回の都知事選が全て総選挙と同じということにはやはりならないわけですが、特に、先ほども別な方の質問であったように、SNS上において、あるいはユーチューブだとかにおいて、本当に例えば蓮舫さんの情報は有権者に届いていたのか。あるいは、他の候補の情報はものすごく届いていたかもしれないと考えたときに、その取組は十分であったのかということも問われていくというか、そこも検証しなければいけないことですね。
 なかなか実は、見る限り、争点をつくるということが一つ大きな、こういった選挙における重要な要素ではあるのですが、争点をつくりにくかった、あるいはつくれなかったというところは、つくり切れなかったというところはあると思うのですね。一方で、では、石丸さんに例えば争点があったかといえば、それは争点は実はなくて、なくてもそれだけ取ったということも今回のある種教訓というか分析材料にしていかなければいけない。そういったところを考えていきたいですね。

【NHK】
 最後に、石丸さんに関連して、今回そういう争点がなくても、また、組織がなくても、これだけの票を獲得した石丸さんというのは、立憲民主党にとって驚異的なのか。どういうふうに受け止めているか。

【代表】
 いや、個人云々ということよりも、もしかすると、さまざまな仕組み、システムというところも考えなければいけないなと思いますね。石丸さんは石丸さんのパーソナリティなり石丸さんの特徴があってのことだと思いますが、それを他の人たちが同じようにするということにはやはりならないので、そこは立憲民主党は立憲民主党として、またどういうふうに対策をつくっていくかということですね。

【「FACTA」】
 野党第1党が首都東京で看板の女性候補を立てて、これほどひどい負け方をしたと。選挙制度は違うし、いろいろな状況はあるが、やはりあってはならないことが起こってしまったのではないか。天井が落ちてくるくらいひどいことだ。問われているのは危機感だが、これをどれくらいの危機感と受け止めているか、それをまず伺いたい。こんな負け方をしたら、プライドがもうずたずたになるような負け方だと思うが、どう考えておられるか。立憲民主党というか、泉さんは。

【代表】
 全ての危機感や我々の考え方を皆様がそのまま受け取っているかどうか。それは皆さんに、受け取ってもらう側の方の問題というか、受け取り方かもしれません。
 我々は我々で、さまざまな考え方を持っています。この大事な東京都知事選挙、我々もそれなりに力を尽くしましたからね。その結果がこうだったということは、よく認識をしています。

【「FACTA」】
 分析されるそうだが、昨日の長妻都連会長のお話を伺っていても、どこに危機感があるのかと。こんな負け方をして、選挙区で10人立てても比例復活も含めて何人当選できるのかというくらい。これは別に東京の問題だけではなく、全国の都市部で立憲というのは本当に票を持っていないんだなと。実際に小池さんはステルスでも自公でこれだけ票が出ているわけだから。そういう意味で、代表選なんて言っているが、立憲の本当の危機だという認識を持っておられるのかどうか。それが全然伝わってこない。都連からも立憲民主党の本部からも。それはどうお考えになっているか。

【代表】
 それはこちらで考えます。

○野党連携について(2)

【読売新聞】
 先ほど国民民主党との競合区の関連で、代表は最後に、違いを強調していたらまとまれないのでまとまれるものをつくりたい、一日も早くそういう場所にたどり着きたいというご発言があったかと思うが、国民の玉木代表はかねてから国家の基本政策に関する協議をしませんかということを再三提案されているが、現時点で代表のお考えはいかがか。

【代表】
 協議をしませんかではなく、もうやっていますよ、実は。

【読売新聞】
 それは玉木代表と泉代表の間で。

【代表】
 いや、もう我々でお互いに話をして、舞台をつくっています。我々、直接ではないですが、もう始まっています、協議は。

【読売新聞】
 それは何か党幹部レベルといった。

【代表】
 はい。まあ、党の何らかのレベルでやっています。

【読売新聞】
 昨日のぶら下がりの中で芳野会長のほうから、大きな政党が小さな政党に対して配慮しないとなかなか小さな政党の活動は難しいのではないかというご発言があった。これは国民と立憲のことかなと思うが、このご発言については代表はどのように受け止められたか。

【代表】
 そうですね、僕はよく2003年の民由合併の話をするのですね。やはり、まず、本気で一緒になると、一緒にやるという決意を持つかどうか。これは大事だと思います。
 もちろん、大きいところが小さいところに配慮する、そういう姿勢を持ってやりたいですね。
 あの民友合併のときというのは、小沢一郎さんは自由党の代表でありましたが、やはり大きな固まりをつくらねばならないということを明言して、まとめにいくんだという姿勢を明確にして、先ほど言ったように、姿勢としては違いを強調するのではなく、やはり一致を目指して、お互いに一致できるような提案もして、そして一致に向かっていくということがありましたから、それはお互いにそういう思いを持つことがとても大事だと思います。

【読売新聞】
 先ほどの質問の回答で、既に場をつくられているということだが、今後我々に見える場でそういった場というのはお考えか。

【代表】
 最終的には見えるのではないですか。

○東京都知事選の結果について(2)

【日本テレビ】
 都知事選の関連で伺いたい。先ほど泉代表は、蓮舫さんに対して、強い現職に対して戦って、その勇気に対して敬意を表されたと思う。そのお言葉を何らかの形で蓮舫さんに直接お伝えする機会があったのか。ないしは、都知事選の当日や翌日に電話で何かコミュニケーションを取ったりなどがあったか伺いたい。

【代表】
 蓮舫さん、選挙が終わって数日後ですが、国会を回られて、そのときに私もお会いしまして、まさにねぎらいの言葉をかけたと。

【日本テレビ】
 その以前は何か電話とかでコミュニケーションは特に(ないか)。

【代表】
 はい。

【「フランス10」】
 2点伺いたい。東京都知事選、よかったのは、投票率が60%を超えた。やはり政権交代するときは必ず投票率が高いものだが、これをどう維持していくか。2点目は、石丸さんの支持者、10代、20代、30代、若い人が多い。期日前投票でも初めて入れたという人も多かったと聞いているが、10代、20代、30代にどう働きかけていくか。以上2点を伺いたい。

【代表】
 ですね。今、党の中に僕が言っているのは、特に情報を得る媒体が世代ごとに全く異なっているので、今までのように、街頭演説しているから伝わりますとか、ビラをまくから伝わりますとか、メディアに出れば伝わりますということ、あるいは、皆さんいて申し訳ないけれども、新聞に出れば伝わるということでもなくなっているというのが実情ですからね。そういう意味では、石丸さんが一番ちゃんと若い世代の使っている媒体に合わせた情報発信、情報提供、呼びかけをしていたということになるのではないかなと思います。そういったことを、もっと組織として、政党としてもちゃんと向き合って取り組まないといけないということが、まず大きいと思います。
 そして、確かに投票率が上がれば政治が大きく動く可能性が出てくる。これは今回は小池さんの体制を変えることはできなかったけれども、確かに事象としては、石丸さんが大きく票を取ったというのは、この高得票率のある意味象徴でもあると思います。
 かつて民主党が政権交代を果たしたときというのは、ある意味、今回の蓮舫さん的部分と石丸さん的部分が相まって当時の民主党政権の誕生のような、若い世代から年配の世代まで皆が新しいものを求めて投票率が上がって政権交代になったという気がします。そういった意味では、確かに石丸さんと蓮舫さんを合わせれば相当小池さんと競るような票にはなるわけだから、こちら側、立憲民主党側なり蓮舫さん側とすれば、やはりいかに石丸さんのような取組を大事にしていくかということになるし、石丸さんたちの側にすれば、もしかしたら自分たちの取るべき層はしっかり取れたけれども、では、どうやってそれから本当にトップを取ろうと思ったら伸ばしていくのかというのを、お互いにそこを問うているような状況ではないかなと思います。

○国対ヒアリング等について

【フリーランス】
 統一教会問題について伺いたい。差し戻しということではあるが、一つ最高裁の結果が出て、先ほどマスコミフルオープンのヒアリングに参加させていただいたが、これについてのご感想等々を伺いたい。

【代表】
 国対ヒアリングなどは一時期批判を浴びたこともありました。それは我々として、やはり本来問題を起こしているのは自民党の側であったり、あるいは別なところなのだけれども、目の前の役人に対して時に厳しい口調があったというのは、ずっと、3年ほど前ですかね、ありましたが、それ以降の国対ヒアリングというのは、そういったことの反省もしっかり持って、誠実に、また、時機をよく見て開いてきました。
 それによってかなりさまざまな成果が出てきているというのは本当に事実でして、ジャニーズ問題しかり、この旧統一教会問題しかりなのですが、当事者の方からお話を聞く場というのは実際には国会がほとんどつくれていないんですよね。ですから、まずはこの立憲民主党の国対ヒアリングで、まさに当事者の生の声が世に伝わって、そこを起点にして物事が動いていくということのお役に立てたという意味では、大変我々にとってもよかったなと思いますし、これからも真実をえぐり出すということに取り組んでいきたいです。

【フリーランス】
 都知事選の様子を見ても大変盛り上がりが見られたと思う。お礼演説会という形で、また都議の方や国会議員の方と東京都内を回り問題のほうを再認識してもらうという演説会を持たれたらどうかと思うが、いかがか。

【代表】
 蓮舫さんの陣営なりに伝えたいと思います。

(以上)