小川淳也幹事長は1月14日、定例の記者会見を国会内で開きました。

 小川幹事長は冒頭、「大事な年になる。2月には(2025年度)本予算、3月には企業・団体献金、4月には選択的夫婦別姓を含めた重要法案、そして6月以降は(石破)政権を信任するかどうかを含めた大きな議論、そして7月には東京都議選、参院選挙がある。大変な緊張感と責任感をもって本年1年間、党運営、国会対策、選挙対策に全力を挙げたい」と決意を表明しました。

 参院選挙に向けては、候補者の擁立や1人区を中心とした各党との調整を行い、特に国民民主党とは政策協議の実現や、1人区での重複を避けるべく事前調整に全力を挙げていきたいと述べました。

 13日夜に発生した日向灘を震源とする地震に関しては、党として情報連絡室を設置したと報告。「緊張感を持って取り組んでいく」と述べました。

 また、SNS対策については、自身の責任のもと幹事長室直轄で発信を強化するべく1月1日付で人事を発令したとして、特にショート動画の配信強化に全力を挙げていくと表明。発信内容については、「どういう社会を目指すのか、どういう国にしていくのかというポジティブかつ骨格となるメッセージ、国家ビジョン、社会のグランドデザインが必要という問題意識を持っている。昨年の代表質問では一端を披歴したつもりだが、具体的なことは党の役員会や政務調査会、代表と相談しながら打ち出していきたい」と力を込めました。

 自民党派閥の裏金問題に関して、実態解明に向けて望ましい国会審議の在り方を問われると、「衆参両院での政治倫理審査会の関与の仕方は、アリバイ作りに過ぎない。参院議員は公認を得るために手続き上アリバイを作っているだけで、真相究明や責任追及には甚だ不十分だ。じっくり構えて時間をかけて議論していきたい」と述べました。


小川淳也幹事長記者会見

2025年1月14日(火)10時30分~10時48分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtube.com/live/yPSmeA9qYCU


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

【司会(中谷幹事長特別補佐)】
 それでは、定刻となりましたので、本日の小川幹事長の記者会見を始めさせていただきたいと思います。冒頭、小川幹事長より、よろしくお願い申し上げます。

○本年最初の記者会見に当たって

【幹事長】
 おはようございます。早朝よりご協力ありがとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。
 本当に大事な年になると思っています。
 2月には本予算。
 3月には企業・団体献金(禁止法案)。
 4月には選択的夫婦別姓を含めた、おそらくですが、重要法案。
 6月以降、政権を信任するのかどうかも含めて、大きな議論。
 そして、7月には都議選、参院選。
 参院選以降のことは、参院選が終わってみないとわかりません。
 大変な緊張感と責任感を持って、本年1年間、党運営並びに国会対策、選挙対策、全力を挙げたいと思っております。皆様のご指導ご鞭撻を心よりお願いを申し上げます。
 SNS対策について、本年1月1日、職員の人事発令を行い、発信を強化するということにいたしました。陣頭指揮はここで進行していただいています中谷幹事長特別補佐に務めていただき、幹事長室直轄、幹事長の責任の下、特にショート動画の配信強化に全力を挙げてまいります。
 あわせて、既に報道等もございますが、候補者の擁立。そして、各党との特に1人区を中心とした調整。さらには、特に国民民主党との関係では政策協議を実現するということも含め、あらゆることに全力を挙げたいと思っております。
 ちょっと前後いたしましたが、昨日は大きな地震もございました。私も(地元が)四国ですが、南海トラフを含めて、全国的に、そういう意味でもまた緊張感のある1年になろうかと思います。十分党としても、昨日も情報連絡室を設置いたしましたが、気を抜かずに取組を進めてまいります。


■質疑

【司会(幹事長特別補佐)】
 ありがとうございました。それでは、早速ではございますが、質疑のほうに入らせていただきたいと思います。質問のある記者の方は挙手にてよろしくお願い申し上げます。

○参院通常選挙に向けた取組について(1)

【産経新聞】
 まず、冒頭で言及のあった、ことしの参院選について伺いたい。夏の参院選での国民民主党との協力について、連合の芳野会長は年頭の記者会見で、立憲民主党・国民民主党には大きな固まりの軸となって政権交代可能な態勢を整えていただきたいと述べた。改めて、国民民主党との選挙協力に対するお考えと、基本政策に関する協議も含めて、現在の調整状況について伺いたい。

【幹事長】
 政策協議については昨年来精力的に、特に政調会長を中心に国民民主党さんと協議を進めており、状況は逐一連合にも報告しながら連携を取っているところです。現状、まだ、いついつスタートできると明確に申し上げられる状況にはありませんが、可及的速やかに協議を開始し、今国会の早い段階で着地したい。そう思っております。
 選挙については、特に連合、共に連合から支持・推薦を、応援態勢を取っていただいている両党です。特に1人区でのバッティングは必ず避けたい。そのための事前調整等に全力を挙げたいと思っております。
 したがって、私もちょっと非公式に連合にお願いしているのは、両党で応援態勢、両党で協力態勢、両党でできれば推薦、両党推薦の環境が整うのを待って、1人区については特に連合推薦を発していただきたい、付していただきたい。そういうお願いを非公式にしております。
 それも含めて、国民民主党・連合とよく協議・相談をしながら万全の態勢で参院選に臨みたい。そう思っております。

【産経新聞】
 参院選に関連して、鹿児島県選挙区について伺いたい。鹿児島県選挙区に関しては、立憲民主党鹿児島県連が自民党現職の尾辻秀久氏の三女の尾辻朋実氏を推薦することを決めた。まず、党本部としての対応を伺いたい。

【幹事長】
 公式には、この後、常任幹事会で協議いたします。

【産経新聞】
 現時点では方針などは特に決めていないということか。

【幹事長】
 ご推薦申し上げる予定ですが、公式にはこの後、常任幹事会で協議したいと思います。

【産経新聞】
 その推薦するというのは、党本部として推薦するという理解でよろしいか。

【幹事長】
 おそらく、そうなると思います。

【産経新聞】
 立憲民主党はさきの衆院選で世襲の制限を掲げ、その宣伝動画でも野田代表が世襲のない国へとおっしゃっている。有権者は、世襲を制限する、世襲を禁止する方向と考えていたと思うが、今回、現職の娘さんである朋実氏を推薦することについて、世襲を制限・禁止するという方向性と矛盾はないのか。

【幹事長】
 世襲政治家が多過ぎる現状は私は由々しき事態だと思っており、野田代表のおっしゃる世襲制限、また、減らしていこうという方向感に大きく賛同する立場です。特に内閣総理大臣がほとんど世襲しかいないという状況は目に余ると思っております。
 ただ、一方、ちょっと私見も含めて言わせてください。私は、お父さんお母さんが政治家、あるいは、おじいちゃんおばあちゃんが政治家という家庭で生まれ育ったからこそ、これだけの経験なり感性をお持ちなんだなと思う党内の同僚、後輩、それは先輩も含めて、そこには一定、リスペクト、敬意の気持ちを持っています。その家庭にはその家庭なりの苦労と経験があるはずなんですね。ですから、そういうものを全く国会から排除するとか政党から排除するという立場には立ちません。
 しかし、今、世襲が多過ぎて、ましてや内閣総理大臣は世襲しかいないという状況は、日本政治を大きく停滞させているという基本的な認識を持っています。
 その世襲について、幾つか問題点があるかと思いますが、まず、同一選挙区で親からの地盤を引き継ぐかどうか。政治資金を、それこそ無税で相続するかどうか。そして、党派や価値観を同じくするかどうか。こうした論点が幾つか厳密に言えばあると思いますので、それも含めて常任幹事会で議論したい。そう思っています。

【産経新聞】
 今、三つの論点を挙げられ、その中の政治資金に関しては、さきの臨時国会に立憲民主党は政治資金の世襲禁止法案を提出している。その法案の中では三親等以内の親族に代表を引き継ぐことや寄附することを禁止しているが、そういった対応を求めるお考えはあるか。

【幹事長】
 基本的な考えについてはただいま申し上げたとおりですので、公認・推薦させていただく候補については、その趣旨をよく理解していただけるように努力していくということになると思います。

○予算審議に向けて

【共同通信】
 来る通常国会について、小川幹事長はかねがね、衆院で見込まれる来年度の本予算案の採決のタイミングが一つ大きな山とおっしゃっている。本予算案への野党第1党としての態度を決めるに当たり、どういった政策項目を特に重視されるのか伺いたい。

【幹事長】
 今、具体的に、政務調査会長にお願いをして具体的な検討に入っていただいており、近々党役員会等においても大局的な議論をしたいと思っております。今週中にも。
 具体的に今はまだ申し上げる段にはありませんが、昨年の経験値からいうと、どういった環境が整えば採決環境を議論できるのか。どういった条件がそろえば本予算への賛否を私どもとして明らかにできるのか。そういう二段構えで大きな議論をしていく必要があるという認識でおり、その前提で、今、政務調査会長にお願いをして具体的な議論を詰めていただいているところです。

○裏金問題 真相究明のための取組について

【NHK】
 政治と金の問題で、参議院のほうできょう政治倫理審査会が開かれるが、派閥からの還付というキックバックが始まった理由や再開の経緯など、まだ明らかになっていないことについて、実態解明に向けて国会審議でどのような議論を望むかと、自民党側としては、参議院選挙を夏に控える中で、政倫審を今後進めるに当たっては早期に審査を終えたいという考えを持っているが、この点をどのように見ているか。改めてお考えをお願いしたい。

【幹事長】
 今の衆参を合わせた自民党議員の、裏金に関与した議員の政倫審への出席・関与の仕方は、アリバイづくりに過ぎないと見ております。つまり、夏の参院選、特に参議院議員については公認を得るために手続上アリバイをつくっておきたいというに過ぎない。したがって、真相究明や責任追及においては甚だ不十分で、極めて用を成していないという、厳しい見方を私はしております。
 早期にけつをまくって逃げ切りたいという気持ちがあるでしょうが、それは許さない。できれば、これは質問する側もじっくり準備すべきですし、弁明を行う側もじっくり構えを取るべきですから、毎週1人とか、2週間に1人とか、1カ月に1人とか、じっくり構えて、時間をかけて、しっかり議論させていただきたい。私はそう思っています。

○SNSでの発信強化について(1)

【東京新聞】
 幹事長は冒頭、SNS対策にことしは力を入れるとおっしゃった。ショート動画に力を入れるということだが、ショート動画に力を入れる理由と、どのようなコンテンツを発信していく予定なのか。そこら辺をお聞きしたい。

【幹事長】
 必ずしも乗せられたりあおられたりしたくないという気持ちはあるのですが、昨年の都知事選、衆院選、兵庫県知事選挙、名古屋市長選挙、一連の、それはもうまさに皆様も所属しておられるメディア、大手メディア、そして時にオールドメディアと皆様も言われているわけですよね。風景が一変しつつあるということをよく自覚しており、その主力がショート動画という認識の下、対策を強化するという趣旨です。
 コンテンツについては、主に国会質疑。そして、候補者の発掘を含めた選挙対策。さらには、党務に関連して、党幹部や、あるいは私ども党内には中堅・若手、そして女性議員は大半が立憲民主党という状況にありますので、そうしたフレッシュな面々の打ち出し、セールスに力を入れていきたいと思っています。

○国民民主党との政策協議について

【読売新聞】
 先ほどちょっと言及あったが、国民民主党との政策協議について伺いたい。去年、昨年内にも開始するということでお話はあったと思うが、現状、年は越したということで、今いろいろやっていらっしゃるということだが、もしちょっと難しい点があるのであればどういった点なのか、現状についてもう少し教えていただきたい。

【幹事長】
 政務調査会長同士、それから、連合所属議員団との調整なり検討は比較的スムーズに進んでいると報告を受けております。
 ただ、一方、国民民主党さんも今、玉木さんがああいう状態で、代表・代表代行・幹事長を含めた党のトップマネージメントと政調会長以下との関係性で、いろいろな判断や、あるいは議論があるということを聞いておりますので、今、直ちにスタートできないのは党のトップマネージメントの関係で、なおコミュニケーションを取る必要があるという現状で足踏みしています。

○芸能界とテレビ局の関係について(1)

【フリーランス】
 中居正広さんとフジテレビの関係をどのように現在解釈しているか。SNS大好きな愛知10区の藤原規眞さんが早々といろいろと発信して、前回もトラブルを起こしたがやっているが、どうでしょうか。

【幹事長】
 申し訳ありません。ちょっと詳細、これは私も把握しかねていますので、ちょっと預からせてください。申し訳ありません。

【フリーランス】
 いつまでですか。

【幹事長】
 来週の会見までに。

○SNSでの発信強化について(2)

【毎日新聞】
 SNS対策、ショート動画について関連で伺いたい。ショート動画となるとインパクトのある政策や目を引くものが大事になってくるかと思う。そういった政策の発信に力を入れていきたいということで理解しているが、となると、どういったことを目立たせていくか、参院選に向けてそういったところが重要になってくるかと思う。どのようなことを目立たせ、どういうふうにキャッチーなものを発信していきたいか、これから練っていくところだとは思うが、現時点での考えがあれば、もう少し教えていただきたい。

【幹事長】
 去年の衆議院選挙で、選挙区を中心に多数の議席をいただき、一方、比例票が十分には伸びなかった。ですから、政権批判票の受け皿として野党第1党として機能した面と、党全体としての魅力や期待感、積極的なポジティブな(面)においては十分と言えなかったという、両面、二面性を自覚しているところです。
 したがって、これからどういう社会を目指すのか、どういう国にしていくのかという意味での、ポジティブな、かつ、骨格になるメッセージが必要で、それはあえて申し上げたいのですが、幾ら幾らの壁とかいう議論が非常に今、耳目を集めており、去年からですね、それ自体いい着眼点で重要な議論だと思う一方、どこまで行っても各論で個別論に過ぎないと言うとちょっとあれですが、という認識もあり、私どもはやはり総合的に全体感のある国家ビジョン、社会のグランドデザインが必要だという立場にあり、昨年の代表質問では私もその一端を披瀝させていただいたつもりです。
 これ以上ちょっと具体的なことについては、党役員会、政調、それから代表ともよくご相談しながら打ち出していきたいと思いますが、根本的にそういう問題意識を持っているということです。

○芸能界とテレビ局の関係について(2)

【フリーランス】
 先ほどと同じような質問だが、自分たちの番組の視聴率を上げるために、選挙で当選してきた非常に人気のある人、例えば小泉進次郎さんのときなどは女性記者とアナウンサーが一緒になって懇親会というものをやって、そういったことの流れが、あの中居事件だ。特に民放さんがやっているが。こういったことについて、どう思うか。小川さんは経験ないと思うが、あまり人気がなかったから。

【幹事長】
 ごめんなさい、ちょっとそれも含めて、事実関係をよく確認した上で評価を述べさせていただきます。

○参院通常選挙に向けた取組について(2)

【西日本新聞】
 話題変わり、維新が参院選の1人区で唱えている予備選について、今のところ正式には御党にやり方など提案は、これから来るかと思うが、改めて小川幹事長の予備選についての考え方、望んでいることを教えていただきたい。

【幹事長】
 1人区の一本化は是が非でも必要だという立場です。
 予備選は、制度設計、有権者の範囲の確定を含めた制度設計が非常に難しいだろうなという感想を持っています。
 詳細はよくお聞きしてから考えるべきことだと思います。

【司会(幹事長特別補佐)】
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは本日の記者会見はこの辺りで終了させていただきます。皆さんご参集いただきまして誠にありがとうございました。

【幹事長】
 では、ことしも改めてよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。

(以上)