物価高が止まらず、国民の皆さんからは日々「食料品も電気代も高すぎて、このままでは生活できない」といった悲鳴が上がっています。政府も物価高対策を講じてはいますが、全く現状に追いついていません。

 物価が上昇したかどうかを示す「消費者物価指数」は、2020年を基準の100とした場合、2017年が98.6、2018年が99.5だったのに対し、2022年は102.3、2023年は105.1となり、ここ数年上昇し続けています。一方で働く人たちの賃金は物価に比べて上がっておらず、厚生労働省の発表によれば2023年度の賃金(現金給与総額)は33万2,533円で、額だけ見れば2022年度より上がったものの、物価の変動を考慮した実質賃金は2.2%低下しました。物価が上がっているにも関わらず働く人たちの実質賃金が増えていないので、生活・家計が苦しくなる人が増えているのです。

 また、時給で見ても、日本は米国やフランス、ドイツといった同じ先進国に比べて金額が低くなっています。例えば製造業では、2022年の日本の時間当たり賃金を100とすると、為替レート換算で米国は174.2、フランスは163.0、ドイツは187.4となります。フランスやドイツの労働者は長い休みを取得して余暇を満喫する習慣がありますが、それに対して、いまだに長時間労働が問題になることも多い日本の労働者の時間当たりの賃金は、それよりも低い傾向があるのです。必死で働いても賃金は上がらず、物価だけが上がり続けて生活がどんどん苦しくなる、こうした日本社会をつくったのは政治の責任です。

 立憲民主党は政権政策2024で「分厚い中間層の復活、家計・賃上げ支援」を打ち出しました。立憲民主党は、最低賃金を1,500円以上にして賃金を底上げするとともに、中小企業を支援し、賃上げしやすい環境整備を進めます。物価上昇に追いつき、それを上回る賃上げを実現することが、立憲民主党の経済政策の柱です。

 立憲民主党は2022年に「社会保険料・事業者負担軽減法案」を国会に提出しました。この法案は中小企業による雇用を促進するために、正規雇用の労働者を新たに雇用した中小企業に対して、事業主が負担する社会保険料の増加分の2分の1相当額を10年間、国が助成するというものです。これは中小企業支援であると同時に経済政策でもあります。

 他にも、2023年には急激な物価高を受け、「物価高を克服するための緊急経済対策」を取りまとめ、家計や事業者への直接支援を政府に提言してきました。

 政権交代は、税金の使い方を抜本的に変えるための手段であり、大きなチャンスです。立憲民主党は政権交代を実現し、大企業や富裕層を優先するばかりの自民党政権の経済政策を転換し、物価高に苦しむ国民の皆さんの暮らしを守り、物価上昇を上回る賃上げを実現して、分厚い中間層を復活させる経済対策を実行します。