立憲民主党は2月24日、2025年度党大会を都内で開催しました。国会議員・総支部長、都道府県連の代議員が一堂に会し、党員・協力党員(サポーターズ)・パートナーズ、支援団体の皆さまをはじめ、国民の皆さま向けにインターネットのライブ配信も実施しました。

■オープニング

 大会冒頭では、阪神・淡路大震災から30年、能登地震から1年2カ月が経つなかで、「被災者と被災地を決して置き去りにはしない」と決意を込めた動画を放映。挿入歌「step by step~一歩一歩~」は東日本大震災から2年後に気仙沼市で、こやま菓子店を再建させたオーナーの小山裕隆さんが歌詞、立憲政治塾の今期卒業生でシンガーソングライターの門松良祐さんが作曲したコラボ曲を流しました。

 続いて大会実行委員会事務局長をつとめる阿久津幸彦総務局長が大会議長を推薦。尾辻かな子衆院議員(大阪府10区)・奥村政佳参院議員(全国比例)が代議員の承認をもって選出され 、尾辻議長が大会の成立を宣言しました。

■大会実行委員長あいさつ 鎌田さゆり衆院議員

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 鎌田実行委員は昨年10月に行われた衆院総選挙で38人の1期生が当選したことをあらためて報告しました。そして38人の1期生らに「次の総選挙では『小選挙区で勝つ、再び勝つ、今度こそ勝つ』と覚悟が決まった人は後ろのカメラに手を振ってほしい」と呼びかけ、たくさんの1期生らがこれに応えました。

 続けて、仲間が増えたことにより昨年の補正予算修正での復興支援1000億円の積み増しを勝ち取ったことや、令和7年度当初予算の修正案について財源を提示したのは立憲民主党だけだと訴えました。さらに高額医療制度の上限引き上げの撤回や選択的夫婦別姓等についても、「多くの皆さんの声に応えなければならない使命が私たちにある」と強調しました。その上で「今年の都議選・参院選での勝利し、政権交代に突き進んでいこう」と参加者へ呼びかけました。

■来賓あいさつ 芳野友子連合会長

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 芳野友子会長は、(1)能登半島地震被災地支援(2)賃上げ(3)ジェンダー平等の推進(4)与党少数国会――の4点に言及しました。「被災地の復旧・復興支援のペースを上げるためには政治の力が必要。引き続き政府を動かしてほしい」「ようやく動き始めた賃上げの流れを滞らせることは絶対に避けなければならない。特に中小規模事業者の賃上げ原資の確保、労務費を含む適切な価格転嫁の実現が必須」「昨年10月の衆院総選挙では女性の当選者が過去最高だったが、自民党の裏金問題の影響もあり、単純に女性の擁立が進んだとは言えない面もある。政治分野における男女共同参画をさらに推進することが重要。具体的な法整備を進めてもらいたい」「選択的夫婦別姓制度をはじめ、これまでかなわなかった政策を前進実現させてほしい」と力を込め、野党第1党の立憲民主党への期待を寄せました。

■来賓あいさつ 第25代高校生平和大使 吉田桜(よしだ・さくら)さん

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 北海道出身の吉田さんは、現在は東京で暮らしながら平和大使OPとして高校生平和大使のサポートをしながら活動しています。中学生のときに留学先のアメリカで、先の戦争に関する知識がなかったことで悔しい思いをした経験から平和大使になろうと決意したとして、「戦争を知らない私たちですが、日本で起きた過去の事実を真剣に語り継いでいかなければならないと痛感している。同時に、伝えるだけではなく戦争に対する思い、平和に対する思いを共有していかなければならない。そして、次の世代、また次の世代につないでいくために、出前授業だけでなく日本国外でも平和を発信する活動を行っていきたい」と表明。「核兵器の恐ろしさを知っているのは唯一、日本だけ。核兵器の使用禁止から廃絶へ世界を訴えていけるのは日本だけではないか」と述べ、平和活動を取り組む一員として、一刻も早く日本政府には核兵器禁止条約に署名、批准してもらいたいと強く訴えました。

■代表あいさつ 野田佳彦代表

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 野田佳彦代表は冒頭、昨年の衆院選挙を振り返り、59議席増となったことに参列されている連合をはじめ多くの支援団体の皆さんにあらためて感謝の意を表明。その結果、女性衆院議員は15人から30人に、青年局を構成する45歳以下の議員も30人となったとして、「皆さまのご支援のおかげで活力のある組織ができてきた」と手応えを示しました。夏の参院選挙に向けても、現時点で選挙区、比例代表ともに候補予定者の女性比率が4割を超えていることに言及。「こうしたうねりを引き続き作っていきたい」と述べました。

 その上で、衆院選挙後、国会の風景が変わったと述べ、昨年の臨時国会では28年ぶりに政府の予算案を修正することができたことに「補正予算の修正は憲政史上初めて。能登の復旧復興の予算を1000億円獲得することができた。引き続き復旧復興の先頭に立っていきたい」と力を込めました。今国会では、令和7年度本予算の審議にあたって約70人規模の本気の歳出改革作業チームを作り、3兆8千億円の財源を確保、それをベースに実現したい政策要求の修正項目を作り与党と協議をしているところだとして、「ぜひ実現したい」と述べました。

 予算の修正をめぐって維新、国民民主と3党それぞれが与党と協議していることには、「その横糸を通していくのはわれわれの役割」「野党が連携をして初めて、次の企業・団体献金の禁止や、選択的夫婦別姓の実現可能性が高まる。自民党の思惑は3党の巴戦。そうではなく野党をまとめてさまざまな政策を実現していくのがわれわれの責任だ」と表明しました。

 特に、高額療養費制度の自己負担額引き上げについては、「命に関わることは命懸けで実現しなければいけない」と述べ、この点について決断しないのであれば「戦闘モードに入る」と宣言。「衆院150人、参院の皆さんを合わせると190人のリアルパワーは。国会を動かすのは議席の数。それを活かさなければいけない局面かもしれない。そこは覚悟を持って戦い取っていきたい」と述べました。

 「150日間の戦いが夏の参院選挙の勝負を決する。しっかりと存在感を示して全員の当選を目指して頑張っていこう」と呼びかけ、締めくくりました。

■手塚仁雄幹事長代行報告・議案提案・採択

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 手塚幹事長代行は、昨年10月に行われた衆院解散総選挙について「本気の政治改革を実現してほしいとの多くの声を受け、立憲民主党は30名女性議員が誕生するなど50議席増149名の議員が誕生。この結果、与党の過半数割れを実現し、11月の臨時国会では野党が多数占める中、予算委員長委員長ポスト得て、『熟議と公開』の方針のもと、新たな国会運営を主導。年末の補正予算審議では82年ぶり修正を認めさせ、能登の復旧復興の1000億円を認めた。野党7党合意で法案を提出し、政策活動費の全廃を認めさせる等、大きな飛躍の年となった」と総括しました。

 来年度に向けて「裏金を巡って実態解明は進まず、来年度予算では立憲の提案を一顧だにすることなく、民意に応えるそぶりがない。『熟議と公開』の国会審議で、高額療養費の自己負担上限引き上げなど、生活をめぐるさまざまな課題を解決するには政権交代以外に選択肢はない」「そのためには何より、参議院選挙において野党議席の最大化に向けた連携をリードし、与党の改選過半数割れを実現する」と訴えました。

 手塚幹事長代行は、「各地方の現場で各級選挙の戦いの中で、決して策を弄してはならない。決してありもしない抜け道を探してはいけない。町を歩き、人と会い、思いのつまった言葉を受け止める日々の中にこそ、勝利の道はある。ひるむことなく正々堂々と戦っていこう」と決意を述べました。

 本大会の議案として「2025年度活動計画案」、「2024年度活動報告案」、「2024年度決算・2025年度予算骨格案」 の提案があり、満場一致で採択されました。

立憲民主党2025年度 定期大会議案.pdf

■参議院議員・東京都議会議員選挙の戦いに向けて

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 締めくくりのあいさつとして、岡山選挙区の立候補予定者の、くにともさよ(國友・彩葉)さんから決意表明がありました。「小さな子どもを育てながら市議会議員として、ロールモデルになるべく活動してきました。岡山でも物価高騰がひどく生活が困窮しています。中小企業では賃上げが実現しない。子育て世代からは将来を不安視する声、結婚を考える世代からは別姓を求める声を聞きます。必死になって議席を勝ち取り、国を変えたい。この夏、一丸となって力を合わせて政治を大きく変えようではありませんか」と党全体で一致結束して参院選に臨むべく、奮起を促しました。