野田佳彦代表は11月1日、衆院選後最初の定例会見を国会内で行い、重徳和彦政務調査会長に(1)能登半島地震の復興対策(2)物価高対策――の策定を指示したと語りました。

 能登半島地震からの復興については、従来から指摘している予備費を何度も支出する形ではなく、被災者が見通しを立てて生活ができるよう補正予算を組むべきと述べた上で、被災地選出の近藤和也衆院議員にもヒアリングした上で、補正予算の立憲民主党案を編成していくと説明しました。

 物価高対策については、政府の電気・ガス料金の補助が10月の使用分で終了することによる今後の対応のほか、衆院選で訴えてきた(1)消費税還付制度については、まずは予算措置で中低所得者層に対象を限定した給付という形での先行実施(2)低所得の高齢者の年金に一定額を上乗せして給付する制度については、当面、現行の「年金生活者支援給付金」の額を引き上げることなどによって支えていくこと――など具体的な検討を指示したと述べました。

 また、「『103万円の壁』が話題になっているが、手取りへの影響という意味でより深刻なのは社会保険の「130万円の壁」だと思う」と述べ、立憲民主党が2月に提出した法案の「就労支援給付制度」を具現化するよう指示を出したと語りました。

 記者からの質問で、来週以降、国民民主党との党首会談が行われた場合、首班指名の協力要請をしていくかと問われ、「可能性がある限りはお願いをしていきたい」と述べるとともに、「自公政権に対して、政治と金の問題でノーという意思表示がされた。その民意をどう受け止めていくか、首班指名だけではなくトータルで議論をしていかなければいけない。これをスタートに来年の参院選挙も視野に入れ、ていねいな協議をこれからも重ねていく。そういう意味で、キックオフの党首会談だと位置づけている」と述べました。

 自民党の森山幹事長が立憲民主党とも党首会談を行いたいとの考えを示したことに関連し、会談が実現した場合、物価高対策や能登の災害についての補正予算編成について呼びかけていくかと問われ、「特に能登の問題は1日も早く復旧・復興のめどをつけるためにも補正予算は必要だと思っている。これは与党・野党関係なく、お互いどういう立場になろうとも協力して早くやりましょうと申し上げたい」と述べました。

 いままでと違い、野党勢力が過半数を占める国会が始まることについては「違った風景をすぐ作りたい」と述べ、特別国会の会期、審議の時間、国会の委員会の人事など挙げ、「(国会改革は)みんなが力を合わせれば進めることができる。少数会派の意思も含めて党首間の議論を深めていきたい」と語りました。


野田佳彦代表記者会見

2024年11月1日(金)10時30分〜11時05分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/live/3hoguP-zsmQ


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○「能登半島復興支援及び物価高対策」策定を政調会長に指示

【代表】
 おはようございます。
 本日、重徳政調会長に、能登半島地震からの復興対策と物価高対策の策定について、策定をするように指示をさせていただきました。
 能登の復興については、従来から申し上げておりますとおり、予備費を繰り返し使うというやり方ではなく、少しでも、遠い先でも、明るい兆しが見えるように、補正予算をつくるべきだと主張してまいりました。幸いにして近藤和也議員が国会に戻ることができましたので、近藤さんからもよくヒアリングをした上で、補正予算の編成を、我が党の案というものを考えていきたいと思います。
 加えて、物価高対策についても、例えば政府の電気・ガス料金支援が10月使用分で終了いたしますので、今後の寒さ対策をどうするかなど、あるいは、消費税還付制度については党の政権公約として掲げてまいりましたが、これは制度設計を含めて、実施するには予算措置が伴うので、すぐには実施できませんので、直接給付などを含めて物価高対策を検討するように指示をしたところであります。 また、低所得の高齢者の年金に一定額を上乗せして給付する制度の創設も、これも掲げておりますが、具体的な制度設計には時間がかかりますので、現行の年金生活者支援給付金、この額を引き上げることによって対応することなど、具体的な検討をお願いしているところであります。
 また、現在「103万円の壁」が話題になっておりますが、手取りへの影響という意味で、より深刻なのは社会保険の「130万円の壁」だと思います。これについては従来議員立法でプログラム法案(就労支援給付制度の導入に関する法律案)を我々提出していますが、その具体的な制度設計をなるべく早く示すように指示をしたところであります。


■質疑

○「能登半島復興支援及び物価高対策」について(1)

【NHK】
 まず、冒頭のところから伺いたい。130万円の社会保障のところの壁、これは壁ができているところを給付で埋めるという、その法案の趣旨に倣った考え方を維持していくという考えでよろしいか。

【代表】
 就労支援給付制度という形の法律(案)を提出していますので、問題は具体的な設計だと。それを早急に詰めるようにということであります。

○特別国会に向けて(1)

【NHK】
 別件で、党首会談のことについて伺いたい。今週、日本維新の会の馬場代表や共産党の田村委員長と会談され、引き続き協議を続けたい考えを示されていたが、来週も党首会談の協議を行われる予定なのか。調整状況など、もし決まっていることがあれば教えていただきたい。

【代表】
 今、来週には一回、ぜひもう一回重ねて、例えば具体的に「本気の政治改革」とは何なのか、国会改革なども含めてご提案をした上で、ご回答というか、ご協議いただくようにお願いをしたいと思いますが、ちょっと今、日程的には維新さんの動きなども含めてどうなるか、まだ日程確定していませんが、ぜひお会いしたいと思っています。

【NHK】
 玉木代表との党首会談は、きょうの今やっているやつ次第なのかもしれないが、いかがか、その辺は。

【代表】
 2幹2国をやりますので、その中でご協議いただいていると思います。

【NHK】
 来週以降の党首会談でも首班指名の協力については引き続き呼びかけていくお考えはあるか。

【代表】
 可能性がある限りはお願いをしていきたいと思いますし、基本的な考え方というのは、やはり自公政権に対して政治と金の問題でノーという意思表示がされたわけです。その民意をどう受け止めていくかということが、首班指名だけではなく、トータルでそういう議論をきちっとしていかなければいけないと思っているのですね。
 これをスタートにして、来年の参議院選挙も視野に入れて、丁寧な協議をこれからも重ねていくという意味での、ある種、キックオフの党首会談だと位置づけています。

【NHK】
 最後になるが、自民党の森山幹事長が立憲民主党とも党首会談を行いたいという考えを示されたが、これについての受け止め、また、調整状況などをお願いしたい。

【代表】
 会談でお話ししたから、たぶんオファーがあるのかと思っているのですが、ないのでね、今、現時点で。ないものをあまり具体的に言ってもしようがないのですが、もしあるならば、やはり政治と金の問題については、これが最大のテーマであった選挙だったと思うし、それに対してどういう反省があるのかも含めて、もし政治資金規正法を本気で改革しようというならば、当然野党第1党と協議して合意をするということが前提になるはずなので、一部の政党だけつまみ食いしてやるというやり方は前回の通常国会と同じ形になりますので、そういうことについては、やり方の問題を含めてお話をしなければいけない とは思っています。

【NHK】
 冒頭にあった物価高対策や能登の補正の話についても、もし会談があった場合には、呼びかけていくか。

【代表】
 特に能登の問題は、これはぜひ一日も早く復旧・復興のめどをつけるためにも補正予算が必要だと思っていますので、それは与党・野党関係なく、お互いどういう立場になろうとも、それは協力して早くやりましょうということなども申し上げたいと思います。

【東京新聞】
 2点お尋ねしたい。自民党が、いわゆる裏金事件で無所属として当選してきた一部の方々に、自民会派入りを要請するという報道があった。こうした経緯で上がってきた無所属の方々が自民会派入りする見通しであることへの代表の受け止めをお聞きしたい。

【代表】
 もう選挙が終わればみそぎが終わったみたいな意味では、やはり反省が足りないとしか思えないですね。どうしてもこれはやはり首班指名で少なくとも確保しておきたいという焦りもあるのでしょうけれども、私ならばですよ、こんなことを言ってもしようがないですが、4人の会派をつくればいいじゃないですか、最初。それで協力を求めればいいだけの話であって、会派に入れてしまうというところから、思慮も足りないし、反省も足りないと思います。

【東京新聞】
 もう一点。今、間もなく各派協議会も始まるところだが、議院運営委員会や予算委員会などで野党勢力が大きなウエートを占める国会が間もなく幕開けすることになると思う。今までと全く違った風景の国会になると思うが、改めて期待することであるとか、こんなふうに臨んでいきたいと思われることはあるか。

【代表】
 違った風景を、すぐつくりたいですよね。例えば特別国会の会期、審議の時間など。そして、おっしゃったように国会の人事。これは、(自公)215人に対して、いわゆる主要野党4党だけではなく諸派・無所属を含めると圧倒的に野党のほうが多い。ということは、国会改革はすぐ、皆が力を合わせれば進めることができるのです、少数会派の一部も含めて。そういうことも含めて、党首間の議論は深めていきたいと思います。

○安定的な皇位継承に関する議論について

【読売新聞】
 皇室のあり方について質問したい。先日、国会内でのぶら下がり取材で、国連の女性差別撤廃委員会による皇室典範改正の勧告に対して、国連にどうのと言われるものではないとコメントされた。これについて、女性差別やジェンダーの観点からの議論にすべきではないという認識でよろしいかという確認と、改めてこの勧告に対するご見解をお願いしたい。

【代表】
 そもそも衆参の議長・副議長の下で、皇統を途絶えさせないための皇位の安定的な継承や皇族方の減少をどうするかについての議論を進めてきているところであります。今こういう政治的な状況なので、しばらくの間、止まっていますが、また新しい議長・副議長の下でこの議論を進めていきますので、国際社会から、あるいは国際機関から何か言われてということではなく、もう既に議論を始めていますので、いろいろな観点があるかもしれませんが、我々がしっかりと決めていきますよということに尽きると思います。

【読売新聞】
 関連して。野田代表はかねてより、国家経営の要諦は三つあり、その中の一つに皇室を大事にするというものを掲げられていると思う。代表就任前に皇位継承に関する検討委員会の委員長を務めてこられていると思うが、その後、代表に就任された、党としてまとめた「論点整理」を踏襲していくお考えなのかという点と、政治状況がいろいろ、選挙もあり変わったが、今後この議論というのはどのように進んでいくと見通され、あるいは、どのように議論を進めていくべきだとお考えか。

【代表】
 党内では「論点整理」がいわゆる全体会議でやった中での到達点でありますから、これがベースになりますし、代表になりましたが、代表として引き続きこの協議には参加をしていきたいと思います。

【読売新聞】
 今後、各党との議論については、どのように進めるべきだとお考えか。

【代表】
 これは議長・副議長の下での議論になりますが、少しスピードアップしていかなければいけない。少しというか、かなり止まっていましたのでね。ようやく何か議事録が公開される形になりましたが、議論する度に公開していくというやり方も含めて、これは新しい議長・副議長の下でどういう議論をするかですが、そういうことも含めて、私は引き続きこの議論の党の委員長として関わっていきたいと。主導的に関わっていきたいと思っています。

○特別国会に向けて(2)

【朝日新聞】
 衆院選が終わってから5日たった。野田代表は衆院選の前、朝日新聞のインタビューなどに、自公の過半数割れが実現できれば永田町に化学反応が起きる可能性があるとおっしゃっていた。この5日間で起きている動き、この化学反応の大きさ、今どう受け止めていらっしゃるか。

【代表】
 ちょっと反応もいろいろあるかとは思いますが、ただ、少なくとも押さえなければいけないのは、自公政権に対してノーという民意だったと。それは裏金の問題できちっとしなかったことに対する批判が根底にあると。それを踏まえて、どうやって各党が対応するのか、あるいは国会が対応するのかという、基本を押さえながら化学反応を起こしていかなければいけないのではないかと思いますよね。
 反応ですから、これはなかなか予測し難いことも起こりますが、いずれにしても今言ったことをベースにして、浮かれずに、はしゃがずに、きちっと冷静に対話をしていきたいと思います。

【朝日新聞】
 野田さんのご認識では、まだ化学反応が起きていなくて、これから起こしていかなければいけないという感じか。

【代表】
 特に国会改革は大きな反応になるのではないでしょうか。
 あとは、自民党内だって、これは相当内部では反応はいっぱい起こっているのではないでしょうか。表面化をまだしていない部分だと思います。

【朝日新聞】
 首班指名に関係して伺いたい。野党各党への呼びかけの中で、ご自身の野田さんの名前を書いていただけるように呼びかけている。93年の細川さんのときは、あえて第1党ではなく第4党の細川さんで大きくまとまったということもあった。あくまでも今回野党第1党であるご自身の名前を求め続ける理由と、こういうふうにほかのある意味小さい政党のほうを担ぐみたいなことについてはどうお考えか。

【代表】
 野党第1党でありますから、当然やはり一番最初に手を挙げてご協力をお願いするというのが筋だと思いますし、立憲民主党の代表選挙に出たのも、総理大臣経験者としての経験値を生かすという意味で出たわけでありますので、「私、降ります」と言ったら、それはもう約束違反だと思います。その意味からも、原点に立ち返ってお願いをしていくと。
 では、ほかの党から誰かという可能性があって、皆でまとまれるのならばいいのだけれども、果たしてそれはどうなのかと。具体的に申し上げませんが。ということも含めると、ひたすらお願いをするのが基本だと思っています。

○衆院総選挙の結果について

【朝日新聞】
 別件で、もう一点伺いたい。今回衆院選の比例票のことで伺いたいが、立憲民主党は1100万票台を獲得した。この数字というのは実は前回からもあまり増えてはいなくて、旧立憲の枝野さんが立ち上げたときの2017年の選挙も同じ1100万票台で、そこから大きく伸びていない現状があるが、これについてどう受け止めているか。

【代表】
 ですから、浮かれずに、はしゃがずに、冷静に分析をしていくと。あくまで、やはり今回は裏金問題の対応、この自民党の敵失があったということが大きな要因で、その大きな要因があったがゆえに野党第1党である我々に対する支持が一定程度集まった。しかも、戦略的に競い合っているところを集中的に幹部で回った分、競い合っているところでぎりぎり勝てたところが相当数ありますので、その結果でありますので、全体的に底力が上がったというわけではないということは冷静に分析をした上で、ただ、スタートラインとしては必要条件は整いましたので、十分条件までは整っていないので、これからこつこつと次の参議院選挙に向けて力をつけていかなければいけないと思っています。

【朝日新聞】
 分析はもちろんこれからだと思うが、今回野田さんが代表になられて、いわゆる保守層、穏健保守層にウイングを広げるというところもあったと思うが、ある種、票が増えていないというのは、枝野さんが旧立憲を結党したときからのいわゆるリベラル層からなかなか広がっていないのではないかという見方もできると思うが、このウイングを広げるという意味での手応えはいかがか。

【代表】
 投票率が低くなってはいた分、何とか現状維持くらいにはなったということだと思いますので、更に力をつけていかなければいけないと思うし、これはちょっと詳細に分析しないとこれ以上のことは申し上げられませんが、謙虚に結果は受け止めなければいけないと。はしゃいでいる場合ではないと思っています。

○特別国会に向けて(3)

【フリーランス】
 今の質問にも関連するが、選挙の中で特徴的なところとして、れいわ新選組が今までの3倍の9議席を獲得し、共産党の8議席を超えた。今の比例代表の得票数でも国民民主党とれいわ新選組が非常に票を増やし、立民はあまり増えなかったという状況もあった。それから、20代、30代の若い世代が特に国民民主党とれいわ新選組に多かったという出口調査の報道もある。野田代表はれいわ新選組の山本代表にお会いするようなお考えというのは近々おありか。その会う会わないの理由について、もしあればお願いしたい。

【代表】
 山本さんとお会いする予定というのは今ありません。現段階は、不信任案を出した4党の党首とお会いできるかできないかという調整を今しているというところで、それ以上のところまでは行っていません。

【フリーランス】
 不信任を出すか出さないかというのが一つの基準になっているのか。

【代表】
 一つの基準にしています。
 ただ、おっしゃったとおり、今回かなり躍進されたということは事実でありますので、国会改革などの中では特にあらゆる政党の協力を得なければいけないので、そういう場面があるかもしれませんが、現時点は、ちょっと今、他党のところの調整で時間がかかっているということです。

○外交・安全保障政策について

【フリーランス】
 もう一点だが、10月23日から本日までだと思うが、今回が17回目になる日米共同の統合軍事演習キーン・ソード25が沖縄南西諸島を初めとして日本全国各地で行われている。今回は最大規模の軍事演習になっていて、NATOの加盟国も参加して約4万5000人規模で、様々な艦艇や戦闘機を駆使して実戦的な訓練が民間の空港や港湾施設も使って行われている。この最中に北朝鮮のミサイル発射も昨日、ちょっとそれが関係あるかどうかわからないが、そういうこともあった。特に米軍基地があるところやミサイル配備や弾薬庫の増設計画が進んでいる自衛隊駐屯地などでは反対行動があったり、玉城デニー知事もこれ以上基地負担を増やさないでほしいといったようなコメントも出されている。今後、防衛予算の精査とか、そういった専守防衛の検討・検証について、このキーン・ソードなどの軍事演習なども関連して、何かネクストキャビネットの安全保障大臣の福山議員などと協議されたりとか、こういう論点があればきちっと継承したいということがあれば、ぜひ伺いたい。

【代表】
 ちょっと今、多岐にわたるお話がいっぱい入っていたのですが、緊張感を持っていかなければいけない状況だというのは、北がまたミサイルを飛ばして、かなり時間も長く、高いところと、たぶん新しい形だと思うのですね。開発をどんどん進めているということと、また11月中にも核実験をするかもしれない。一方で、ウクライナにも派兵をしているという、これはゼレンスキーも世界戦争みたいな受け止め方をしています。
 そういう危機的な状況にある中で、日本はどうやって平和創造外交をしていくのか。一方で東アジアの環境も厳しくなっている中でどういう対応をしていくのかということを含めて、福山さんだけではなく、ネクストキャビネット(次の内閣)全体、特に外交・安保大臣を中心に議論をしていただきたいとは思っています。

【フリーランス】
 このキーン・ソード、今回の訓練について、何か評価されたり、こういうことに関心を持って見ているといったことは何かあるか。

【代表】
 日米の訓練が、同盟国でありますので、いろいろなレベルで訓練をしなければいけないということはあると思います。そのやり方についてはいろいろな議論があるかもしれません。

○「能登半島復興支援及び物価高対策」について(2)

【日本経済新聞】
 まず、冒頭で、細かいところの確認だが、「130万円の壁」についての指示というのは、これは先ほどおっしゃっていた物価高対策のパッケージの一環として重徳政調会長に指示をされたということでよろしいか。

【代表】
 重徳政調会長に、議論をするように指示しております。その中の一環であります。

【日本経済新聞】
 物価高対策の一環と。

【代表】
 能登の復旧・復興及び物価高対策という全体のパッケージの中の位置づけであります。

○特別国会に向けて(4)

【日本経済新聞】
 別件で、先ほどから質問が出ているが、衆院選の結果について、今回票を伸ばした中に国民民主党が挙げられると思うが、民主党として元々一緒の政党だった。今回、政党の規模が元々違うというのはあると思うが、国民民主党は経済や賃上げを前面に打ち出し、政治改革もあわせて打ち出すという形で票を伸ばしたというところで、選挙戦略上、分析する上で参考にしていくべきだと考えるところがもしあれば教えていただきたい。

【代表】
 もちろんトリガーの話とかというのは元々民主党の頃から主張していたことでありますので、根っこの考え方は同じだと思いますし、「103万円の壁」のみならず先ほど申し上げた130万円を含めて、この壁をどうやって外していくかという問題意識も共通するところがありますので、その意味では、早くいろいろな意味での協議をしていきたいと思っています。共通点はいろいろ見出すことはできるだろうと思います。
 ただ、申し上げたいのは、政治と金の問題で結果が出た今回の選挙ですから、まず、そのことをどうするかということを基本に置いた対応が大事ではないか。だとするならば、やはり野党間の協議ですね。政策も含めて、あるいは国会のあり方も含めて、というのがやはり私は優先されるべきだと思うので、その意味からも2幹2国で早く日程が決まることが望ましいと思っています。

○憲法論議について

【時事通信】
 国会での憲法議論について伺いたい。代表はかねてより論憲のお立場を主張されている。前の国会で改憲発議にかなり積極的だった自公は過半数割れし、維新もちょっと代表選をやるかどうかということになっている。一方で、国民民主党は議席数を伸ばしている。この中で、国会において落ち着いた議論ができる環境ではあまりないと私は思うが、今後の国会での憲法議論、どのように進んでいくかという見通し、それから、どのようにあるべきかという意見をお願いしたい。

【代表】
 立憲主義の観点に立った論憲という立場でありますので、議論をしなければならない、議論の場があるならば、それはきちっと議論していきたいと思いますし、例えば改正前提だけではなく憲法の観点から議論をするのも憲法審査会の役割ですので、その意味では今回のような解散でいいのかみたいなことも含めて議論の余地はいっぱいあると思っています。

【時事通信】
 憲法をめぐる落ち着いた議論を立憲としてどのようにリードしていくお考えかもお願いしたい。

【代表】
 今の観点で、その場が必要ならば当然応じていくし、議論をしていきたいと思います。

【時事通信】
 憲法審査会が開かれるならば応じていくと。

【代表】
 はい。

【時事通信】
 ただ、改憲前提ではない。

【代表】
 論憲の立場です。

【時事通信】
 自公の過半数割れが憲法の議論にどう影響するかという点ではいかがお考えか。

【代表】
 どうなんでしょうね。推進力は随分落ちてきたのではないでしょうかね。

○特別国会に向けて(5)

【フリーランス】
 今おっしゃった国民民主党はまず野党との協議を優先すべきだというのはそのとおりだと思うが、実際は、玉木雄一郎代表は首班指名の決選投票でも玉木雄一郎と書くと。白票となると。結果的に自公政権延命に手を貸すということになると思うが、この国民民主の対応というのはまさにおっしゃった裏金問題を受けて自公過半数割れに追い込んだ民意を裏切るものだとご覧になっていないか。

【代表】
 これから対話をしようというところに「裏切った」「裏切られた」などと言ったら、お会いできなくなってしまいますので、そういう言い方はしないでいきたいと思います。お考えをよくお聞きしたいと思います。

【フリーランス】
 国民の民意の期待に十分応えようという姿勢が今のところは見られない、という言い方だったらいいのか。

【代表】
 同じような感じです。ニュアンスは、おっしゃりたいことはよくわかるのですが、お会いしたいと思っておりますので、そういうことも含めて議論したいと思っています。

【フリーランス】
 一方で、同じように不信任案を出した維新は、きのう馬場代表が大阪で会見したが、野田代表を勉強会に招いて政治改革のことを議論して、その政治改革実現の道筋がつけば決選投票で野田さんと書く可能性もあるとおっしゃって、玉木代表のように頭から否定していなかった。一方で、馬場代表は、そんなにスピーディーに立民がまとまり意思決定できるのかということはおっしゃっていたが、政治改革の道筋をつける維新との協議というのは早急にまとまる可能性はあるか。

【代表】
 考え方はもう整理しています。この間の政権公約で打ち出した「本気の政治改革」の中で、企業・団体献金の廃止であるとか、政策活動費の廃止とか、いろいろ書いていますので、それはたぶん維新の皆さんにはご理解をいただけるものだと思いますし、加えて、パッケージで国会改革の話も、例えば与党審査はもうやめて、裏の政治はやめて表に全部していこうということなどを含めて、パッケージで次はご提案をして「どうでしょうか」というところまで会談を進めていきたいなと思っています。

【フリーランス】
 ということは、もうスピーディーにまとまる可能性があると。野田連立政権が誕生した場合には政治改革の道筋がつくということで合意。

【代表】
 少なくとも、その政治改革については本気で進めていくということはやるという前提で、ご協力をお願いするということであります。

【フリーランス】
 今の質問は、実は玉木雄一郎代表が火曜日の会見で、仮に国民民主党が野田さんと書いても維新とかほかの党がついてこないのではないかとおっしゃったが、まさに今おっしゃった不信任案に4党は賛成したわけだから、普通の流れであれば立民・国民・維新・共産は首班指名で野田さんと書くと、政権交代を実現すると、こういう結論にならないとおかしいと思うが、玉木雄一郎さんだけが何か浮いているというか、はしゃいで。

【代表】
 私からは何とも言えませんが、お会いして、今おっしゃったようなことも含めて議論できればいいなと思いますね。

【フリーランス】
 最後に。玉木雄一郎代表も、橋下徹さんなども盛んに、少数与党に落ちたのだから、これからは是々非々の議論ができると。部分連合、政策ごとの協議で、もう政治が変わったんだと、新しい時代に突入したんだということを言って、少数与党に転落させたことでもう十分な目的は達成したというような、これは裏を返せば政権交代しなくてもいいという論理だと思うが、これはちょっとイカサマ論法のような気がするが、どうご覧になっているか。

【代表】
 その前の国会改革のところで、野党が力を合わせれば、もっとダイナミックな動きになると思うんですよね。
 それを飛び越えたところの連合というと、連合の仕方はいろいろあるかもしれませんが、それは各党の、自分たちの政策実現はあらゆる機会で実現したいと、我々も思っていますよ。是々非々の立場というのは我々も持っているので。ただ、例えば、いわゆる予算全般とか、補正予算全般とか、税制全般になると、それはまさに基本中の基本ですから、それは部分連合とはもう言わないと思うのでね。そこまでの話に行ってしまっている感があるので、もう一回じっくり議論したいと思います。

○反捕鯨活動家の引渡し要求について

【「ラジオフランス」】
 反捕鯨アクティビストのポール・ワトソン氏について伺いたい。ご存じのとおり、反捕鯨アクティビストのポール・ワトソン氏は3カ月以上前からグリーンランドで拘束されている。2010年の民主党政権当時の犯罪の疑いで、その理由で今拘束されていて、日本が身柄の引き渡しを要求している。その状況を見て、どう考えているか。具体的に言うと、海外では、特にフランスでは日本がものすごく批判され、日本の全体のイメージが悪化しつつあるので、日本の態度を変えるべきなのか、例えば身柄引渡しの要求をやめるべきなのか、どう考えているか。

【代表】
 身柄(引渡し)の要求を、要求すべきだと思います。これまでポール・ワトソン氏がやってきたことは極めて危ないことがいっぱいありました。そういうことも含めて、身柄の要求をするのは当然のことだと思います。

○特別国会に向けて(6)

【日本経済新聞】
 今、立憲と国民民主党の2幹2国の後に、国民民主党の榛葉幹事長が、両党の党首会談について開催したいという要求を受けて来週早々にも開催したいとマスコミにお話しになった。このことを踏まえて、改めて玉木さんとの党首会談にどう臨みたいか、訴えたいことを教えていただきたい。

【代表】
 まず、きちっと連合と国民民主と立憲で、例えば前執行部のときには政策協議、基本的な政策協議をやっていましたよね。それはもう口頭では常に発信してきたつもりですが、正式に、引き続きやっていきましょうということ、これからも継続的に政策の協議をやっていきましょうということはお願いをしたいと思います。というか、連合の議員団の要請でもありますので、それにはきちっと対応していきたいということは申し上げた上で、特別国会の持ち方についての話を、全般的にお話をさせていただければと思います。

【日本経済新聞】
 そこでは改めて首相指名の協力というのも。

【代表】
 そこだけ特出しではなく、方針を決めたということですので、それだけお話をしようとするならば会う会わないみたいになってしまいますので、今言った国会改革のことなども含めて幅広に党首同士の議論をしていきたいと思いますし、先ほど言った「103万円の壁」を含めて、我々としてもお尋ねしたいことなどもありますので、そういうざっくばらんな議論ができればいいなと思います。

【共同通信】
 玉木代表の首班指名で玉木雄一郎と書くという方針について伺いたい。結局、決選投票でも玉木さんと書いてしまうと無効票となってしまうが、これは議会人としてどうかという声も取材している中で聞くが、その点はいかがお考えか。

【代表】
 議会人としてどうのと私が発言してしまったら、せっかくお会いしようというときに水を差す話なので、それはコメントを控えたいと思います。

【共同通信】
 ちょっと別の話だが、野田代表は先日から国会の表化ということをテレビ等でもおっしゃっていると思う。要は与党だけで決めていた事前協議みたいのをやめて、法案を出してそこで表で議論しようということだと思うが、その考え方について、改めてどういうふうなことが望ましいかということを教えていただきたい。

【代表】
 たぶん基本的には国会改革については認識が一致する部分が相当あるのではないかと思いますので、そういう一致点もどんどん見出していきたいと思いますね。

【フリーランス】
 今の質問に関連して。玉木雄一郎代表は政策実現性というのを非常に強く訴えているが、野田連立政権が誕生したほうが、「103万円の壁」とかトリガー条項の廃止、ガソリン減税がより政策実現性が高くなるというふうに考えたりアピールしたりするお考えはあるか。

【代表】
 私もそう思うんですけれどもね。そういうことも含めて議論したいと思います。

【フリーランス】
 普通は、政権交代してそういう政策を。

【代表】
 思い切ってやると。

【フリーランス】
 与党として進めたほうが、実現可能性が高いのではないか。

【代表】
 そういうことですね。もちろん与党というか逆の側の政党とも協議をして幅広く支持を集めるというのはいいのですが、元々根っこが同じで、不信任案も(共に)提出したというところからまとめていって政策実現というのが基本的な形ではないかと思いますが、いろいろお考えがあるでしょうから、よくお聞きしたいと思います。

【フリーランス】
 あと、玉木雄一郎代表が、立民と乗れない、連立を組めない理由として、基本政策が違っていると。憲法改正と原発を含むエネルギー政策と外交・安保について、基本政策が一致しないと連立は組めないと、政権が長続きしないということをおっしゃっているが、一方で、自公政権は政策の違いを乗り越えて連立を組んでいるわけだから、これも言い訳に過ぎないように見えるが、その基本政策の違いについてはどうお考えになっているか。

【代表】
 同じ党ではないですから、基本政策が全て一致するということではないはずなので、どうやってそれを乗り越えて話合いをするかということだと思います。

(以上)