衆院予算委員会で3月3日、締めくくり質疑・討論・採決が行われ、2025年度予算案をめぐり石破政権の姿勢をただしました。締めくくり質疑では城井崇、大西健介両衆院議員が質疑に立ちました。討論は神谷裕衆院議員が行い、立憲民主党は2025年度予算案に反対しました。
締めくくり質疑
■城井崇議員
城井議員は冒頭、高額療養費の自己負担引き上げの凍結について石破総理に質問しました。「税投入をしてでも(引き上げは)いったん立ち止まるべきだ」と城井議員が迫ると、石破総理からは「高額療養を受けている人への配慮は必要だが、これに公費を入れることについての是非は更に議論させていただきたい」と返答しました。
教育無償化については支援範囲、規模が小さいとして阿部文部科学大臣に迫りました。特に高校無償化の拡充については、「窮地に陥る公立高校への支援を拡充すべきだ。自公予算案では支援規模が小さすぎる」と厳しい質問を行いました。
また、介護・障がい福祉事業者の処遇改善については「全産業平均よりも7万円以上も月収が低い。若い世代含めて選ばれる仕事、続けられる仕事にしなければならない」として、福岡厚生労働大臣に迫りました。福岡大臣からは「介護人材確保のためには処遇改善をはじめとして、テクノロジーの導入など、総合的な取り組み推進している」との回答がありました。

■大西健介崇議員
大西議員は、冒頭「非常に残念。理解でいないことが2つある」と「高額療養費の自己負担額の上限引き上げについて、人の命がかかっているのに、政府はなぜここまで頑なに全面凍結に応じないのか。急ぐのか」と批判しました。
大西議員は「国民は、物価高騰の中、ガソリン価格高騰をどうにかしてくれと思っているのに、何の手立ても講じられていない。国民の負担増はすぐにやるのに、暫定税率の廃止はこんなに時間がかかるのか」と早期の実現を求めました。
石破総理は「ガソリンは185円/1L程度になるようにしている」「トリガー条項の適用は考えていない」等と述べました。大西議員は「185円でいいのか。それならトリガー条項は発動になっている」「廃止すべき」と政府に強く求めました。
大西議員は「立憲民主党はガソリン価格を引き下げる法案を提出した。暫定税率の廃止はやろうと思えばできる。政府にないのは財源ではなくやる気と本気。ガソリン価格引き下げ法案に反対するのは、ガソリン価格値上げに苦しむ国民を放置するということ」と重ねて実現を求めました。

討論
■神谷裕議員
神谷議員は自由民主党・公明党提出の修正案に反対、立憲民主党提出の修正案に賛成、修正部分を除く政府原案に反対の立場で討論に立ちました。
神谷議員は、「少数与党という異例な状況のなか、立憲民主党は『熟議と公開』の理念のもと、本来あるべき姿の予算審議を目指して改革に取り組み、省庁別審査の実現という形で一歩前進を図ることができた」と表明。
その上で、本予算案への反対理由として、立憲民主党が省庁別審査で明らかにした多くの予算の無駄遣いや非効率な資源配分を政府与党が放置することを決定したこと、今年8月からの高額療養費の自己負担上限の引き上げを前提とした内容であること、介護施設や障害者福祉施設で働く皆さんの待遇改善は含まれていないこと、暫定税率の廃止も先送りしていることなどを列挙。「国民の命を軽視する内容となっていない」「物価高に苦しむ国民に寄り添っていない」と断じました。
加えて、政治改革に対する本委員会の責務について、2月27日の旧安倍派事務局長に対する参考人聴取により、旧安倍派幹部との説明に食い違いがあることが明白になったことから、「いずれが事実なのかを明確にして、その上で国会全体の取り組みとして、いわゆる裏金問題が二度とないような歯止めをかけることで、昨年の総選挙で示された民意に応えることが政治に対する信頼を回復する回復する第一歩」だと強調。予算成立以降、こうした取り組みを着実に行うことを強く求めました。
