参院決算委員会では4月7日、石破総理出席の令和5年度決算の全般質疑が行われ、立憲民主党から羽田次郎、古賀之士各参院議員が質疑に立ちました。
■羽田次郎議員

羽田議員は、(1)トランプ政権の関税政策への対応(2)ODAの在り方(3)入札情報の漏洩(4)消防防災対策--等について質問しました。
羽田議員は、石破総理にトランプ米国大統領が発表した関税政策に対してどのような対応をするか質問しました。石破総理は、全国に1000カ所以上の相談窓口を設置し、全国からの相談に的確に対応すると述べ、相談を待っているだけではなく、経済産業省の政務3役を中心にさまざまな地域に派遣をして実施状況を把握していくと答弁しました。羽田議員は、「わが国の国益を守りつつ、高関税による国民生活への影響を最小限に抑えるように、迅速な交渉をぜひともしてほしい」と石破総理に強く求めました。
また、ODAの事業を会計検査院が調べたところ、カンボジアへ約29億円を貸し付けた通信網整備事業において約400キロの光ファイバー網を整備する計画が、目標利用率61%に対して利用率0.16%と大きく下回ったことについて質しました。石破総理は、「無駄づかい、不正な使われ方がないように政府として万全を期す」と答えました。羽田議員はさらに「ODAの重要性を国民にご理解いただいて効果的、戦略的なものに改善することが求められる中、JICA職員による入札情報の漏洩事案が発生した」と指摘。外務省からのJICAへの管理指導のみならず、石破総理へ外務省への指導を求めました。
■古賀之士議員

古賀議員は「物価高に対する減税」「米国の関税政策に対する今後のわが国の対応」等について、総理へ質問しました。
古賀議員はまず、物価高について、4月1日から4000品目が値上げとなり、空前の値上げとなっている現状において、石破総理に減税を行う可能性について問いました。石破総理は現時点で減税に言及するべきだとは思っていないとした上で「世論が物価高対策を望んでいることは承知している。物価高上昇を上回る賃金上昇を引き続き目指すことは当然だが、国会の議論も踏まえて、物価高にはタイムリーな対応を考えていきたい」と答弁しました。
また、米国トランプ大統領が、日本に対し、9日に24%の「相互関税」を発動するとしたことについて、古賀議員は発動されるまでの間に、相互関税を回避するための対策があるのか、石破総理に問いました。石破総理は経産省を中心に、早い時期から米国へ担当者を派遣したり、日本や米国での縦割り行政の弊害を埋めるようなやり取りを小まめに行っていると回答。また、「与野党間を超えて、国を挙げて取り組むべきとして、先週末にも党首会談を開いた」と述べました。
続けて古賀議員は、トランプ政権の関税障壁について、各国との貿易赤字の割合を非関税障壁とみなしている可能性があると指摘。米国が貿易赤字さえ縮小できれば、取引に応じるようなメッセージにも受け取れると主張し、石破総理に見解を問いました。石破総理は、古賀議員の指摘に同意しつつも、これまでの日米間での経緯を基に、「理屈で論破してもどうにもならない。赤字さえ縮小したらよいという発想ならば、わが国が雇用を創出し、そのために投資をしてきたことが無駄になる」「各製造分野等で、日米が共同して何ができるのかを提案しなければ、この交渉は乗り切れない」との認識を示しました。