立憲民主党被選挙権年齢引下げ検討WTと青年局は4月3日、被選挙権年齢引き下げに関する有識者との意見交換会を開催しました。
本会合は、過去に立憲民主党が2度にわたって提出した「被選挙権年齢引き下げ法案」(2018年・2022年)を踏まえ、さらなる制度の実現に向けた政策的・実務的な課題を整理し、現場の知見を取り入れることを目的として行われたものです。
当日は被選挙権年齢引下げ検討WT座長の落合貴之衆院議員に加え、村田享子参院議員、水沼秀幸衆院議員、橋本慧悟衆院議員、馬場雄基衆院議員が参加しました。メンバーは被選挙権年齢引下げ検討WTと青年局にそれぞれ属しており、司会は馬場議員が務めました。
また、この意見交換会には、室橋祐貴さん(日本若者協議会)、足立あゆみさん(NO YOUTH NO JAPAN)、西野偉彦さん(第一生命経済研究所)、鈴木綾さん(若者共同実践全国フォーラム)、土肥潤也さん(NPO法人わかもののまち)、以上の若者政策や主権者教育等に精通する5名の有識者をお招きし、各分野の立場から率直なご意見を頂きました。
有識者からのご意見・ご提言を紹介します。
▸ 室橋祐貴 氏(日本若者協議会)
「被選挙権年齢を一律で18歳に引き下げる案は、すでに実現可能性が高まっている。2027年統一地方選を目指す動きも加速している。今後は“衆参や首長職を分けるべきか否か”といった具体的論点や、未成年の選挙運動禁止など周辺規制の見直しが重要となる」

▸ 足立あゆみ 氏(NO YOUTH NO JAPAN)
「若者が政治に関心を持つには、自分と同世代の候補者の存在が重要である」
「20代候補者の増加が10代投票率の向上につながるとの調査結果もあり、立候補の間口を広げる制度整備が急務である」

▸ 西野偉彦 氏(第一生命経済研究所)
「主権者教育の多くは“制度の理解”にとどまっており、政策論や社会課題の議論に踏み込めていない。今後の被選挙権年齢引き下げにより、学校現場では政治的中立性を守りつつ、実践的な主権者教育の充実がより一層求められる」

▸ 鈴木綾 氏(若者共同実践全国フォーラム)
「政治参加は議会だけでなく、学校や地域など日常生活の中にこそ根ざすべきものである」
「若者の社会参加を実効的に保障するには、格差や排除に対する視点が不可欠である」

▸ 土肥潤也 氏(NPO法人わかもののまち)
「制度が整っても、立候補したくなる社会環境がなければ意味がない。財政的制約の大きい自治体ほど、若者参画の取り組みが難しくなっており、国としての支援制度構築が望まれる」

次に参加議員の発言を紹介します。それぞれの立場から実務的・制度的な論点が示されました。
▸ 落合貴之 衆議院議員
「党としてこれまで2度の法案提出実績がある。現在、与党内でも引き下げに前向きな議論が始まっており、実現可能性が大きく高まっている。当事者や関係者から幅広く意見を伺いながら、党として現実的かつ先導的な提案を目指したい」

▸ 村田享子 参議院議員
「参議院には固有の役割があり、その意義を踏まえた制度設計が求められる。大学等に通いながらの立候補など、現実的な運用課題にも配慮する必要がある」

▸ 水沼秀幸 衆議院議員
「地方議会における担い手不足の状況を考慮すれば、年齢引き下げは喫緊の課題。首長や知事職への適用を含め、現実的な制度設計を図るべきである」

▸ 橋本慧悟 衆議院議員
「SNS等を通じた誹謗中傷や情報リスクも併せて検討すべき課題。若年層が安心して政治に関われる環境整備を進める必要がある」

▸ 馬場雄基 衆議院議員(司会進行)
「本会合は制度論にとどまらず、“立候補しやすい社会”とは何かを見つめ直す契機である。引き下げの議論と並行し、必要な支援策や教育制度の整備も重要である」

今回の意見交換会を踏まえ、被選挙権年齢引下げ検討WTでは党内での議員間討議を実施して法案提出への準備を急ぐとともに、過去に提出した法案を踏まえつつ、現状の社会状況などを見据えた制度設計を検討します。
また、当事者・有識者との継続的な対話を通じて若者がより政治に参画しやすい制度づくりを目指します。