4月16日の参院憲法審査会で、参院の緊急集会に関する意見交換が行われ、立憲民主党の熊谷裕人、打越さく良、小沢雅仁、小西洋之の各議員が発言しました。

 熊谷議員は、緊急集会について、良識の府である参院が「世界に誇るべき制度」と評価し、内閣居座り排除や二院制の補完制度としての制度趣旨を強調。「緊急集会70日限定説などに依拠する任期延長改憲の議論は、わが参院の自律への不当な干渉であると言わざるを得ない」と断じました。その上で、議員版BCP(事業継続計画)の策定や、法令整備による緊急集会の機能強化、選挙制度と連携した運用改善などの議論を行うことを提言しました。

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 打越議員は、参院の緊急集会制度は総司令部(GHQ)が想定していなかった制度であり、「憲法の日本化の象徴的なものである」と述べました。その上で、複数の学者の見解を紹介し、「憲法改正を伴う国会議員の任期延長論と比較考量して、現憲法の参院の緊急集会が優れた仕組みであり、新たな制度を追加する必要は見出しにくい」と整理しました。

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 小沢議員は、憲法制定議会における金森徳次郎大臣の趣旨説明をもとに、緊急集会は二院制の例外ではなく、衆院の解散や任期満了によって両院同時活動が難しい場合の補完機能だと説きました。そして、そもそも二院不平等の原理を踏まえた設計であることから、「条約承認などの衆院の優越事項を緊急集会の権能を制限する根拠とすることは本末転倒の主張である」と指摘し、形式論ではない本旨理解を求めました。

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 小西議員は、緊急集会の期間や条件について持論を展開。「緊急集会をめぐる改憲会派の見解は、衆参で分裂するだけではなく、改憲会派の中でも深刻な分裂、矛盾を来している」と批判し、「任期延長改憲の即刻の破棄」を求めました。

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