小川淳也幹事長は5月7日、国会内で会見を開き(1)子ども若者応援本部の設置(2)石破総理のヤミ献金の報道(3)食料品のゼロ税率(4)自民党の西田議員の発言――等について発言しました。
(1)小川幹事長は常任幹事会で設置が了承された子ども若者応援本部について「党として力を入れていきたい」と報告しました。
(2)報道された石破総理の3000万円ヤミ献金について、小川幹事長は「来週月曜日には総理出席の予算委員会もある。政治とカネ、企業団体献金を含め非常に重要な時期を迎えている。中身の如何によっては、非常に大きな責任問題になりかねない」と述べました。
(3)立憲民主党が連休前に公表した食料品のゼロ税率に関連して、他党から意見が来ていることについて「大事な論点はしっかり受け止めたいと思う。当方は当方で理論武装したい」と述べました。また、「法案の提出を検討中」「他党と連携することは十分にありうる」「自民党が公約に消費税減税を入れてくるなら、開会中に法案を提出し参議院選挙前に実現したい」と述べました。
(4)自民党の西田議員による沖縄戦に関する発言について、小川幹事長は「非常に不適切な歴史認識を披歴されたようで、沖縄県知事も抗議しているようだが、野党第一党の立場からも極めて不適切だと申し上げたい。場合によっては、説明責任を果たしてほしい」と発言しました。
小川淳也幹事長記者会見
2025年5月7日(水)15時35分~15時57分
発行/立憲民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtube.com/live/Rg4fK7KbTa8
■冒頭発言
■質疑
- 消費税負担の軽減策について(1)
- ひめゆりの塔の展示内容めぐる自民・西田議員発言について
- 「消費税負担の軽減策(2)」「学術会議法人化法案」について
- 参院通常選挙に向けた取組について(1)
- 経済対策に関する政府・与党方針について
- 参院通常選挙に向けた取組について(2)
- 連休中に視聴した作品について
- オードリー・タン氏を招いての勉強会について
■冒頭発言
【司会(中谷幹事長特別補佐)】
それでは、定刻となりましたので、本日の幹事長記者会見を始めさせていただきたいと思います。小川幹事長、よろしくお願い申し上げます。
○第126回常任幹事会を開催
【幹事長】
連休明けの終盤国会、また皆様にいろいろご指導いただきながら奮闘したいと思っております。よろしくお願い申し上げます。
きょうの常任幹事会のご報告ですが、「子ども・若者応援本部」を設置いたしました。泉前代表が顧問、本部長が大西健介衆議院議員という体制でございます。子ども対策、若者応援対策、しっかり党として力を入れていきたいと思っております。
選挙の関連ですが、石川大我さん、現職ですが、(参議院)比例区で公認内定いたしました。
和歌山県知事選挙については、言われております宮崎副知事の推薦を決定いたしました。
東京都議選も新規で2名の公認ということで、全21名、公認候補ということでございます。
○「石破首相への闇献金3000万円」報道について
【幹事長】
若干連休中の発信等を含めてになりますが、常任幹事会冒頭で代表が言及されました、石破総理ご自身に対する3000万円の闇献金については、詳細がわかりません。詳細がわかりませんので深くは申し上げませんが、中身のいかんによっては大変な問題であり、来週月曜日には総理出席の予算委員会もあるということでございますので、政治と金の問題、企業・団体献金などを含め、非常に重要な時期を迎えている折、中身のいかんによりますが、極めて不適切、場合によっては非常に大きな責任問題になりかねない問題だという認識でおります。
○消費税負担の軽減策について
【幹事長】
連休前に食料品の消費税ゼロ税率を、代表を含めて役員会で決断いたしました。この間の党内論議にご参画をいただいた皆様に、この場をおかりして敬意を表したいと思っております。
他党から様々、批判というのかクレームというのか、来ているようでございますが、中には大事な論点もあると思いますので、しっかり受け止め、当方は当方で理論武装したいと思っているところです。
しかしながら、いろいろ各論で局所的なご批判をいただいているようですが、これをもって、食料品の消費税負担を減らしたいと。食料品に消費税をかけないでくれと、今の物価高のこの折にですね。そういう(声を覆すような)国民世論は飲食店を含めてあるのかということは一言申し上げたいと思います。
○ひめゆりの塔の展示内容めぐる自民・西田議員発言について
【幹事長】
最後に、自民党の西田議員が沖縄戦に関連して非常に不適切な歴史認識を披瀝されたようでありますので、これは沖縄県知事も抗議されているようですが、私ども野党第1党の立場からも極めて不適切であるということを申し上げ、場合によってはしっかり釈明、説明責任を果たしていただきたいと思います。そのこともあわせて申し上げたいと思います。
○連休中に視聴した作品について
【幹事長】
連休中、いろいろと皆様もお過ごしだったと思いますが、私も仕事と、一部休養の時間もありました。休養中には「GTO」のドラマをアマプラで拝見していたところです。なかなか見応えのあるドラマでした。全部は見ておりませんが。
以上です。ご質問等に即して応答させていただきたいと思います。
■質疑
【司会(幹事長特別補佐)】
それでは、質疑応答に入らせていただきたいと思いますので、質問のある方は挙手にてよろしくお願い申し上げます。
○消費税負担の軽減策について(1)
【共同通信】
冒頭、消費税減税のお話があった。その点を伺いたい。他の野党から批判という点がどうしても報道上目立つところではあるが、大きな方向性として税率引下げというところでは少なからず共通する部分もなくはないとも感じている。そういったところは立憲民主党として、ほかの野党と一致して消費税の減税を訴えていくお考えがあるのかどうか伺いたい。
【幹事長】
既に役員の間、幹部の間では、法案提出という可能性については議論されているところです。
物によっては、0%の主張、あるいは廃止。
物によっては、5%への一律引下げ。
物によっては、食料品ゼロ(税率)。
そして、物によっては、期間が1年ないし2年。
いろいろと各論では分かれているわけですが、概ね消費税の負担を引き下げて国民生活の安心と底上げを図りたいという点において一致できているとすれば、仮に法案を出すという話になったときには他党と連携するということは十分あり得ることでございまして、ご指摘を前向きに受け止めたい。
なお、これは私の考えですが、今、自民党は揺れているのですか、石破さんがぶれているという報道もありますが、自民党が仮に消費税の減税を公約にしてくるとすれば直ちに法案を提出します。参議院選挙で問おうと思っていますが、問う必要もありません。参院選前に実現・実行するというのが本来あるべき姿ですから、それぐらいの構えで、この問題は真剣に取り組みたい。そう思っています。
○ひめゆりの塔の展示内容めぐる自民・西田議員発言について
【共同通信】
冒頭、自民党の西田昌司参院議員の発言について、不適切な歴史認識というご指摘があった。具体的にどういったところが問題であるとお感じなのか、もう少しお聞きしたい。
【幹事長】
私もこれは詳細をよく確認しなければいけないのですが、仮に、私の理解を前提に申し上げますが、「日本軍が入ってきてひめゆり隊が死ぬことになり、アメリカが入ってきて沖縄が解放された」。いろいろと歴史の経緯の中で、加害・被害、被害・加害、いろいろと錯綜していた面はあったのではないかと想像します。それにしても、少なくともひめゆり隊の皆様は日本軍あるいは現地の沖縄の方々の様々な医療的救済に当たりながら大変な被害を被った方々でございまして、少なくとも当時それを通して米軍と戦うという立場にあられた。そういう理解ですから、「日本軍がひめゆり隊の死を招き、アメリカがそれも含めて沖縄を解放した」という文脈は、その一体どちらの立場に立って歴史を解釈しようとしているのか、意味不明でもあり、不適切でもある。私の理解を前提にすると、そういう解釈です。
○「消費税負担の軽減策(2)」「学術会議法人化法案」について
【フリーランス】
食料品消費税ゼロに関連して、玉木代表は飲食店に打撃を与えるというコメントをしているが、食料品消費税ゼロの国でみんな飲食店に打撃を与えているのかと聞いたら、やり方によっては打撃を与えない場合があると、免税取引ならば大丈夫だという答えをして、だいぶ一部報道のニュアンスと違うことを言っているが、こういう恣意的なコメントをする玉木代表の姿勢はどうご覧になっているか。
【幹事長】
例えば仕入れ税額控除が減少するとか、客観的に受け止め、当方としてもしっかり議論を煮詰めなければいけない。あるいは、飲食店での外食と食料品を買って帰る場合の消費税率の差が2から10になるということが与える影響についてどうだと。必ずしも恣意的と申し上げているわけではなく、各論においてよく詰めなければいけない部分の問題提起としては受け止めているのです。
しかし、それは総じて、今の物価高の中で、収入も十分に上がらない、非常に生活を逼迫しているという状況の中で、食料品のゼロ税率を望む国民の声、消費者の声、有権者の声を覆すほどの論点なのか。あるいは、だからといって飲食店が食料品の仕入れに消費税がかかることを果たして望むのかということも含め、大勢を覆す議論にはなり得ないというのが私の認識です。
なおかつ、食料品を仮にゼロ税率で仕入れできた飲食店が価格を据え置くという前提でその議論をされているんですね。その場合、仕入れ税額控除との差額である納税消費(税)額が形式上増えるというのは電卓をたたけばそうなのですが、通常ですよ、ゼロ税率で仕入れた食料品、そうすると飲食店の小売価格はそのままなのか、場合によっては下がるのか。下がれば受入れ消費税額との差額を支払う納税消費税額はその分減るわけですし、場合によってはそれでお客さんが増える、売上げが上がる、利益が上がるというようなことも、精緻にシミュレーションしようとすれば必要な議論ですから、何だかその、少なくとも批判のための批判にはならないようにお気をつけいただきたいとは思っています。
【フリーランス】
そういう精緻な議論を玉木代表・国民民主党と詰めて、飲食店にも打撃を与えない法案の内容に詰めていきたいと、こういう考えということか。
【幹事長】
中身はもうシンプルなのですね。食料品はゼロにするということですから。
あとは、飲食店さんがどういう価格設定をされるのか。そのことによって納税消費額が店によってどういうふうに変動するのか。そこはちょっと一方的な議論なり批判にならないように先方も気をつけていただかないと、という意味です。
ちょっと私が申し上げたいのは、理論武装すべきはしなければいけないのですが、食料品にかかる消費税の負担を減らしてほしいという国民の声、それは飲食店も含めて、それを覆すほどの議論の大勢になり得るのか。議論として大局に立った議論なのか。そこは見失わないようにしていただきたい。それはあわせて申し上げたいと思っています。
【フリーランス】
インボイス廃止できないので食料品消費税ゼロは難しいんだということも玉木代表は言っているが、これも障害になると考えるか。
【幹事長】
それも事の軽重で、インボイスを廃止するために食料品に10%消費税かけてくださいという国民はどれほどいらっしゃるのですか。食料品がゼロ税率になるとすれば、結果として、経過的に、将来的な制度設計は別ですよ、原則1年、最長2年というお話を申し上げていますが、その間にインボイスが仮に残るとしても、食料品にかかる消費税の負担が下がることは暮らしを底支え、後押しすることになると。その議論の大局・大勢が、この際、重要であるということを申し上げています。
個別論点として否定はしていません。議論の大局・大勢に立って総合判断すべきだということを申し上げています。
【フリーランス】
最後に、学術会議法人化法案に対して、杉尾議員が先ほど反対集会に出て反対の訴えをされていた。立民は反対の立場だと思うが、維新と国民民主ははっきり反対を言っていないので、自公・与党寄りの姿勢を国民民主党と維新は取るのではないかという疑いがあるが、この姿勢についてはどうご覧になっているか。
【幹事長】
あえて他党の判断をどうこう言いませんが、そこに関して。
我がほうとしては、この学術の世界にあたかも政治が介入したかのように取られることは長期的に国益にとってマイナスだという根本的な判断をしていますので、その方針に沿って、この法案とも対峙していきたい、向き合っていきたいと思っています。
○参院通常選挙に向けた取組について(1)
【毎日新聞】
参院選について伺いたい。主に維新との予備調整というような話があったかと思うが、それも含め、他党との調整状況、連休を挟み何か進捗があれば教えていただきたい。
【幹事長】
様々各選挙区の情勢について各党が分析をしているのではないかと想像しており、その分、調整の可否や、その必要性等について、認識の熟度が高まってきているのではないかと観察をしております。
加えて、かねてから申し上げているように、連休が明けますと、事実上終盤国会、そして事実上参議院選挙に向けた運動がスタートしていくという時期ですので、だんだん日が落ちてきているという認識がございます。その前提で各党と調整していくことになるというのが、連休の前後でいうと大きな変化だと思います。
現状、今直ちに結論を申し上げられる状況にはありません。
【毎日新聞】
何か結論のめどとして意識している日程はあるか。
【幹事長】
可及的速やか、できるだけ早いほうがいいという認識ではありますが、それも含めて明確に断言できる状況にはありません。
○経済対策に関する政府・与党方針について
【NHK】
政府・自民党のことで伺いたいが、けさ自民・公明の2幹2国が行われ、経済対策を行うという発表をした。時期としては参議院選の前にということだった。これについての受け止めと、その後、自民党の小野寺政調会長と石破総理が会い、米の価格対策についても石破総理から指示が出されたという報道がなされている。この2点、ちょっと共通するところもあると思うが、幹事長としての受け止めをお願いしたい。
【幹事長】
ちょっと遅きに失しているという認識です。それから、もっと言えば、本予算の審議中に補正の指示をされたり、それをにおわせたり、あるいは引っ込めたり、非常に二転三転していることに加えて、遅きに失している。
そして、おそらくですが、米の問題は重要だと思いますが、それだけでは甚だ不十分ですから、ガソリンの暫定税率の廃止などを含めて抜本的・根本的な対策が必要であるという点から言っても、二転三転、ぶれぶれで、遅きに失しており、不十分であるという認識です。
○参院通常選挙に向けた取組について(2)
【産経新聞】
参院選について伺いたい。兵庫選挙区に出馬表明している元明石市長の泉房穂さんに立憲民主党兵庫県連が推薦をするというような一部報道があった。現在の党内における検討状況について伺いたい。
【幹事長】
現状、県連内で候補予定者ご本人の意向も踏まえながら対応を検討しているという認識です。党中央としては、まさにご本人の意向、それから県連の意向を踏まえて、必要に応じて今後の対応を検討したいと思います。
【産経新聞】
参院選に関連して、AIエンジニアの安野貴博さんが参院選に新党を結成して臨むという報道がある。立憲民主党としては民意の解析に関して安野さんとの協力を進めているが、今後のその協力関係のあり方などについて、対応などがあれば伺いたい。
【幹事長】
きょう役員会並びに常任幹事会で、その点、私のほうからご報告したところです。
まず、あれだけの技術と知見をお持ちの方ですから、テクニカルには、技術的には、今しかかっている連携、つまり大規模熟議のシステム、そしてオードリー・タンさんが台湾で行っているような民意集約のシステムですね。このシステムはあくまでオープンソースで、誰でも参加できる実証実験という位置づけですので、テクニカルには環境を維持したいと思っています。
一方、ある種安野さんの取組等に対しても政治的に共感する部分がございましたが、それもこれから大きくは変わらないのですが、しかし、あしたどういう表明をされるのかあれですが、仮に新党を結成し独自の政党活動を行われるということであれば、当然その点に関しては当方は一線を画して、別の政党としてしっかり政治活動を行っていく、あるいは選挙運動を行っていくということになりますので、このテクニカルな関与と、政党・政治色におけるメッセージ性と、その部分は十分区別・区分けをして、誤ったメッセージにならないように、そこは重々気をつけたい。そういう思いでおります。
○連休中に視聴した作品について
【産経新聞】
最後に一点。冒頭のご発言の中で、ゴールデンウィーク中に「GTO」をご覧になったと。
【幹事長】
聞いてくれないのかと思って、寂しいと思っていました。
【産経新聞】
消費税議論をめぐりGTOというような記事などもあったが、ご覧になって何か政治的に思いを新たにするようなことなどがあれば伺いたい。
【幹事長】
これね、なかなか見どころのある。「ぐっと、耐えている、小川さん」は事実なんです、日頃。ただ、やはり時に爆発しなければいけないなと、あのドラマを見て思いました。だから、本当に「頑張って、トライする、小川さん」「ガッツで、突破する、小川さん」を目指さなければなと。連休中に英気を養いながら、そういう思いでいたところです。
○オードリー・タン氏を招いての勉強会について
【幹事長】
言い忘れました。まさにオードリー・タンさん、先ほどちょっとあれしましたが、来週月曜日に公開で勉強会をオードリー・タンさんと行う予定ですので、ちょっとこの場をおかりして周知させていただきたいと思います。
【司会(幹事長特別補佐)】
一応補足をすると、12日・月曜日、11時半から(衆議院議員)会館、第2の2会議室で行う予定でございますので、よろしくお願い申し上げます。皆様ありがとうございました。
(以上)