立憲民主党は5月16日、「保育士の処遇改善や保育の質の確保等を求める要請」を三原じゅん子内閣府特命担当大臣(子ども政策担当)に要請しました。
この要請には、高木真理参院議員・ネクスト子ども政策担当大臣をはじめ、坂本祐之輔、小山千帆、福森和歌子各衆院議員、木戸口英司、古賀千景、奥村政佳各参院議員が参加し、要請書の手交後、三原大臣と意見交換を行いました。
保育士は、子どもたちの人生のスタートを担う存在であり、人間形成にとって極めて重要な時期を過ごす保育所等は、非常に大切な場所です。しかし、ここ10年以上、慢性的な保育士不足が続いており、「保育士不足」は「保育の質の低下」にもつながる喫緊の課題となっています。
立憲民主党はこれまでも、保育等従事者の賃金を改善するために月額1万円を上乗せする処遇改善や、保育施設の職員配置改善加算措置に関する条件緩和などを、政府に対して求めてきました。
政府は昨年12月に「保育政策の新たな方向性」を取りまとめ、令和7年度から10年度末を見据えた保育政策の推進に取り組むとしていますが、保育をめぐる課題に十分応えられる内容にはなっていません。
そこで、立憲民主党はさらなる保育施策の充実を図るため、こども家庭庁や保育に関わる団体からのヒアリングを重ねて、要請を行いました。要請項目の概要は、(1)保育士の抜本的な処遇改善と保育士の配置基準を見直すこと、(2)有料職業紹介はハローワークおよび保育士・保育所支援センターの活用によって人材確保が完結する体制を早急に構築した上で原則禁止すること、紹介手数料率の高騰に歯止めをかける実効的な措置や委託料の弾力運用(本来の人件費分の流用)の防止策を講じること、(3)保育の質を維持するために固定費等も踏まえた財政措置が講じられるよう公定価格制度の見直しを行うこと、(4)幼稚園・保育所・認定こども園の3類型での運用状態の合理化を検討し行政のムダを減らすこと、(5)保育現場のDX(保育ICT)の導入や運用への財政措置を行うこと--の5点です。
申し入れ後に記者団の取材に応じた高木ネクスト大臣は、「一つひとつにかなり思い入れがある内容」として三原大臣に要請したことを報告しました。
大臣とのやり取りについては、有料職業紹介に関し「使用を止めることは難しい。まずは保育士・保育所支援センターの活用を周知する」旨の回答であったことについて、「それではなかなか前に進まないが、紹介料が高騰している事の問題意識は共有させていただいた」と述べました。また、奥村政佳参院議員は、保育のDXに関して「システム導入時には補助金が出るが、毎月かかるランニングコストには財政措置がない。この問題をこども家庭庁に把握していただき、対策強化を求めたい」と述べました。
保育士の処遇改善や保育の質の確保等を求める要請.pdf


