参院本会議で6月20日、「ガソリン暫定税率廃止法案」の趣旨説明を提案者の重徳和彦政務調査会長が行い、柴愼一参院議員が代表質問を行いました。

■重徳和彦政調会長

20250620_174513shigetoku.JPG

 重徳政調会長は趣旨説明で、ガソリンの暫定税率は、1974年に道路財源を確保するため、まさに暫定的に上乗せをされたものだが、2009年には一般財源化され、課税根拠を喪失したにもかかわらず、今日に至るまで実に50年以上国民はその負担を求められてきたと述べた上で、「国の物価上昇率は、3年連続で2%を上回り、直近5か月では連続で3%台を記録するなど、家計を圧迫している。加えて、現下の緊迫する中東情勢を踏まえれば、今後ガソリン価格がさらに高騰するおそれもある。こうした状況でこのような不合理な税負担を放置し続けることは、政治の不作為にほかならない」と、これまでの政府・与党の無策を厳しく断じました。

 さらに、与党の責任についても、「昨年12月11日には、自民、公明、国民の3党の幹事長の間で、いわゆるガソリンの暫定税率を廃止すると明記された合意文書が交わされている。この時点から、与党にも暫定税率を廃止する責任が生じていたはずだが、先般の予算や税法の審議におけるわれわれの修正案に対しても、また日本維新の会や国民民主党との協議においても、その責任を果たそうとする姿勢は全く見受けられない」と重ねて批判しました。

 そして重徳政調会長は、「このまま与党に任せていては、いつまでたっても暫定税率を廃止することはできない。この状況を何とかして打開したいという思いで、多くの党が一致し、今回、野党7党共同で本法案を提出した次第だ」と述べ、できない理由を探すことに心血を注ぐのではなく、「政治の不作為を解消し、物価高に苦しむ国民生活を支えるため、本法案の成立をお願いしたい」と述べました。

■柴愼一参院議員

20250620_174947shiba.JPG

 (以下、予定原稿)

 会派を代表いたしましてただいま議題となりました「租税特別措置法および東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案」、いわゆる「ガソリン暫定税率廃止法案」に対して質問いたします。

(1)本法案の提出の経緯と意義について

 日本の物価は3年連続で2%を大きく上回っています。消費者物価指数は6ヶ月連続で4%近くになっています。特に、エネルギーと食料品の物価が高騰しており、家計を圧迫しています。

 物価高に対する最大の対策は、物の値段を直接引き下げることです。その有力な手段が本法案に示された暫定税率の引き下げという税制による措置だと承知しています。

 野党7党は、国民の切実な声に応えるべく、エネルギー価格高騰に対してガソリン価格を引き下げるために「ガソリン暫定税率廃止法案」を共同で提出し、衆議院で可決に至りました。

 そもそも、ガソリンの暫定税率については、昨年12月11日には、自民党・公明党・国民民主党の3党の幹事長がガソリン暫定税率の廃止で合意したと承知しています。また3月以降、自民党・公明党は日本維新の会と協議を続けてきたと承知しています。しかし現段階で明確な廃止に向けた明確な方針が、与党から一切示されていません。そうした現状を踏まえ、この度野党会派が一致して本法律案を提出するに至った経緯と意義について、答弁を願います。

(2)暫定税率を廃止すると道路整備に影響が出るのではないか

 ガソリン暫定税率廃止に伴う減収は、今年度については7月1日からの実施であり約8,000億円を見込んでおり、暫定税率が廃止に至った場合、道路財源に穴が空くのではないかとの懸念が一部示されています。

 そうした懸念がある一方で、2009年度に道路特定財源は既に一般財源化され、道路整備の費用を賄うという暫定税率創設当初の課税根拠はなくなっています。暫定税率引き下げによる道路整備への影響やその財源について懸念する声に対しては、提案者は丁寧に不安払拭に向けた説明をするべきと考えますが、見解を伺います。

(3)野党連携の意義と成果について

 今回の法案では、ガソリン暫定税率廃止にかかる様々な課題をクリアする政策を野党が共同で提出していると承知しています。

 衆議院の質疑では、関係省庁、地方自治体、業界団体に与える影響についての質問がありました。しかし、ガソリン税の一番の関係者はガソリンを購入する国民です。従って50年以上も続いた暫定税率をまずは廃止することこそ、物価高に苦しむ国民の生活を守るためにこそ、最重要視すべきことです。

 衆議院での質疑を通じて、参議院に送付された本法案は物価高から国民を守るための野党連携の一つの成果として、真摯な審議を通じた法案成立が期待されているものと考えますが、その意義と成果について、提出者の見解を伺います。

 以上、物価高から国民を守り抜くための税制措置の必要性を訴えつつ、私の質問と致します。

 ご静聴有り難うございました。

250620(柴愼一議員)本会議登壇原稿_ガソリン暫定税率廃止法案.pdf