
野田佳彦代表は7月25日、石破総理の呼びかけによる与野党党首会談に臨みました。終了後、記者団からの質問に答え、日米間の関税問題に関する合意に関して、合意文書の無い中で進めていくことに、野田代表は「解釈の違いが地雷原になる危うさを感じた」と懸念を表明しました。
(1)臨時国会の会期について
臨時国会を8月1日から5日までの会期とすることについて、「今日、日米関税合意の説明をいただいたが短い時間だった。本当に国益に沿った合意なのかを国会で検証しなければならない。一定の審議時間が必要。また野党で、ガソリン暫定税率廃止法案の準備もするので、それが出てくる状況ならば、それも受け止めて審議してほしいと要請した」と述べました。
(2)日米合意について
今回の日米合意について、「今日配られた日本側資料では自動車は15%となっているが、米国の概要の公表では自動車が15%ということは入っていない。これは大事な肝ではないか」と話したが、石破総理からは、「解釈の問題だが、合意はしている」という回答がありました。
また、相互関税が15%ということだが、「自動車で6倍。他の低い関税率のそれぞれの領域でもマイナスの影響が出ることは間違いない。経済対策を講じる必要性が出てくる。補正予算も必要ではないか」と尋ねたが、石破総理から明確な回答はありませんでした。
他国の税率に比べ低いことについて石破総理は、「相対的に他の国よりもアメリカに対する輸出で日本が優位に立つ。国益に沿った判断だ」と答えていました。
5500億ドルの対米投資の内容、例えばボーイング機100機購入などについて、「JAL、ANAなどと相談して決めた」と、石破総理より回答がありました。
ベッセント財務長官が「四半期ごとに精査していく」と言及したことについて、石破総理は「日本側も合意事項を守っているかを精査していく」という説明をしていましたが、野田代表は、「合意文書がきちんとない中で、四半期ごとの精査や90%の利益といった数字を約束していたならば、解釈の違いが地雷原になるのではないか」と、強い懸念を表明しました。
関税交渉にめどをつけること、補正予算提出の要否、また5500億ドルがいつまでなのか等、石破総理からは「タイムスパンについての明快な回答は無かった」と述べました。
野田代表は、今回の会談について、「石破総理側からの呼びかけだったので、説明をしようという姿勢はあったと思う」と述べた一方で、「短い説明時間であり、かつ、きちっと合意文書も作らないままなのでお互いの解釈が違うところもたくさん出てきそうだ。首脳会談を開き、合意文書を作らないと危ういという印象を持った」と懸念を述べました。
