野田佳彦代表は10月31日、国会内で定例記者会見を開き、(1)党の全国キャンペーン「ここからはじまる」(サブタイトル「聞く・つなぐ・変える」)の始動とロゴ確定、(2)食料品の消費税ゼロ法案の本日提出、(3)来週の代表質問に向けた基本姿勢と柱――等について発言しました。
(1)全国キャンペーンについて、野田代表は「現場に行って直接見て、皆さんの声をしっかり受け止め、それを政策に反映していくのが政治活動の原点」と強調。ロゴは「耳(=聞く)」や「靴(=歩み・つなぐ)」をモチーフに制作され、今週末から本格始動します。今週末、野田代表は山形で畜産関係者との意見交換・車座集会、安住幹事長は福岡を訪問予定。届けられた声は、臨時国会の国会審議や、来年の通常国会の代表質問などにも活かしていく考えを示しました。
(2)また、物価高対策として、食料品の消費税ゼロ法案を、本日16時に立憲民主党単独で提出することに触れました。野田代表は「できるだけ多くのご理解・ご賛同を得たい」と述べ、与野党双方に働きかける方針を表明しました。本法案は、とりわけ各地で続く食料品の値上がりや生鮮品の高止まりを踏まえ、「食卓の危機」に対応する緊急策として位置づけています。
(3)来週の代表質問については、「中道の立場からの政策提言と、暴走を防ぐブレーキ役の両立」を基本姿勢に、政治とカネ・議員定数削減、経済・物価高、外交に加え、クマ対策などを柱に最終調整中と発言しました。高市政権をはじめ各党との善政対決を軸としつつ、「国民の暮らしや自由、平和を守るという観点からは、政権をしっかりとチェックするブレーキ役を果たさなければいけない」として、論点ごとに適切な対応で臨む考えを示しました。
■記者会見動画はこちら
野田佳彦代表記者会見
2025年10月31日(金)10時30分~11時08分
発行/立憲民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/fkkbdWKF_B0
■冒頭発言
■質疑
- 「ここからはじまる」全国キャンペーンについて(1)
- 次期衆院総選挙に向けた取組について
- 「ここからはじまる」全国キャンペーンについて(2)
- 安保法制について
- 維新・藤田共同代表の「公金還流」報道について
- 国会におけるやじについて
- 国旗損壊罪の新設めぐる議論について
- 代表質問について(1)
- 裏金問題 関与議員の官房副長官起用について
- 代表質問について(2)
- 食料品消費税ゼロ法案について
- 議員定数削減めぐる議論について(1)
- ガソリン暫定税率廃止に関する協議について
- 首脳外交について(1)
- 政策実現のための協議のあり方について
- 首脳外交について(2)
- 防衛力整備に関する議論について
- 議員定数削減めぐる議論について(2)
- 国会対応 公明党の野党国対参加等について
- 「スパイ防止法案」めぐる議論について
■冒頭発言
○「ここからはじまる」全国キャンペーンを開始
【代表】
今週の常任幹事会で決定をいたしました党のキャンペーン、名称は「ここからはじまる」全国キャンペーンでありますが、サブタイトルは「聞く・つなぐ・変える」です。今週末からスタートさせていただきたいと思いますが、このスタートに当たりましてロゴマークを確定いたしましたので、隣をご覧いただければと思いますが、こういうロゴマークにしました。もうわかりやすいと思います。耳、「聞く」ですね。それから、「ココカラ」の「カ」、まさに力(ちから)というところですが、歩いているという形で靴を履いていますので、まさに「つなぐ」という、そういうイメージをつくらせていただきました。
政治を変える原点というのは私は現地・現場にあると思いますので、現場に行って、直接見て、そして、そこにいらっしゃる皆さんの声をしっかり受け止めて、それを政策に反映していくというのが政治活動の原点だと思います。この原点に立ち返って「聞く・つなぐ・変える」、1500名の地方議員も含めて、国会議員も全力でこの活動に取り組んでいきたいと思いますし、それを国会での立法活動や、あるいは地方議会の活動にも生かしていくということが党の底力になっていくだろうと確信をしているところであります。
まずスタートとして、私は今週末、山形にお伺いいたしまして、畜産業者の方とお会いしたり、車座集会を開きまして、現場の声をしっかり踏まえた、そして、それをいかに国会に生かすかということを考えていきたいと思いますし、安住幹事長も福岡に週末に行く予定でございますので、「ここからはじまる」のまさにスタートが今週末から始まるということを予告させていただければと思います。
また、こうした現場での声を聞くことによって、急がなければいけないことについてはこの臨時国会でいろいろな委員会でも生かしていきたいと思いますし、少なくとも来年の通常国会の代表質問なども含めて、生かせるところは大いに生かしていきたいと考えています。
○食料品消費税ゼロ法案の提出について
【代表】
私からは、もう一つ。食料品消費税ゼロ法案の提出、きのうNC(次の内閣)の冒頭でもお話をさせていただきましたが、NCで了承されましたので、きょうの16時に法案を提出させていただくこととなりました。
立憲民主党単独の提出でありますが、できるだけ多くのご理解、ご賛同をいただけるようにしたいと思いますし、きのうも申し上げたとおり、高市総理ご自身も5月の段階では極めて前向きなご発言をされておりましたので、高市総理にもご理解をいただけるように、これからもしっかりと国会の中で主張をしていきたいと思います。
■質疑
「ここからはじまる」全国キャンペーンについて(1)
【読売新聞】
冒頭ご発言があったキャンペーンの件で、一つの軸に「聞く」というのがなっているかと思うが、この「聞く」という点で、今週末は山形に行かれるということで、具体的にどういった政策テーマについて「聞く」ということをしたいとお考えか。
【代表】
とりあえず今回の山形のところでは畜産業者の皆さんとのやり取りがありますので、今の畜産のいろいろな抱えている問題などをじっくりとお伺いしてきたいと思いますし、いろいろな場所でいろいろなそれぞれのテーマがありますので、例えばもう既に新潟県に行って、いわゆる水不足の問題なども現場に行ったりして現場の声を聞いたりしましたが、それをもっともっときちっとキャンペーンとして位置づけて全員で取り組んでいくということでやっていきたいと思います。
【読売新聞】
この喫緊の課題としての物価高対策とはまた別のテーマで、まずはこのキャンペーンで聞くということをやっていくということか。
【代表】
物価高は、それはもう全国共通のテーマでありますので、これはいろいろな場面で皆さんの声を聞いていきたいと思いますが、ローカルないろいろなテーマがあると思います。そういうものを丁寧に聞きながら国会や地方議会に生かしていくということにしていきたいと思います。
○次期衆院総選挙に向けた取組について
【読売新聞】
最後に。このキャンペーンの先には次の国政選挙というのも見据えているかと思う。この国政選挙に向けてはどのように準備を進めていくかと、解散論も一部出ているが、これについてどうお考えか、お願いしたい。
【代表】
国政選挙は、これはいつになるかわかりませんが、机上の空論で政策を打ち出して公約にするだけではなく、やはり現場に行って、そういう声を聞いた上で、地に足の着いた政策を打ち出していくということが大事ですので、これもやはり次の総選挙に向けた準備活動でもあるということだと思います。
また、これはいつあるかわからないわけですから、常在戦場ですので、なるべく空白区は埋めていって、比較第1党を目指す以上はそれ相応の候補者を擁立しなければいけませんので、その準備も加速をしていきたいと思います。
【共同通信】
先ほどの解散論だが、高市政権が高い支持率を得ていることも背景に早期解散に踏み切るのではないかという見方が出ていると思う。一方で、前の衆院選からはまだ1年しかたっていないという状況で、この時期の解散論に対する見解をお聞きしたい。
【代表】
解散論を言ったら、いろいろな立場でいろいろな方がお考えがあると思いますが、高い支持率のときには、特に今は少数与党という状況ですので、局面打開で解散をして、安定した与党のメンバーがそろえるようにという衝動に駆られる可能性は十分にあると私は思います。
ただ、一方で、客観的に見て、3か月政治空白が続いて、物価高対策を何もやっていない中ですぐ解散となると、何も決めないで、暮らしに関わることが何も決まらないままにまた政治空白になりかねないと思いますので、それはやはり国のトップとしてどう考えるかというのは重要なポイントだと思いますし、ご承知のとおり1年前に選挙をやったばかりであるということなども含めてどう考えるかだと思いますが、衝動に駆られる可能性は十分にあると思っています。
○「ここからはじまる」全国キャンペーンについて(2)
【共同通信】
もう一点。このキャンペーンだが、参院選の総括で課題とされていたのが幹部の方の発信や拡散力だったと思う。ある種、先ほど言われたように政治の原点に立ち返ったキャンペーンだと思うが、そこから新しく発信力とか拡散力にはどうつなげていくお考えか。
【代表】
私とか幹事長とか、ほかの議員も含めて、とにかく全力で行動をして、アクションをして、聞いて、現場に行って、そして政策提言をすることの繰り返しの中で、広報機能の強化をしていますので、そこでどうやって工夫をして発信していただくか、伝達していただくか、伝播していくかということだと思います。広報委員長もいますので、十分覚悟を持って仕事をされていると思っています。
○安保法制について
【共同通信】
話題変わるが、もう一点だけ。安保法制に関して、今月に入って、野党との連携などの協議の場も含め、10年間で違憲部分はなかったと思うという発信を代表はされ、また、枝野元代表は、見直す部分はないという見解も示された。党内からは、この機会に党の考え方、見解を改めるべきという発信をされる方もいるが、安保法制について党の見解を整理するお考えはないか。今後どういうふうに整理していくのか、何かお考えがあればお聞きしたい。
【代表】
選挙公約で打ち出したことが、これまでの党内の議論の到達点だと思っていますので、私は変えたつもりはありません。よりわかりやすく、党首会談のとき、3党首の会談では、立憲の立場を説明するという意味で、こちらから妥協して下りていくという形ではありませんので、これまでの到達点で我々が見出した結論について説明をするということをやりました。だから、従来と方針が変わっているということではありません。
【共同通信】
では、枝野さんとの見解の相違は特にないと。
【代表】
枝野さんは前から、従来からそういうご自身のお考えを持っていらっしゃるし、それをタウンミーティングというご自身の集会でご自身のお考えを示されたというふうに理解をしていますので、それが党の方針と一致しているかというと、それは違うかもしれませんが、党の方針については従来から申し上げてきているとおりに変わりがありません。
○維新・藤田共同代表の「公金還流」報道について
【時事通信】
先日「しんぶん赤旗」の報道で、維新の会の藤田共同代表の側から藤田氏の第1公設秘書の会社に公金が流れ、その会社から藤田氏の秘書に給与が支払われていたという形で、いわゆる公金の還流ではないかという「しんぶん赤旗」の報道があった。これに関して藤田さんは、ご自身のXで、これは適法にやっていることだと反論しているという形だ。「赤旗」が疑惑という形で指摘しているが、これについて野田代表はどう思われるかと、藤田代表のこの説明について、野田代表はどう評価して、藤田さんに今後どのような対応を求めるかお聞きしたい。
【代表】
どちらも見ていないので詳細なコメントはできません。「赤旗」を読んでいるわけではありません。そういう「赤旗」で報道されたという報道は見ました。それから、藤田さんの詳細な反論も私は全部見ているわけではないので、それは前提として、両方見ていない上でコメントすることは困難でありますが、一般論として、マネーロンダリングとして疑われるようなケースではないのかと思いますので、これからちょっとよく注視をしていきたいと思います。
○国会におけるやじについて
【産経新聞】
2点伺いたい。1点目は、国会でのやじについて伺いたい。先日の高市首相の所信表明演説でのやじについて、代表は静岡第一テレビのインタビューで、やじをした議員に注意をしたと明かされていた。細かい事実関係の確認で恐縮だが、党内のどなたにどのような注意をどういう形でされたのかという点と、改めて国会のやじというのはどうあるべきかという点について、代表のお考えをお聞きしたい。
【代表】
あまりあるべき論というのはないと思うのですが、事実関係で言うと、指摘をされていた当該議員に対して、私の経験なども踏まえてアドバイスをいたしました。党のトップとして厳しく注意をしたということではありません。私の経験としてきちっとアドバイスをしたということが正確なやり取りだったと思います。
どういうことかというと、人の話はまずしっかり聞こうと。冒頭から何かを発言すると、何を言っているかも全然聞こえていませんでしたが、冒頭から国民が注視をしている国のトップが発言を切り出すときにいきなりというやり方は、礼を失するのではないかと。話というのはやはり聞いた上で、それはおかしいとかということを発言することというのは、これは往々にしてあると思います。これは与党でも野党でもあると思いますけれども。聞かないままスタートするというやり方は、私は柔道部出身なので、礼に始まり礼に終わるということなので、いきなりというやり方は、これは国民の理解が得られないのではないかということを申し上げたということであります。
【産経新聞】
ちょっと細かい確認で恐縮だが、それは直接呼び出されて対面でそういうアドバイスをされたということになるか。
【代表】
そんなことまで詳細に言わなければいけないのですか。
【産経新聞】
もし可能であれば。
【代表】
呼び出してなんかいません。電話しました。
○国旗損壊罪の新設めぐる議論について
【産経新聞】
2点目、話題変わり、国旗損壊罪について伺いたい。参政党が、日本の国旗を傷つけた場合に刑罰を科す国旗損壊罪を新たに設ける内容の法案を国会に提出した。自民党と維新も同様の内容のものを来年の通常国会で制定するとしている。改めて、日本の国旗や国章を損傷した場合に新たな刑事罰を設ける必要性について代表はどう思われるかということと、党としてこの国会論戦にどのような姿勢で臨むか、お考えを伺いたい。
【代表】
私は国旗の前を通るときには、それこそ礼に始まり礼に終わるではありませんが、壇上に国旗がある前には頭を下げて入る、そして、発言を終わったときには頭を下げて出るということをずっと徹底してきたつもりでありますので、国旗については極めて重要なものだと心得ているつもりであります。
ただ、法案の中身とかを見なければわかりませんが、損壊といったっていろいろなケースがあるだろうと思いますので、どういう中身なのかは検討しなければいけないだろうと思います。
○代表質問について(1)
【朝日新聞】
来週の代表質問の日程が決まった。代表はXでクマ対策も取り上げると表明されていたが、現時点で具体的にどういう柱立てを想定され、どういった観点で臨みたいか、お願いしたい。
【代表】
今、取組中です。お昼ぐらいまでに通告します。乞うご期待。
【朝日新聞】
ラインナップもまだ言えない感じか。
【代表】
ラインナップですか。ざくっと言うと、当然のことながら、やはり政治と金の問題にけじめがついたと(首相は)思っていらっしゃるでしょうから、そういう政治と金の問題とか、定数の話が急浮上していて、取り上げていませんでしたね、今回の所信(表明演説)で。取り上げていないけれども大事なテーマについてもしっかりと聞いていこうと思うし、やはり経済、物価高、これは当然欠かすことのできない柱になるテーマだと思っています。それから、ちょうど今、外交日程が続いていますので、そういうことなども含めて、最後の整理をしているところなので、これ以上申し上げられません。
○裏金問題 関与議員の官房副長官起用について
【朝日新聞】
別件で、もう一点伺いたい。参議院側の官房副長官の佐藤啓さんだが、代表質問で通例の陪席を、いつも副長官はされているができなかったり、いわゆる裏金の後に選挙を経ていないという理由で、官房副長官の業務に一部支障が出ている状態だ。高市さんの任命責任も含め、佐藤さんについて高市さんはどう対応すべきか辺りがあればお願いしたい。
【代表】
これは我々がもちろん「おかしい」という指摘も参議院の国対委員長を含めてしていますが、一方で、自民党の参院幹事長もこれについては疑問に思っているということを提示されていますよね。そういうことをやはり総理は受け止めてほしい。与党内でもそういう考えを持っている方がいらっしゃるということを踏まえた対応をぜひしなければいけないのではないかと思います。
【朝日新聞】
立憲の参院側からも同様の発信があるが、立憲としては、どうなれば陪席とか通例どおりの対応を認めるというか、どういう条件が整えば対応が変わる感じか。
【代表】
これはちょっとね、ハウスとしてのいろいろな考え方があると思いますので、参議院国対のご意見というのを尊重していきたいと思います。
○代表質問について(2)
【日本テレビ】
代表質問に関連して伺いたい。今国会で高市政権に対してどういう姿勢で対峙していくかということを示す場にもなるかと思うが、今回の代表質問の中で、対決姿勢なのか、あるいは対決より解決する姿勢なのか、どういう姿勢で対峙していきたいと思っているかと、その理由について伺いたい。
【代表】
基本的にはですね、我々の中道という立場からの政策提言を行って、高市政権と善政競争を行うというのが基本に一つあります。
一方で、今の政権というのは、どちらかというとブレーキの利かない政権になりかねない、アクセルが二つ並んでしまったという状況なので、中道の立場から、国民の暮らし、国民の自由、あるいは平和を守るという観点から、政権をしっかりとチェックするという、むしろブレーキ役を果たさなければいけない場面もありますので、それぞれを盛り込んだ対応をしていきたいと思います。
【日本テレビ】
トピックについては、先ほどお昼頃にということだったが、たくさんのテーマがあるかと思うが、野田代表が特に力を入れて訴えていきたい、論戦を仕掛けていきたいテーマがもしあれば伺いたい。
【代表】
私だけではなく、例えば衆議院だと吉田はるみさんも城井崇さんも、それから参議院でも2人代表質問に立ちますので、それぞれ手分けをして、どのテーマが一番大きいかというのはこれはもう手分けの問題だと思いますが、私は先ほど申し上げたような政治改革に関わることとか経済政策に関わるようなこと、社会保障等々、外交、あと一点、クマ(被害対策)も入れてというような構成になっていくと思います。
○食料品消費税ゼロ法案について
【毎日新聞】
食料品の消費税率ゼロ法案について伺いたい。今回、単独提出ということで、今後改めてできるだけ多くの賛同を得られるようにしていきたいということだったが、元々自民と維新の連立の合意文書の中にも食料品ゼロの話は入っていて、ただ、その後、藤田共同代表はニッポン放送の番組で事実上先送りというような発言もされている状況だ。与党も野党もそれぞれアプローチする機会はあるかと思うが、今後どう広げていきたいか、何かお考えが現時点であればお願いしたい。
【代表】
この10月だけで3000品目の食料品の値上げがありましたし、生鮮食品に至ってはずっと、豪雨があったり高温があったりして、慢性的にずっと高いレベルが続いているではないですか。これはこれからもその傾向があると思いますので、やはり食卓の危機に対してきちっと対応していくということが政治に求められていると思いますので、食料品のゼロ税率は今回提出をしましたが、他の野党も、食料品に限ってではないけれども、消費税の引下げについてはそれぞれの政党が公約に掲げましたので、ぜひこれはご理解をいただけるように、まず食料品からやっていこうというところでご理解を求めていく。
野党だけではなく、今おっしゃったとおり、自民党と維新との合意事項の中にも盛り込まれて、先送りという言葉があったけれども、一応これも検討して結論を出すことにはなっていますよね。その検討を急ごうではないかというような呼びかけをしていきたいと。維新は元々2年間はゼロと、比較的我々と近い政策でしたので、もう一回原点に立ち返っていただいて、高市さんご自身も元々はゼロ税率については5月の段階では非常に前向きなことをおっしゃっていたので、与党についても働きかけをしていきたいと思います。
○議員定数削減めぐる議論について(1)
【毎日新聞】
もう一点、定数削減のことで伺いたい。これまで小政党にだけ身を切る改革を迫るのはおかしいというご発言もあったり、基本的に比例だけざくっと雑な議論でやるのは駄目なのではないかという理解をしているが、何か具体的に、小選挙区、比例、こういうふうに議論していくのがいいのではないかとか、何か党内で既に議論は始まっているか。
【代表】
私自身は安倍総裁と2012年11月14日の党首討論で議員定数の削減を約束したという立場でありますし、その後、衆議院で15議席削減しましたが、参議院で6を増やしたりなど、進捗状況を見ると約束したレベルではないので、宿題として残っていると、自分の政治人生の中では。それはやはりきちっと宿題は処理をしていきたいということで、定数削減については賛成の方向でありますが、党内にもいろいろな意見があると思います。今、こういう議論が、定数削減が争点化されてまいりましたので、政治改革推進本部の中で我が党の考え方を今整理してもらっている段階ですので、確定的なことをまだ申し上げられませんが、定数削減については基本的には多くの議員の皆さんがご賛同いただいていると思います。
だとすると、今言われている、比例だけ減らすというやり方がいいのか。国会議員の1割を比例だけ減らすというやり方は、私と安倍さんが約束をした頃とは時代状況が変わっていて、かなりその後、多党化していますので、そうすると、多党化したその政党が、例えば比例区で幾つかの議席を持って、今、衆議院で議席を持って発言をされているではないですか。その人たちの足場がなくなってしまう可能性が比例区だけ(削減)ではあり得ますよね。
多党化の中では、私よりもはるかに右側にいる政党も、私どもよりもはるかに左にいる政党もあって、私の考え方とはとても政策的には相入れないものが多いということがありますが、でも、そういう政党を押し上げている民意を潰してしまって殺してしまっていいのかということは当然あるだろうと思いますので、選挙制度協議会などで丁寧にこれまで議論をしてきたと思います。
新しい選挙制度に伴う際に定数の問題も考えていこうというのは、これまで自民党も維新も含めながらやってきたと思いますので、そこで丁寧に答えを出していくというのが基本だと思いますが、えいやで議員立法で来るならば、我々もそのための対案は考えなければいけないだろうと。その対案というのは、比例区だけではやはり駄目ですよということであって、やはり小選挙区と比例区でどうやってバランスを取りながら削減をするのかというところが、私はあるべき方向性ではないかと思います。
○ガソリン暫定税率廃止に関する協議について
【日本経済新聞】
ガソリンの暫定税率廃止の議論に関して伺いたい。この後11時から6党の与野党協議が予定されていると思う。きのうの自民党と立憲民主党の国対委員長会談では、もしそこで合意がされれば午後にも幹事長で正式合意といったような段取りに関しても話があったと聞いているが、この午前中と午後にかけての議論に向けて、どういった合意や流れを期待するかという点をお願いしたい。
【代表】
きのうの段階で、年内実施が視野に入ってきたというところまで来ているということを重徳税調会長からも報告を受けておりまして、今回の所信表明演説でも高市総理は、法案の年内成立を期すであって、実施については来年になるのではないかという表現でしたので、粘り強く交渉してきたゆえに、しかも(他の)野党と連携をしっかりと保っているがゆえに、与党がずるずると後退をして我々の要求をのみつつあるという段階の最終局面が今のこの11時から入る協議だと思いますので、そこでしっかりと確認をした上で、午後にでも幹事長会談を開いて、しっかりとオーソライズをしてもらうということを期待していきたいと思います。
【日本経済新聞】
今まで議論が固まってこなかった背景には財源の部分で折り合いがついていなかったという点があると思うが、一部報道では、新しい財源として手当てしていく案が自民・維新・公明の間で浮上しているといったような言及もあった。この点、どういった財源、どこまで詰められるのが理想なのか、立憲民主党としてのスタンスを改めて伺いたい。
【代表】
7党で法案を出しているわけで、1党はちょっと今与党に行ってしまいましたが、その他の野党の6党が納得のできる財源構成になるのかどうか。それを見て判断をしていきたいと思います。
○首脳外交について(1)
【NHK】
外交について伺いたい。高市新総理の一連の首脳外交をどのように見ているか。また、きょうは日中首脳会談が調整されているということだが、アメリカがかじを切る中で、日中の関係というのも大事だと思うが、日中関係にどのようなことを期待されるか。その辺りのところをお願いしたい。
【代表】
一連の外交は、短い期間ではありますが、短期間でいろいろと重要な外交日程が入っていましたよね。特に日米については極めて和やかなムードで終わったかのような印象でありますが、個人的な信頼関係ができたならば、それはそれで一つの喜ばしいことだと思います。ただ、あんなに仲よくという形でありながら、共同声明がないとか共同記者会見がないというのは、ちょっとこれは不思議なことだなと。あまり前例がないと思いますので、なぜなのかなという気持ちはありますが、和やかな感じのイメージは醸し出されたなと思います。
日中については、注目をしていますのは、立ち話で終わるのか、座って話すのかですね。私も日中の会談はいろいろありましたが、きちっと座って向き合って一定の時間をやるという会談なのか、慌ててつくった日程で立ち話で短い時間で終わるのかによっては、全然違うのです。そういう形態も含めて注目をしていきたいと思いますし、所信表明演説では、日中関係、基本的にはあるべき姿を語りながらも、懸念事項というのを書いていましたね。その懸念事項をきちっと短い時間の中でも伝えて、どういう意見交換をするのかということは注目していきたいと思っています。
○政策実現のための協議のあり方について
【北海道新聞】
先ほどの話でちょっと恐縮だが、自民と国民民主の幹事長会談があり、自民・維新・公明・国民の4党の枠組みで今後「年収の壁」など様々な政策について協議していこうと、議論していくことで一致したそうだ。そうした枠組みができたことへの受け止めと、その一方で、先ほどのガソリンの暫定税率のように、いわゆる年明けだったものが野党がまとまって粘り強く交渉したことによって年内廃止となったが、こういうふうに野党第1党としてどのように野党をまとめていきたいかというのをお願いしたい。
【代表】
いや、今回の暫定税率というのが基本形です。野党ができるだけまとまって共同戦線で行けば与党も次第にその要求をのんでいかざるを得なくなっていくというのが基本で、我々の政策実現のパターンは、この基本形を大事にしていくと。他党はいろいろあるかもしれませんが、野党第1党である我々の役割は、その基本形を大事にしていくということだと思っています。
○首脳外交について(2)
【フリーランス】
先ほどの日米共同声明も日米共同会見もなかったことについて、これは高市総理がアメリカの記者の追及に耐えられなくて立ち往生したのではないかとか、あるいは、国民に知られたくない合意をしたのがばれるのを恐れたとか、何かどういうふうに捉えられているか。
【代表】
いや、捉えようがないですね。異例だとは思いますが、なぜなのかということは、これはよくわかりませんので、今おっしゃったようなことが本当なのかどうかとも何とも言えませんが、どんなやり取りがあったかなどは、やはり国会審議を通じてしっかりとただしていきたいと思います。
○防衛力整備に関する議論について
【フリーランス】
アクセルが二つの高市政権が進めるであろう防衛費の増大について、立民としてはブレーキ役を果たすと、国民生活へのマイナスが大きいのではないかという疑問提示をして対決姿勢を示すという理解でよろしいか。
【代表】
少なくとも、43兆という、これまでの5年間での計画の中でも、初年度の2023年で1300億円を余したんですよね。普通、役所が使い切れないというのは考えられないので、使い切って、またその次の年により要求するというパターンですので、考えられないことが起こっていましたので、やはり積算根拠(の不確かさ)が、43兆でもあったんです。
それを逆に前倒しをするということは、その理由は何なのかということはよく聞かなければいけないし、それは補正予算に反映されますよね。補正予算に反映されると、おそらく一つ14兆ぐらいがレベルだと思います。それを超えると2026年の国・地方のプライマリーバランス黒字化というのはできなくなるということなので、かさが、どういう問題なのか。根拠がどういうことなのか。それだけ前倒ししなければいけない理由。それから、財源が当然ながら必要になってきて、来年の4月1日から法人税とたばこ税は上げるということになっていたと思いますが、所得税はずっと結論を出さないまま来ていますよね。それも前倒しするのかなど、聞かなければならないことは盛りだくさんだと思っています。
○議員定数削減めぐる議論について(2)
【フリーランス】
最後に。大阪府連が議員定数削減に関して非常に懸念を表明されている。大阪では議員定数を減らし、小選挙区の割合が増え、維新のほぼ独占状態になり、まさに少数政党の意見が反映されなくなったという悪しき事例が大阪府議会であり、それを維新はさも成果のように自慢して進めようとしていると。こういう実態を把握するために、大阪に行ってヒアリングをするとか、合同で超党派で現地へ行くというお考えはないか。
【代表】
ヒアリングしなくても、文書が届いておりますので、大阪府連から。それをしっかりと受け止めて、政治改革推進本部で今議論していますので、そういう議論の中でどうするかということを決めていきたいと思います。文書が来ているということは申し上げます。
○国会対応 公明党の野党国対参加等について
【「FACTA」】
臨時国会、予算委員会を含め、党首討論も始まるが、やはり一番国民が聞きたいのは公明党の質疑だと思う。26年間向こう岸から、こっちに来ると。でも、公明党は衆議院でいえば24人ぐらいしかいないので、ほとんど時間がない。これはまさに野田さんがリーダーシップを取って公明党に、この経緯のことについて絶対言いたいことがあると思うので、その辺をやはりやらないと、なぜ別れたかを含めて知りたいことがある。そういう野党の今回の戦い方で、どんなことになるのか。それは少し時間を譲ってとかはお考えになるか。公明党の質疑の時間を延ばさせてやるような、そういう努力が必要なのではないか。ほかの政党より、やはり公明党が何を言うかを国民は聞きたいと思うが、一番時間を持っているのは立憲なので、その辺はどうお考えになるか。
【代表】
それはですね、野党の国対委員長会談にも公明党さんが入ることになりました。それから、委員会のいわゆる野党の理事懇談会にも公明党さんは入りましたので、それぞれの委員会とか、あるいは国対レベルでの調整をお願いしたいと思いますし、そういうご要請があれば、それはもちろん野党第1党として柔軟に対応できるところは対応していきたいと思います。
【「FACTA」】
野田先生の我々の中道とは何かというユーチューブを拝見したが、まさに先ほどの国旗の問題なども野田さんは中道だと思う。先ほどのやじだが、今回、日本の女性というのはなかなか政治進出していなくて、初めて女性の首相ができるわけだから、小学校の子どもだってやはりあれを見るというときに、ああいうやじをしている政党は私は中道だと思えない。あれは活動家だ、世の中的には。やはりちゃんと注意して、最低限のそこがないと、中道は元々仏教用語だが、そういう礼節とか何もないと、先生が幾ら中道を言っても、ああいうやじを出す政党にそんなに投票したいと思う人はいないと思う。申し訳ないが、やはりちゃんと注意すべき、少なくとも状況からしてちゃんと話を聞くべきではないか。その辺はどうお考えになるか。
【代表】
そういう趣旨でアドバイスをいたしました。
○「スパイ防止法案」めぐる議論について
【時事通信】
いわゆるスパイ防止法について、国会論戦が本格化する。維新や国民もいわゆる中間案をまとめ、高市さんも前向きなので、議論になると思う。改めて、いわゆるスパイ防止法についての党の立場を伺いたいのと、これについて議論になってくると一定の党としての考え方も必要になると思うが、党として対案をつくるのか。あるいは、党として見解をまとめたりするのか。代表としてのお考えを伺いたい。
【代表】
もちろん、そういう法案が出てくるような状況ならば、党の中で、NCでしっかりとその考え方を整理して、対案という形にするのかしないかも含めて検討していきたいと思います。
スパイ天国になってはいけないということは間違いないと思います。だからといって、その規制をするやり方が、まさに国民の人権に関わるようなことに至っては、これはやり過ぎだと思いますので、そういうことなども含めて、どういう法案が出てくるのかを見ながら、我々の考え方も整理をしていきたいと思います。
(以上)
