野田佳彦代表は1月5日、党本部で記者団の取材に応じ、(1)ベネズエラ情勢(2)給付付き税額控除(3)次期衆院選と野党連携(4)通常国会での政治改革――などについて発言しました。

(1)ベネズエラ情勢

 野田代表は、米国によるベネズエラ情勢への対応をめぐる一連の行動に、各国から非難の声が上がっていることについて、「日本外交の鉄則は、力による現状変更を認めず、紛争は平和的に解決するという立場だ」と指摘しました。同盟国である米国の対応についても、「主権国家のトップを強引に連れ去り、次の政権まで管理するという言動や行いは、国際法の観点から見ても異議があると言わざるを得ない。残念なことだ」と述べました。また、「法の順守という意味では、米国内法との関係も含め、懸念が生じている」とし、日本として事態を注視し、説明の在り方を見極める必要があるとの認識を示しました。

 さらに、「力による現状変更を西半球で容認すれば、東半球、すなわち欧州やアジアでも同様の行動を招きかねない」と懸念を表明。「覇権主義的な国ではないミドルパワーの国々が連携し、国際法とルールを守るべきだという声を上げていくことが重要だ」と述べ、日本外交の果たす役割を強調しました。

(2)給付付き税額控除

 給付付き税額控除をめぐる協議について野田代表は、「政府の中に会議体を置き、そこに政党が入る形は望ましくない」と述べ、政府と政党が共同で運営する枠組みとすることが重要だとの考えを示しました。また、「まずは給付付き税額控除の制度設計を急ぐことが先決だ」とし、社会保障全般の議論に拡散させるのではなく、合意済みの論点から着実に進めるべきだと指摘しました。「順番がきちんと整理されるのであれば、われわれもリーダーシップを発揮して参加していきたい」と述べました。

 さらに、制度の意義については、「アベノミクスによって格差が拡大した」との認識を示した上で、「低所得者だけでなく、中間層も下に押し下げられかねない状況にある」と説明。給付付き税額控除は「消費税の逆進性対策にとどまらず、所得再分配機能を持つ政策だ」と述べ、「格差是正の突破口として、何としても実現したい」と強調しました。

(3)次期衆院選と野党連携

 次期衆院選を見据えた野党連携について、野田代表は「小選挙区でどれだけ勝てるかが最大の試金石だ」と指摘。「野党同士が潰し合えば、結果的に与党を利するだけだ」と述べ、候補者調整に向けた誠意ある対話を重ねていく考えを示しました。

 また、野党間の距離感については、「テーマによって連携の形は異なる」と説明。ガソリン税の暫定税率を例に挙げ、「連携によって実現できる政策もある」とする一方で、自民党と政策協力を進める動きが強まる可能性にも言及しました。その上で、「野党第1党として、対案を示し、政策の違いを分かりやすく提示する役割がある」と述べました。

 中道路線については、「中道を意識して新たに整理しているわけではない」と説明。「これまで堅持してきた政策を、これからも自信を持って訴えていく。それが結果として中道だ」と述べました。その上で、親和性の高い政党との連携には前向きな姿勢を示しつつも、「政策を曲げて近づくことはしない」と強調し、自党の政策軸を明確に打ち出していく考えを示しました。

(4)通常国会での政治改革

 通常国会での政治改革については、「最大の焦点は政治資金規正法の改正だ」と指摘。裏金問題を背景に、「企業団体献金の禁止は重要な処方箋だ」と述べました。「この通常国会は決着をつける最後のチャンスだ」と強調し、野党間の議論が進んできているなかで、「最終的に問われるのは自民党が応じる意思を持つかどうかだ」と述べました。定数削減や選挙制度改革については、「その先の段階で議論されるべき課題だ」と位置づけました。