野田佳彦代表は11月16日、長崎県を訪れ、島原市で山田勝彦衆院議員(長崎県第2区)の国政報告会に参加し、山田議員や立憲民主党への支持を訴えました。また、長崎市で保育関係者の皆さんとの車座集会に参加し、人手不足や処遇改善の課題について、保育現場で働く皆さんの切実な声に耳を傾け、意見交換を行いました。これらは「聞く・つなぐ・変える」をコンセプトに党所属議員、総支部長らが一体となって市民の声を政治に届けることをめざす全国キャンペーン「ここからはじまる」(略称「ココカラ」)の一環で実施しました。

■山田勝彦衆院議員「国政報告会」

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 山田議員は、半島振興法改正や島原半島における医療提供体制の維持、島原鉄道の存続など、地域の課題に対する取り組みについて報告し、併せてこれまでの国会活動などを振り返る動画も上映されました。また、山田議員は地元活動の中で聞いた、日本が戦争に巻き込まれることを懸念する声を紹介した上で「非核三原則は唯一の戦争被爆国・日本が堅持してきたこと。長崎が最後の戦争被爆地であり続けるために、核兵器は絶対に使ってはならない」と述べ、「島原半島の皆さんの声、そして長崎の声を全力で国会に届けることを誓う」と力強く訴えました。

 続いてマイクを握った野田代表は、山田議員について「間違いなくこれからの日本を背負っていく存在だ」として、少しでも後押ししたいという思いから島原までやってきたと述べました。また、立憲民主党が取りまとめた経済対策で、国民の命を守るために公立・公的病院や赤字の医療機関への支援の予算化を盛り込んだことや、ガソリンの暫定税率の廃止を野党が主導して実現したことを紹介するとともに、7月の参議院選挙以来、政府の物価高対策が全く進んでいないことについて「ずっと無策のままだった」と厳しく批判し、「食料品消費税ゼロ法案」や、各家庭の食卓を緊急支援する給付金の支給を「補正予算に入れ込めるよう頑張りたい」と力を込めて訴えました。

 質疑応答では参加者の皆さんからたくさんの質問をいただきました。台湾有事や非核三原則の見直しをめぐる高市首相の発言についての見解を問われた野田代表は、内閣総理大臣が手の内を見せるような、軽率な発言をしたことを批判し、そうした発言をむしろ自民党の支持層が歓迎することに危機感を表明しました。また、核廃絶に向けて日本が先頭に立つべき時に「危うい方向が出てきた」と指摘し、「中道の立憲民主党がしっかりブレーキ役を果たさなければいけない」と述べました。日本の主食であるコメをはじめ、食料品の値上げが続いていることから「国民を飢えさせない政治をお願いしたい」という意見に対しては、野田代表は食料品消費税ゼロの実現を重ねて訴えるとともに「物価より賃金が上がる構図にしていかなければならない。そういう経済、社会をつくれるよう頑張りたい」と意気込みを語りました。

 国政報告会には野田代表、山田議員に加え、党長崎県連代表の山田朋子長崎県議会議員、県連幹事長の白川鮎美長崎県議会議員も参加しました。

■保育関係者の皆さんとの車座集会

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 公的施設で働く保育の現場の皆さんとの車座集会に参加した野田代表は、冒頭「ココカラ」キャンペーンについて「現地、現場でご苦労されている声、課題を受け止めることが政治の仕事。それをお聞きすることがむしろスタートであり、原点に立ち返って全国で活動をしていく」と述べ、遠慮なく意見を聞かせていただきたい、と呼びかけました。

 保育現場で働く参加者からは、非正規雇用の会計年度任用職員が正規雇用の職員に対して圧倒的に多いが、非正規雇用の賃金の伸びが正規雇用に対して鈍い現状を紹介し、保育士資格を持つ非正規雇用の職員の処遇改善を求める声が上がりました。野田代表は「私も保育所の出身。私立の保育所を、大変優秀な成績で卒業した」と笑いを交えて参加者の皆さんを沸かせながら語り、立憲民主党が保育士の処遇改善法案を国会に提出したことも紹介しながら、「非正規雇用の方々の処遇改善は全国的な課題。党の厚生労働部門にも伝え、しっかりつなぎたい」と答えました。短時間勤務の制度はあるものの、慢性的な人手不足に加え、様々な特性を持つ子どもを預かる職場では特に、制度が利用しづらい現状を訴える意見に対しては、野田代表は「人材を確保して、職場環境が充実するようにしなければならない」と述べるとともに、人手不足で民間の人材供給業が乱立する現状に触れ、「公がしっかり責任を持って人材を確保しなければならない」と答えました。

 このほか、育児休業を取得する男性が少ないことから育児休業の有給化を求める意見や、公立の保育所で老朽化した施設の修繕ができず、民間に譲渡しなければ建て直しも困難な現状を伝える声が上がり、野田代表は「社会全体で子どもを育てていくような、そういう社会にしていかなければならない」と語りました。また、野田代表から、自身が総理を務めていた時に取り組んだ保育士の配置基準の変更による効果や影響について参加者に質問するなど、活発な意見交換を交わしました。