SNSの普及で若者の政治参加の状況に大きな変化をもたらすなか、若者にとって政治はどう機能しているのか。自ら「日本中学生新聞」を立ち上げ、現場を歩く15歳のジャーナリスト・川中だいじさんと野田佳彦代表が意見を交わしました。(取材日:2025年12月23日)

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野田代表)川中さんは、政治家への取材が多いそうですね。

川中さん)はい。政治家や候補者の方が多いです。前回の参院選では、大阪選挙区の候補者17人全員を取材しました。選挙は、候補者も支援者も本気だからこそ人間性がよく見える場面だと思っています。

野田代表)ルールに基づいた真剣勝負ですから、生の人間が見えてきますよね。

川中さん)いわゆる「泡沫」と言われる候補者だからこそ出てくる独自の政策があったりして、とても面白いです。

野田代表)それだけ取材していれば、だんだん目利きになってきますね。将来の夢はジャーナリストですか。

川中さん)今はジャーナリストか政治家になりたいと思っています。中学校では生徒会長もやっています。

野田代表)私は生徒会長に1回落選して懲りてしまった。無口だったし、生徒会長選挙がトラウマになって人前で喋れなくなったから、立花隆さんのようにペンで政治を変えたいとジャーナリストを目指していたのですが、政治家になった。人生いろいろあります。

川中さん)僕は1回当選して2回落選してまた当選したんです。

野田代表)強者(つわもの)ですね。

川中さん)でも落選時代の学びは多かったです。

野田代表)同感です。落選したおかげで1票の重さを実感しました。

川中さん)中学校では生徒会長として、選挙規約の改定や制定カバンのリュック化を決定するなど、生徒の意見を尊重した校則改正に取り組んできました。います。

野田代表)素晴らしい。具体的な公約があって取り組まれているのですね。世田谷区長の保坂展人さんも、少年時代の校則改正運動が原点でした。ぜひ将来は、立憲民主党から立候補してほしいですね。

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「日本中学生新聞」記者 川中だいじさん

多様な意見を交わすことが民主主義

川中さん)野田さんが考える「民主主義」とは、どのようなものですか。

野田代表)文字通り「民が主役」であり、国民一人ひとりが自分たちのことを自分たちで決めていく仕組みだと思っています。ただ、今の日本で十分に機能しているかと言えば、課題は多い。例えば、本来は7〜8割の人が投票に参加する社会が望ましいですが、現状は投票率が低い選挙が続いています。

川中さん)投票率を上げるには、何が必要でしょうか。

野田代表)政治の側が関心を持ってもらう努力をすること、そして、川中さんのように、子どもの頃から政治に触れる意識を持つことだと思います。

川中さん)僕は「大阪都構想」をきっかけに政治に興味を持ちましたが、学校で政治の話をして先生に怒られた経験があります。

野田代表)PTA等も含め、学校に政治を持ち込まない傾向がありますが、意見が違ってもいい。多様な意見を交わすこと自体が民主主義だと思います。

「生の声」こそが世論調査

川中さん)僕の周りでは、立憲民主党の存在感が薄い。特に僕は大阪に住んでいるので。SNSも頑張っていらっしゃるとは思いますが、ショート動画などはなかなか流れてきません。

野田代表)若者との接点が少ないのはわが党の課題です。政策には自信がありますし、高校生に政策を評価してもらう場では立憲が1位になったこともある。しかし、SNSなどでの発信力が弱く、なかなか伝わっていません。

川中さん)SNSは入口として大事ですが、危うさもありますよね。

野田代表) 短い言葉や刺激的な情報だけで判断される危険がある。だからこそ、ファクトチェックや一定のルールが必要だと考えています。次の通常国会でも、選挙期間中の動画拡散の在り方について議論を進めていく予定です。

川中さん)空中戦も大切ですが、野田さんのように駅に立つ「地上戦」も重要だと思います。友達から「〇〇党が駅に立っていた」という話は聞きますが、立憲の話はあまり聞きません。特に関西では、維新の地方議員が毎朝駅に立っている姿が印象に強いです。

野田代表) 私自身、毎日朝の街頭活動を続け、代表就任後も週に数回は立っています。最近はマイクを持たず、ひたすらビラを配っています。すると、ふと近寄って声をかけてくださる方がいる。その「生の声」こそが、私にとっての最も原始的で正確な世論調査なんです。

川中さん)すごく分かります。友達も「駅で政治家と直接しゃべった」だけで、一気に政治が身近になったと話してくれます。もっともっと街頭で向き合ってほしいです。

野田代表)街頭で人と向き合い、政策で応える。その積み重ねでしか、政治との距離感は縮まらないと思っています。もう一度原点に戻って強化していきます。

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中学生が感じる生活のリアル

野田代表)今、15歳の世代が最も関心を持っているテーマは何ですか。

川中さん)消費税や物価高対策です。学校の食堂でも、中1の時と比べて値上がりがすごくて。

野田代表)同じ値段でも、中身が減ったりしていますよね。

川中さん)そうです。ラーメン1杯が80円くらい上がっていて、友達と「この物価高、どうにかしてほしいよね」と話しています。育ち盛りは無茶苦茶食べますから切実です。だから、立憲民主党の「食料品の消費税ゼロ%」という政策は、周りでも評判が良かったです。野田代表)家庭でカレーライスを調理する費用を算出した「カレーライス物価」(帝国データバンク試算)は、前年同月から3割も上昇しています。中学生の世代も、物価高の影響を実感されているのですね。 川中さん)おやつを買う時も消費税ゼロはありがたいので、ぜひ実現してほしいです。

野田代表)昨年の臨時国会でも議員立法を提出しました。高市総理も前向きなので政府にも強く働きかけ、実現に向けて全力を尽くします。

「分断」を超え、誰もが居場所のある社会へ

川中さん)24年の衆院選で与党が過半数割れした時、「政治を変えられるかも」という実感が湧きました。でも、まだ自分の意見が政治に届く実感は薄いです。

野田代表)1票を通じて変化したと実感すると、もっと関心を持ってもらえるとは思いますよね。24年の総選挙では、われわれは50議席を得て一定の前進はしましたが、比較第1党になれなかったため、議席は増えましたがわれわれを踏み台にして政党間協議する野党が増えてしまった。社会を変えるには政権交代が必要だと強く感じています。

川中さん)世界的に政治が右傾化していますが、立憲民主党はどういう立ち位置でしょうか。

野田代表)国内の政治がうまくいっていないため国民に不遇感があり、決して外国人が優遇されているわけではないにもかかわらず、分断や対立が起こる。日本でもそういう兆しが出てきたことには警戒が必要です。

川中さん)僕が目指すのも、みんなが過ごしやすい社会です。格差がなく、差別なく共生できる社会になってほしいです。

野田代表)包容力のある共生社会をどう作っていくかというところに、われわれが中道の立ち位置を取る意義がある。誰もがこの国に生まれてよかったと思える、「居場所と出番」がある国を作りたいですね。若い世代の声が、民主主義を前に進めます。これからも新聞を通じて発信を続けてください。

川中だいじさんプロフィール

小学3年生の時に選挙にハマり、中学1年生で自「日本中学生新聞」を創刊。最新note『森友文書5回目の開示、村上誠一郎前総務相の涙』
テレビ大阪公式YouTube「大阪NEWS【テレビ大阪ニュース】」にて
『中学生記者・だいじの対談クラブ』配信中。
『こちら日本中学生新聞』(仮題)を3月上旬に出版予定。
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