立憲民主党はこれまで、冤罪被害者の救済や再審法の見直し、取り調べの改革などいわゆる「人質司法」の解消に向けた取り組みを進めてきました。
こうしたなか、政府が5月15日、再審制度を見直す刑事訴訟法改正案を閣議決定したことを受け、中道改革連合、チームみらい、日本共産党の野党3党は、共同で「刑事訴訟法の一部を改正する法律案」を衆院に提出しました。同法案は、再審請求人による証拠開示制度を創設するとともに、再審開始決定に対する検察官の不服申し立てを禁止するものです。立憲民主党は衆院での議席を持たないため提出会派とはなれませんでしたが、提出に同席しました。
再審法をめぐっては、審理の長期化を解消するとともに、再審格差を是正する必要性が長年指摘され続け、抜本的な見直しが喫緊の課題となっていました。袴田巌さんの再審公判が2023年10月から静岡地裁で始まるなか、超党派の議連「えん罪被害者のための再審法改正を早期に実現する議員連盟」が2024年3月に発足し、同年9月には袴田さんに無罪判決が出て、再審法の抜本改正を求める世論が急速に高まりました。議連が取りまとめた再審法改正案は25年6月、野党6党(立憲民主党・国民民主党・れいわ新選組・共産党・参政党・社民党)共同で国会提出されました。
今回提出した再審法改正案は、衆院の解散により廃案となっていた25年提出法案と同じ内容で、国会での閣法と並行した審議を求めています。
法案提出後の記者会見で、立憲民主党の牧山議員は、えん罪被害者の深刻な実態に触れ、「鉄格子の裏で、半世紀、何十年もにわたって無罪であるかもしれない方が、人生をそこで過ごすことは考えられない」と述べ、被害救済が喫緊の課題であると訴えました。また、第三者機関を設置している英国の事例を取り上げて、「世界に誇れる、大きな進歩が見られる審議にしたい」と述べました。
今回提出した議員立法と、同日政府が閣議決定した刑訴法改正案と比較すると、証拠開示について、閣法では裁判所に提示されるのに対して、議員立法では請求人に直接開示され、証拠の目録も提示されます。また閣法にある証拠の目的外使用の禁止は、議員立法にはありません。さらに、検察官の抗告禁止に関しては、議員立法では全面禁止としています。
