石垣のりこ議員は6月17日、参院デジタル社会の形成及び人工知能の活用等に関する特別委員会で質疑に立ち(1)大臣の兼務における利益相反の是非(2)「統計特例」による要配慮個人情報の取り扱い(3)顔特徴データの利用停止請求の実効性(4)AI学習データ消去の技術的検証と監査制度の不備――等について政府の姿勢をただしました。
ブレーキとアクセルの兼務、大臣の利益相反を追及
石垣議員は冒頭、松本国務大臣が個人情報保護委員会の所管大臣(ブレーキ)と、データ利活用を推進するデジタル担当大臣(アクセル)を兼務していることの是非を問いました。三条委員会として中立公正な判断が求められる立場との矛盾を「利益相反ではないか」と追及したのに対し、松本大臣は「ブレーキとアクセルを上手に踏みながら前に進む運転ができるつもりで任に当たっている」と答弁。石垣議員は、適切な制御が機能するのか強い懸念を示しました。
統計特例による本人同意なき機微情報の提供を懸念
今回の法改正で新設される、統計作成目的であれば本人の同意なく要配慮個人情報を提供できる「統計特例」について議論を行いました。松本大臣が「大量情報の解析行為にはAI開発も含まれる」と認め、実質的にAI開発が中心の特例であることを確認。さらに、防衛や治安維持目的の統計、警察庁などの行政情報、Nシステムや民間監視カメラの映像も除外されないことが明かされました。石垣議員は、情報を重ね合わせることで要配慮個人情報が生成され、本人の同意なく汎用AIの開発等に大量に読み込まれうる危険性を指摘しました。
顔特徴データの利用停止、実効性の乏しさを指摘
顔特徴データの利用停止請求の要件緩和や、カメラ設置場所への掲示による周知義務化の実効性について質した石垣議員は、削除を請求する過程で本人の顔特徴データを事業者と照合する必要があるため「かえって行動履歴が把握される矛盾が生じ、ハードルが高い」と指摘。松本大臣は、消去のための一時的な把握であり他目的への利用は禁じられているため矛盾しないと答えましたが、石垣議員は事業者の抜け道が保障されているに等しく、実効性に乏しいと主張しました。
確実なデータ消去技術の不在と事前審査見送りを批判
開発されたAIモデルから、個人情報が完全に消去されたかを一律に証明できる一般的な技術は存在しないことが、松本大臣への質疑で確認されました。政府側が「事後調査やガイドラインによる適切な合意形成の誘導で対応する」とし、世界のAI開発競争を鑑み、事前審査や第三者監査制度を設けない方針を示したことに石垣議員は猛反発。技術的な確認すら困難な生情報を事前チェックなしに扱う危うさを突きつけ「個人の尊厳が守られない不備のあるザル法だ」として廃案や出し直しを強く求めました。

