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20260729社会保障に関する国民会議で意見を表明する水岡俊一代表

【社会保障国民会議】 「本格的な『給付付き税額控除』に向けて議論継続を」 水岡代表が国民会議で意見表明

 社会保障国民会議(第2回)が7月29日、首相官邸で開催され、立憲民主党からは、水岡俊一代表、徳永エリ政務調査会長、熊谷裕人税制調査会長が出席しました。

 同会議の下に設置された「給付付き税額控除等に関する実務者会議」では、この間、22回に及ぶ議論が行われ、同日の朝に「所得に連動したきめ細かな給付」と、食料品消費税の減税などの経過措置(「つなぎ」)に関する「中間とりまとめ」が行われました。今回の社会保障国民会議では、この「中間とりまとめ」についての報告が行われた後、各党の代表から意見表明が行われました。

 立憲民主党からは、水岡代表が以下の通り意見を表明しました。

2026(令和8)年7月29日(水) 社会保障国民会議(第2回) 水岡代表発言(全文)

 立憲民主党代表の水岡俊一です。今回の「中間とりまとめ」について、立憲民主党としての考え方を申し述べます。結論から申し上げますと、わが党と致しましては、この「中間とりまとめ」には反対であります。

 まず、「所得に連動したきめ細かな給付」についてですが、これは中低所得の現役勤労者のみを対象とした制度であり、低所得・無所得の方が対象から除外されております。昨今の物価高で、これらの方々がとりわけ厳しい状況に置かれていることに鑑みれば、このような取りまとめを是とすることはできません。

 なお、この制度は、この内容からして、「税額控除」のない、就労促進のための給付措置です。これを「給付付き税額控除」と呼称することは、実態と著しく乖離をしており、国民の誤解を招くため、別途適切な名称とすべきであります。

 その上で、今回の制度は、あくまでも今後に向けた第一歩であり、引き続き、本格的な「給付付き税額控除」の早期導入に向けて、議論を継続すべきであります。そのことを、この親会議として決定し、有識者会議と実務者会議に諮問することを強く求めるところであります。

 次に、制度の経過措置、いわゆる「つなぎ」についてですが、減税が終了した後、特に低所得・無所得の方々において大幅増税となることは、看過できません。また、来年4月から減税を想定しているにもかかわらず、影響を受ける農業や外食産業への具体的な支援策や、財源が全く示されていないことも問題です。

 こうした認識の下、立憲民主党と致しましては、「つなぎ」について、現下の状況を考えれば、消費税の減税にこだわることなく、まずは、これまでに執行の実績のある、住民税非課税世帯等を対象とした給付など、速やかな実施が可能な給付を年内に行うべきであると考えております。

 以上、立憲民主党としての意見と致します。

 各党からの意見表明を受けた後、高市内閣総理大臣からは、まず「所得に連動したきめ細かな給付」について「中間とりまとめを踏まえて、政府としてしっかり取り組んでいく」とした上で、「『給付付き税額控除』の将来目指すべき方向性については各党で様々な意見がある。中間とりまとめに盛り込まれた将来の方向性を踏まえて、今後も検討を継続していくので、宜しくお願いする」旨話があったほか、食料品消費税の減税などの「つなぎ」については「中間とりまとめでは複数の意見を併記する形となっているが、8月上旬までを目途に方針を決定することとしているので、政府・与党としての方向を早急に検討していく」との発言がありました。

20260729社会保障に関する国民会議で意見を表明する水岡俊一代表

 会議終了後、水岡俊一代表、徳永エリ政調会長、熊谷裕人税調会長が記者団の取材に応じました。そのやり取りの全文は以下の通りです。

2026(令和8)年7月29日(水) 社会保障国民会議(第2回)終了後  立憲民主党出席者によるぶら下がり(全文)


水岡俊一 代表
 先ほど、社会保障国民会議第2回が開催をされました。それに野党も出席をしながら意見を述べさせていただきました。
 各党2分程度の持ち時間ということで、われわれの考え方を申し上げたところでありますが、私からは結論として、この中間とりまとめには反対であるということを明確に述べました。この低所得・無所得の方が対象から除外されているということに大きな問題意識を持っていることをはじめ、このようなとりまとめを是とすることはできないということを明確に述べたところであります。
 
熊谷裕人 税制調査会長
 先ほど、代表と政調会長と私とで3名で出席をしてまいりました。各党の代表が各党の意見を述べた後に、高市総理からそれを受けて発言がございました。
 高市総理は「給付付き税額控除」の制度、これまで長い間議論されてこなかったものが、今回制度として初めて確立をされることになるというのは画期的なことだと自画自賛をされておりましたけれど、代表の方からもありました通りに、税額控除のない部分の給付、単なる給付措置で、就労促進給付であると、名称もそこは変えるべきだということは代表の方から発言をしていただいておりますので、我々の評価は、これは「給付付き税額控除」ではないという評価であります。
 そして、所得に連動した給付というのは、手取りが増えるということにもなるので、「年収の壁」対策もこれでできるというようなことも言っておりましたけれど、給付で、この「所得に連動したきめ細かな給付」措置で、われわれは社会保障の壁がそれだけで取り払われるものではないというふうに思っております。
 そして「つなぎ」は、一致をしなかったのは残念だけれど、問題意識は共有できたんじゃないのかなというような発言がありました。しかし、問題意識が共有されるようなレベルの違いではなく、本当にもっと乖離したような認識でありましたので、総理の発言というのはちょっと違和感を覚えたところでもございます。
 高市総理からは、今日の答申を受けてですね「所得に連動したきめ細かな給付」制度、そして「つなぎ」であります食品消費税の減税につきましては、政府として8月上旬までに決定をするということを発言をされておりました。
 そして、これまでの議論の中で明らかになった社会保障の諸々の課題については、今後も継続的に議論をしていくというふうに発言がございましたので、それも合わせて、われわれの求める「給付付き税額控除」の制度について、引き続きこの社会保障国民会議になるのか、実務者会議になるのか、新しい会議体が作られるのか分かりませんけれど、立憲民主党の求める姿というものを、しっかりとこの継続議論される中で追求していきたいと思っております。ですから、次なる会議体が設置されれば、われわれも参加をさせていただいて、立憲民主党としての税と社会保障の一体改革、税の歪みをしっかりと正していくというところで「給付付き税額控除」の目指す姿を実現をしてまいりたいと思っております。
 
徳永エリ 政務調査会長
 今、水岡代表と熊谷税調会長からお話がございましたけれども、国民会議でのお話、総理からの話も含めてですね、どういうお話があったかということは2人からありました。
 私たちはですね、令和11年から始まるこの制度に関しては、「給付付き税額控除」の実現を求めていたわけでありますけれども、あくまでも今回の制度はですね、「所得に連動したきめ細かな給付」ということでございますので、われわれがずっと求めてきた、検討してきた「給付付き税額控除」の実現に向けてですね、これからも議論を進めていきたいというふうに思っております。
 やはり所得控除ではなくて税額控除、これが公正であり、そして税の再分配機能の強化ということが重要でありますし、それから(消費税の)逆進性、これを解消していかなければならないということもずっと言ってきたことでありますので、何よりもこれからもですね、こういった実務者会議が継続されるのかどうかというところが一番気になるところでございましたけれども、総理の発言としてはですね、社会保障の在り方に関しても、この税額控除の問題にしてもですね、これからも検討していくというようなお話ございましたけれども、実務者会議が今後も続くかどうかというところは、さっきも話していたんですけど、はっきり確認はできておりませんけれども、おそらく総理のおっしゃっている感じでは、われわれはですね、これからもしっかり検討を継続していくと、そして本来目指すべき形にしていきたいというふうに考えておりますので、そこは今後も政府に対して求めていきたいというふうに思っておりますので、宜しくお願い申し上げたいと思います。以上です。 

<記者との質疑応答>
記者
 2点お尋ねします。1点目が、今日、立憲として反対されたということですけれども、一方で、近く総理が消費税1%ということで決断するというのが各社報じております。国民会議で結論が出なかった点も、総理が最終判断することになる見通しですけれども、国民会議の意義はそれでもあったと言えるのかどうか、その点をお尋ねします。
 2点目なんですけれども、こうした総理ないし自民党の判断っていうのは、ある種公約を重視した結果とも言える流れになるかと思うんですけれども、一方で立憲は2年間(食料品)消費税ゼロというのを公約に掲げてらっしゃった党でもありますけれど、公約との兼ね合いを立憲としてどう説明していくお考えか、改めてお願い致します。

徳永エリ 政務調査会長
 国民会議の中で、この食料品の消費税1%、ゼロ、こういった問題に関しては、結局意見がまとまらなかったということであります。
 自民党の中でもですね、様々な意見があると聞いておりますが、そういう中でですね、総理が最終的にどう判断されるのかということでありますけれども、やはり色々な経済的な変化の中でですね、一度公約で言ったことであっても、やはりその変化をしっかり受け止めながら、あるいは国民世論の声を受け止めながらですね、決めていかなければいけないと思っておりますので、ちょっと総理がおっしゃっていることは強弁なのかなということを懸念いたしております。
 ただ、われわれがですね、国民会議の中で議論する中で、私たちも昨年の参議院選挙、食料品の消費税の引き下げを公約としておりましたけれども、本当に今それをしていいんだろうかと。円安もどんどん進行しておりまして、食料品の消費税を引き下げることによってですね、マーケットからの信頼をなくしてですね、さらに円安が進行するのではないか、となると、物価がさらに高くなるわけですから、国民の暮らしがますます厳しくなるという状況の中でですね、われわれも党内で、本当にこれまでの考え方でいいんだろうかということを今検討しているところでありますので、そういったことを考えなければいけないなということをですね、国民会議での議論を通して党内でも共有できたということは、意義があったんじゃないかなというふうに思っております。

熊谷裕人 税制調査会長
 実は、「所得に連動したきめ細かな給付」については、財源が示されておりません、規模も示されておりません。食品の消費税率を1%にして、残りの1%分の6,000億は簡易な給付で、ということであって、それを見ると財源規模は5兆円弱、その後の給付措置については財源示されてませんので、どれくらいの給付になるか分かりません。その5兆円弱の財源を考えたときにですね、本当に今ここで食品消費税率を下げることによって5兆円分の効果があるのかどうかというところが有識者の皆さんからも疑問が呈されたところでもありますし、それから、食品に関わる皆さんに、われわれ現場で色々話を聞かせていただいておりますけれど、コスト高で、やっぱりコストの吸収分というものが出てくるんじゃないかという現場の声も聞いてますので、実際は、7%減税してもそれだけ下がらないんではないかということをわれわれも認識をしておりますので、われわれが公約に掲げていた1年前と状況がまるっきり違う、更に悪化している状況であるということであれば、その財源を使って給付をした方が本当に困っている人のところに手が届くんではないかということで、われわれも散々悩んだ上で、公約については、ここは違うんではないかという判断をさせていただいたので、自民党の皆さんとは若干われわれは違う形で判断をさせていただいたということでございます。

徳永エリ 政務調査会長
 農家の皆さんとかね、あと外食産業の皆さんへの影響、この減収分をどう補填するのかということもですね、全く具体的に決まっていないし、これ別財源ですから、ここも全く分からないという状況ですし、それから今日も自治体の皆さんから要請をいただいたんですけれども、自治体への影響も大きいですよね。地方消費税で1兆円、そして地方交付税で0.6兆円から0.7兆円ぐらいの影響があるということで、ここもですね、どのように補填していくのか、代替財源を確保するのか、ここは全く分からないという状況ですから、とてもではありませんけれども、こういった状況の中でですね、食料品の消費税引き下げはやるべきだ、というふうには、中々言えないというのが現状ではないでしょうか。

記者
 党としては「給付付き税額控除」を目指すお立場の中で伺うのは恐縮なんですけれども、今回示されました新たな給付制度ですね、所得に連動した給付制度への評価を改めて伺いたいのと、特に、現状では、具体的な給付の額ですとか、対象の線引きは示されていませんが、これについてはどのような形で検討を進めていくべきだと、与野党参加でやっていくべきなのか、このあたり2点、お願い致します。

熊谷裕人 税制調査会長
 われわれは、政府というか議長試案が出されたときから、台形の形の、ざっくりとしたものについて、これが所得に連動した給付制度というふうに言われているものですけれど、われわれはここの一番左で、やっぱり所得の低い人、ない人たちのところに何も手当てがされないというところに、最初から問題点・課題点だと指摘をし続けてきて、ここを何とかと、ずっと何回も何回も、しつこいように、苦笑いされることもありましたけれど、ずっと言い続けてきましたけど、結局われわれの意見は反映されませんでした。
 立憲だけではなく、中道・公明の皆さんも同じ意見をずっと言っておりましたけど、この3党の意見というのは組み入れられなかったということが大変残念でありますし、これも、実は金額、どれくらいの予算規模になるのかというのは示されておりませんので、金額がどれくらい、定額部分でいくらぐらい給付をされ、逓増していく中でどこまで最高給付されるのか、それからこの閾値のところも全然示されていません。なので、この台形でかなり幅広く給付が受けられるような形にはなっていますが、そこそこ前提が色々書かれているのを入れていくとですね、本当に狭い、ちっちゃい給付ではないかというふうに懸念をしている部分もございますので、これについては、この図を本当に信用していいのか、閾値が本当に中所得の皆さんまで入っているのか、数値を入れていくと中所得の人まで入らない、300万以下ぐらいの人しか対象にされないものじゃないかっていうようなことも、懸念をしているところなので、なかなかこのことだけだと、予算規模、それから給付額、閾値が明らかにされていないと、なかなかわれわれも評価しにくいというのが本音のところです。

記者
 制度の詳細なところについては、与野党参加で議論を継続されるべきだとお考えでしょうか。

熊谷裕人 税制調査会長
 我々は、この給付だけじゃなくて、税額控除のところまで含めて、今日総理も継続して議論していくというふうに言っていましたので、税額控除のある「給付付き税額控除」制度が継続して議論がされるんであれば、この給付だけから、税額控除のものも合わせた形での議論には参加していくつもりでいます。これが最終形ではなくて、最終形を求めていきたいというふうに思っています。

徳永エリ 政務調査会長
 ご案内のように、立憲民主党としては、色々な提案今までしてきたわけですね。しかし、それが全く反映されていないという状況ですから、これからもしっかり反映されるようにね、議論が継続されれば、求めていきたいということです。

熊谷裕人 税制調査会長
 なので、この形は「給付付き税額控除」というふうに呼んでほしくないというふうに今日代表も言っておりますので、給付制度、何かしらの給付制度という形に呼び名を変えてもらわないと困るかなというふうに思っています。

記者
 少し大所高所的な議論で恐縮なんですけども、消費税についてお伺い致します。ご案内の通り、消費税は1989年、37年前に導入されてから、日本の基幹3税の1つとして重要な役割を果たしてまいりました。今回ですね、報道によりますと、37年間で初めて引き下げられるかもしれないという蓋然性が高くなってきておりますが、その中で、党としまして、この消費税というものの、日本全体の税制に対する意義について一言いただければ幸いです。

徳永エリ 政務調査会長
 社会保障費がどんどん膨らんでいく中でですね、その財源をしっかり確保していかなければいけないということで、税と社会保障の一体改革ということで、民主党時代からずっとわれわれは消費税が必要なんだってことを訴えてきたわけでありますけれども、この現下の物価高の状況においてですね、やっぱり国民生活、家計を少しでも楽にしたいという、支えたいという思いがあってですね、これやむを得ない状況なんだというふうに思うんですよね。
 とは言え、社会保障費も相変わらずどんどん膨らんでいっているわけですから、じゃあ今度そこの財源はどうするんだ、何かを削ってそこに充てるのかということにもなってくるわけでありますから、相当慎重にですね、この引き下げに関しては、議論する必要は今だからこそあるんじゃないかというふうに思っております。

熊谷裕人 税制調査会長
 われわれは、直間比率の見直しというところから、間接税を入れさせていただきました。直接税中心の税制であった時には、色々とクロヨンだとかトーゴーサンピンだとか、色々と税制の歪み、対象の人たちによって全然この所得の把握が違ったり納税額が違ったりというところの不公平感を是正をするために間接税を入れて、直間比率の見直しというところも鑑みて、この消費税というものが入ったというふうに思っていますので、これまで色々なことで所得税や法人税、色々な歪みが出ています。であれば、今、税の基幹的な税収になりましたこの間接税も含めてですね、税制全体をもう一度きっちりと公平・公正な、そして簡素なものにしていくことが必要だというふうにわれわれは思っておりますので、今回消費税の減税措置というものが取られた中で、また消費税が注目をされているわけですから、しっかりこの直間比率の見直しだったり、税制全体の歪みをしっかりと是正をしていくという観点から、総合的に議論していかなければいけないなというふうに思っています。
 また、総理がですね、税率を、なんていうんですかね、早くというか、簡単に上げ下げできるような制度も、なんていうことをおっしゃってるのが、ちょっと何を意味してるのかよく分からないので、消費税だけなのか、他のものも含めてなのか分かりませんが、先ほど言ったように、われわれは税と社会保障一体改革で、税というものは、消費税もですね、消費税法の中に社会保障費に充てるというふうに書いてありますから、これから増大していく社会保障費をどうやって税で賄っていくかというところの観点で、国民に公平・公正な税制を作っていきたいなというふうに思っています。

以 上


2026.07.29 国民会議終了後ぶら下がり(水岡代表中心).JPG