立憲民主党など野党は10月4日、旧統一教会問題に関する第15、16回目となる国対ヒアリングを実施しました。
■第15回国対ヒアリング
同日午前に行われた第15回国対ヒアリングでは、これまでの質問に省庁が回答するとともに、旧統一教会2世の被害者と全国霊感商法対策弁護士連絡会の弁護士からヒアリングを行いました。
旧統一教会2世の被害者の小川さゆりさん(仮名)は、自己紹介の後、統一教会に限らず宗教2世(現役信者、元信者等)を対象に献金被害を中心に実施したアンケートの結果を報告。その後、被害者を増やさないために超党派で対応してほしいこととして、(1)高額献金・霊感商法の規制(2)統一教会の解散(3)宗教的虐待からの子どもの救済(4)政治と宗教の関係の検討――について、これまでのヒアリングでも訴えてきましたがあらためて求めました。
全国霊感商法対策弁護士連絡会の阿部克臣弁護士は、ヒアリング中の法務省からの説明で、「現行法を最大限活用する」との回答に関連して、「統一教会被害に対して何が一番効果的かと言えば、解散請求」だと指摘。旧統一教会被害は現在も続いており、かなりの金額・件数があるとして、現在政府で実施している「旧統一教会」問題の合同電話相談窓口での結果も踏まえ、解散請求を求めました。
また、解散命令を出す前段階で使われることが想定される、1996年の宗教法人法改正で盛り込まれた「質問権」を行使していないことについて「理解できない」と述べました。
文部科学省は、質問権について「解散事由にあたる疑いがあるという場合に行使する」と説明。質問権行使を現時点で検討している状況ではないと述べました。
■第16回国対ヒアリング
同日午後に行われた旧統一教会の会見で、改革の追加方針について説明があり、それを受け第16回国対ヒアリングを開催しました。
旧統一教会2世の被害者の小川さゆりさん(仮名)と全国霊感商法対策弁護士連絡会の木村壮、阿部克臣両弁護士から教会の会見の感想をヒアリングした後、文部科学省からヒアリングを行いました。文科省は今回の追加方針について事前には聞いていないと発言しました。
山井和則衆院議員(党対策本部・副本部長)は、自民党も被害者救済に向け議論を始めたことを紹介した上で、今日の記者会見で統一教会が自分たちで被害者救済をする気がないことを明らかになった以上、与野党政府が協力してやっていかなければならないと語りました。
阿部弁護士は解散について、過去の判例がオウム真理教しかないことから「請求しなければ判例はできない」と訴えました。
木村弁護士は、改革について旧統一教会は2回会見を開いたものの、膨大な被害者がいることに触れていないと指摘。今後の議論や解散請求の是非を考える上でも、多くの被害者がいることを忘れないでいただきたいと述べました。
小川さんは、岸田総裁は所信表明演説で法令の見直しに言及したことなどを挙げ、政府の動きを応援したいと述べた上で、被害者を見捨てずに対策・対応をして欲しいと語りました。