内閣府の調査によると、老後に受け取るさまざまな公的年金・私的年金を合算した金額について、男性を100とした場合、女性の水準は52.6しかありません(※1)。高齢期の女性の相対的貧困率は、70~74歳で21.5%、75~79歳で26.0%、80歳以上で28.8%とのデータ(※2)もあり、高齢女性の4人に1人は貧困という厳しい状況が分かります。

 また、65歳以上の女性の一人暮らしは、1980年には11.2%(男性4.3%)でしたが、2020年には22.1%(15.0%)になり増加し続けています(※3)。女性単身世帯の経済状況は、すべての年代において、総世帯よりも金融資産残高が少なく(※1)、60歳以上では、総世帯の7割前後にとどまります。

 経済的に苦しい状況に置かれている高齢女性が安心して過ごせるように住まいを確保し、貧困が命に係わる危険な状態を招くことがないよう、生活保護がセーフティネットとしての本来の役割を果たすこと等が必要です。

◆立憲民主党の考え方
〇住まいの確保
・今後、単身高齢者世帯が増加していくことに鑑み、空き家等の活用を含めて検討し、要介護度にかかわらず、低所得の高齢者であれば入居できる支援付き住宅の整備を進めます。
・新たな家賃補助制度を創設します。
・生活困窮者等の空き家への入居およびその後の生活支援に取り組んでいるNPOに対して、財政的支援を行います。NPOとの協同により、空き物件のオーナーが抱える不安やリスクを解消し、従来、入居を断られてきた生活困窮者等の住まいの安心を確保します。
〇生活保護・生活困窮者支援
・生活保護受給資格の要件を分かりやすく提示し、要件を満たした場合は適切に受給資格を付与するとともに、受給資格があるにもかかわらず給付を受けない事態が放置されないように対応します。
・生活保護が適正に運用され実施されるよう、体制整備、行政処分のチェック機能の強化と人材育成、権利擁護を強化します。
・親族による扶養は生活保護の要件ではないこと、生活必需品である自家用車の保有を認めることなどを運用面で周知徹底します。
・福祉事務所の実施体制について抜本的な見直しを行い、総合相談体制の強化と正しく法の解釈と運用がなされる環境を確保します。
〇低年金者の生活底上げ
・当面、低所得の年金生活者向けの年金生活者支援給付金を手厚くします。さらに年金制度とは別に、簡易な資力調査を実施した上で低所得の高齢者に一定額を年金に上乗せして給付する制度を設けます。

◆相談窓口
お住まいの市区町村の社会福祉窓口
  地域窓口 (wam.go.jp)

社会福祉協議会
  都道府県・指定都市社会福祉協議会のホームページ

※1 高齢期の女性の経済状況について 令和4年4月 内閣府男女共同参画局

※2 内閣府「人生100年時代の結婚と家族に関する研究会第5回」

  「資料3:貧困率からみる女性の状況:1985‐2018(東京都立大学・阿部彩教授説明資料)」

※3 令和4年版高齢社会白書