参院災害対策及び東日本大震災復興特別委員会で5月29日、「防災庁設置法案」について熊谷裕人議員が質疑を行いました。熊谷議員は、(1)防災庁の役割(2)常設の緊急対策チームの創設(3)災害専門人材の育成(4)避難所の生活環境改善と要配慮者支援(5)防災道の駅の活用(6)防災研究機関と民間との共同研究――等について質問しました。
防災庁の役割
熊谷議員は、災害時では災害対応を担う基礎自治体の役割が重要であるとして「防災庁設置に関して海外防災機関の取り組みを参考に、NPO団体や民間企業との連携を図っていくことが重要」と指摘しました。牧野防災庁設置準備担当大臣は、防災庁は災害対応の司令塔として「地方自治体での平時からの事前防災の取り組みや発災時の迅速な対応から復旧復興への支援体制を強化するとともに、ふるさと防災職員やボランティアの被災地派遣といった災害対応を迅速に推進していく」と答弁しました。
常設の緊急対策チームの創設
平時からの被災者支援の体制整備が重要と指摘した上で、退職自衛官、退職消防士を活用した常設の緊急対策チームを創設し、ボランティア団体の登録制度も活用するなど「人員確保や予算支援を重点的に実施するべき」と問いました。牧野防災庁設置準備担当大臣は、平時から防災庁を中心に、自治体の災害対策本部と緊密に連携していくとともに、自治体とボランティア団体が、お互いに顔の見える関係を構築していくために、ボランティア団体の活動支援に関する補助制度や、災害救助法に基づく災害支援に関する補助制度を推進していくなど、効果的な官民連携体制を検討していくとの考えを示しました。
災害専門人材の育成
熊谷議員は災害専門の人材育成や防災士の活用により、地域防災計画のアドバイスや避難所の設置運営を主体的に実施できる人材を確保し、情報過疎となりやすい被災者に正確な情報提供を実施していくことが重要だと指摘しました。防災庁は、地域の災害対応力強化のため、自治体職員を対象とした防災研修を更に充実させ、防災大学校の設置を検討するなど防災人材の確保に努めていくとの方針を明らかにしました。また、発災時には被災地域で特別行政相談窓口を設置し、住民相談や生活再建支援を実施し、被災者に寄り添っていくと述べました。
避難所の生活環境改善と要配慮者支援
避難所における良好な生活環境の向上、障がい者や医療的ケア児に対する支援について防災庁の方針を問いました。防災庁では、自治体向けの避難所環境の指針や各種ガイドラインの周知、ホテル旅館を避難所としての活用、簡易トイレやキッチン資機材の備蓄を推進していくとの方針を明らかにしました。また、障がい者や医療的ケア児などの避難行動要支援者への支援として、個人情報の保護に配慮しつつ消防機関、警察、民生委員といった関係者間で情報共有を図ることが重要との認識を示しました。
防災道の駅の活用
全国79ある防災道の駅は災害対応の拠点や避難所として、防災機能の向上を推進するべきだと指摘しました。国土交通省は、建物の耐震化や通信、水の確保など防災機能を有する防災道の駅の追加選定を検討していくと述べました。
防災研究機関と民間との共同研究
防災研究機関や民間との共同研究やデータ共用について現状認識を問いました。内閣府としては、災害関連情報や防災技術が果たす役割は重要との認識を示した上で、内閣府防災においては、JAXAと連携した官民衛星の統合による被災状況の把握にかかる共同研究を推進していると述べました。
