立憲民主党の福山哲郎幹事長は26日、同日召集された臨時国会で菅義偉総理が初めて所信表明演説を行ったことを受け、国会内で記者団の取材に応じました。所信表明を聞いた所感を問われて、「まず元気がないことに驚いた。自らの言葉で語りかけることはまるでなく、誰かの政策集を読み上げているような所信表明だった。最初の所信表明なので、国民に自らのビジョンや夢を語りかけて欲しかったのだが、それも全くなかった。政策の寄せ集めをただ読み上げただけで、その先にどんな日本があるのか、どのような社会になるのか、全く分からなかった。私も20年以上国会にいるが、こんなに中身のない、そして何も感じられない所信表明は初めてだった。非常に残念に思う」とコメントしました。
記者からの主な質問とその回答(要旨)は以下のとおりです。
記者)日本学術会議問題に触れていなかったことについて。
福山)都合の悪いことは隠蔽する、言及しない安倍政権の非常に悪い点を引き継いでるのだろうと言わざるを得ない。
記者)2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすると表明したことについて。
福山)安倍政権が取り組まなかった気候変動対策にやっとやろうとしていることは評価をするが、具体性もなく、原発や石炭火力をどうするかについても何ら言及がなかった。所信表明では「取り組みます」「推進します」「適切に対応します」との言葉が並び、何らかの政策集を本当に読み上げてるような所信だったと思う。
記者)憲法改正に関する表現について。臨時国会の戦い方について。
福山)憲法については、安倍総理が言った表現を若干柔らかく言ってるだけで、何のために憲法改正したいのかも伝わらず、熱意を全く感じなかった。われわれは「いのち」と「くらし」を守る国会と位置付けて、現状のコロナの感染拡大防止、医療機関への支援、さらに言えば、経済、国民の生活が非常に傷んでいるので、これにどのようにしていくか、しっかりと菅総理に論戦に論戦を挑んでいきたい。内外ともに課題が山積をしている。それについても、われわれは枝野代表の代表質問をスタートにし、しっかり挑んでいきたい。
記者)沖縄の心に寄り添いながらという表現について。
福山)沖縄の民意はずっと辺野古反対で選挙も住民投票もメッセージを出し続けている。寄り添うなら、辺野古の基地の建設を一旦立ち止まって、止めると。そして沖縄の皆さんと話し合うと。これが寄り添うことだと考えているので、総理の言葉が寄り添うとは到底思えない。
記者)大阪都構想について。
福山)われわれはもともと反対だと言っている。大阪の平野代表代行、辻元副代表をはじめとする大阪の仲間の思いをしっかり受け止めたいと思う。(賛否が)拮抗しているからこそ、大阪の市民の皆さんには良識ある対応いただければと思う。