立憲民主党高知県連結成大会が31日、高知市内で開かれ、党本部から安住淳国会対策委員長が出席、「国会情勢について」と題して講演しました。

 安住国対委員長は、「私の夢は、2017年の総選挙終わった後は、できるだけ、一日も早く合流して政権にチャレンジをしたいということ」だと話し、衆院選挙における小選挙区制のもとでは1対1の構図を作る必要があり、野党の乱立は与党・自民、公明党を利するものだと指摘。「リベラル派と穏健な保守派は合流して1つのかたまりになり、いつでも政権を担えて、国民の皆さんが右手と左手をうまく使い分けるように、政党を選んでもらえるような緊張関係がないと政治は必ず腐敗するというのが信念だ。野党は、少々の違いや政策の1つや2つも乗り越えられなかったら、自民党のようなしたたかさを持たなかったら、国民の皆さんの期待に応えられるわけがない」「このまま自民党政権が続けば、過疎化が進んで人口が減少し、県庁所在地だけが一人勝ちをするようないびつな地方行政がもっと加速するのではないか。本当の地方の良さを大事にして、それぞれの多様性を尊重する社会をつくるのはわれわれ立憲民主党の仕事だと思っている」と力を込めました。

 その上で、日本学術会議の任命拒否問題に言及し、「お金の問題ではないからこそ重要だと思っている。戦後の民主主義のあり方、人々の暮らし方、考え方にまで及ぶからこそ、この問題は看過できない。政府の法律や考え方に反する学者を学術会議から排除したら、日本の学術会議、研究機関はこの先明るい展望を開けると思いますか。そんな度量の狭い、意に沿わない学者を排除するようなことをやらかしたら、日本の社会は相当危ない方にいくと思っている」と危機感を表明。任命拒否した経緯や理由などについて菅総理の説明が迷走していることも問題視し、「学の自由や独立性、違う意見を排除するような社会には絶対に与しない。この問題の奥底にある排除する考え、意に沿わない人間を締め出そうとする空気に対して野党やリベラル勢力は頑張らなければいけない。近く行われる選挙までに再任を認めないのであれば、徹底的に選挙争点にしようと思っている。そのくらいの覚悟で臨まなければならない問題だと思っている」と説きました。

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 最後に当たって安住国対委員長は、「私たちにもう一回チャンスをください」と訴え、かつて民主党政権が国民の期待に応えられなかったことへの反省の弁をあらためて述べる一方、アメリカのように、行き過ぎたリーダーが現れたら、何かおかしいことがあったら、いつでも政権を代えることができる政治を次の世代につないでいきたいと主張。「(それぞれの地域で暮らす)一軒一軒の皆さんがいろいろな思いで生きている。この人たちに『政権を預けるから頑張れよ』と言ってもらえる政党になる。息遣いをしている人たちの声を謙虚に聞いて、日々の暮らしのなかでわれわれの行動、発言が見られていると自覚をし、地域で愛される議員を少しずつ増やし、与党と堂々の横綱相撲を取れるためのチャンスをもう一度いただきたい。次の衆院選挙では、武内(則男)さん(1区)と広田(一)さん(2区)が野党の統一候補に上げてもらえるよう、愛される立憲民主党になるよう研さんを重ねていきたい」と述べました。

 県連代表に就任した武内則男衆院議員は、2017年の衆院総選挙後の3年間を振り返りながら今回の新党結成に当たり、「それぞれが難局を乗り越え、自民党に代わる政権を作るという思いで1つの党になることができた。心を一つに、地域で頑張るたくさんの仲間を増やしていきながら次の闘いに備えていきたい。今日を契機に、未来へ向けて新立憲民主党として頑張っていく」と力強く宣言。

 締めのあいさつに立った広田一衆院議員は、「高知は自由民権運動発祥の地。宿毛市(土佐国宿毛)出身の小野梓先生は、安住議員と私の母校『早稲田大学建学の母』と言われ、学問の独立をかなえた方。日本学術会議の話を知ったら『立憲民主党、しっかり頑張れ』と背中を押してくれると確信している」と述べ、1882年の(小野梓氏が創立に参加した)立憲改進党の結成から138年の時を経て、立憲民主党として高知の地で「立憲」を掲げる意義を強調。「次の総選挙では政権交代目指して立ち上がっていこう」と呼びかけました。

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写真左から、長尾和明高知市議、武内則男衆院議員、広田一衆院議員