福山幹事長記者会見

2020年11月10日(火)16時15分~17時09分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/culfC73xxDs


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○新ポスターを発表

【幹事長】
 お疲れさまでございます。常幹報告等を後にさせていただきまして、昨日の役員会、きょうの常任幹事会で承認をされました、立憲民主党の新しいポスターの発表をさせていただきたいと思います。発表のほうは、蓮舫代表代行から発表をお願いし皆さんにはお披露目をさせていただきたいと思いますし、このことにかかわられました大串役員室長にも同席をきょうはいただいております。では、まずポスター発表からさせていただきます。蓮舫代行、お願いします。

【蓮舫国民運動・広報本部長】
 お疲れさまでございます。広報本部長として立憲民主党のポスターをご案内させていただこうと思います。
 まず、こだわったのは、立憲民主党は何をする政党かというのを一言で届くメッセージ。それと枝野代表と、立憲ブルーという私たちの政党色を前面に出したものをつくらせていただきました。2種類提示させていただきますが、立憲民主党のロゴが二つ種類がありますので、ロゴが違うだけで、それ以外のポスターのデザイン、文言等は同じです。では、まずごらんいただければ。

〔 新ポスター披露 〕

【蓮舫国民運動・広報本部長】
 キャッチコピーは「あなたのための政治」です。「国民のために」と一くくりにするのではなくて、性別や年齢を超えた多様性のあるお一人お一人に届く「あなたのための政治」、それが立憲民主党です。
 そして、通常のポスターの概念を大幅に超えまして、通常は1枚、代表とコピーと党名があるものだけなのですが、私たちから国民の全ての皆様方お一人お一人に届く思いというのをメッセージという形でもう1枚、並べる形でつくらせていただきました。スペースによっては1枚だけしか張れないところもございますが、広い場所がとれるところにはこの2枚を合わせて「あなたのための政治」を張らせていただければと思っております。  グラデーションは多様性を意味しています。そして深み。全ての皆さんの思いをしっかり受けとめて、そして一人ひとりにお返ししていく、答えていく。そういう政治を私たちは立憲民主党として行っていくという思いを込めています。

【大串国民運動・広報本部事務局長】
 このポスターですが、右側に私たちの思い、言葉を書いております。これは先ほど蓮舫さんからもお話がありましたように、「国民の皆さん」というふうにかなり一人ひとりの個性をなくすようなイメージの言葉ではなく、お一人お一人の「あなた」、皆さんに届けという思いで、一つ一つのメッセージを書かせていただいております。一人ひとりの多様性、個性のある皆さんに届く政治をつくるという思いですので、どうか皆さんにも鑑賞していただけたらと思います。よろしくお願いします。

【司会(事務局)】
 では質疑に入らせていただきます。社名とお名前を名乗って1問1答形式でお願いします。

【共同通信・小野塚記者】
 1点確認だが、このポスターをこの時期に発表する理由というのは、次期衆院選を見据えてこのポスターをつくられたということでよろしいか。

【蓮舫国民運動・広報本部長】
 物理的に作業に時間を要したということもあるのですが、やはり「国民のために働く」菅総理のポスターも踏まえながら、そして国会も始まりましたので自由民主党との違いというのを浮き彫りにする形の意味も込めて、結果としてこの時期になりました。ただ、総選挙は1年以内に必ずありますから、そこはもう常在戦場で、そのときにはもっとその時々の政治課題、国民の皆様方の一人ひとりのご関心のあるテーマがあればリニューアル、アップグレードすることも考えています。

【フリーランス・堀田記者】
 「あなたのため」の「あなた」というのはたぶん日本国民を指しているのでしょうけれども、その「あなた」のシェアを見ると圧倒的に自民党の支持率が多いが、「あなたのため」の「あなた」というのは何千万人ぐらいいるのでしょうか。

【蓮舫国民運動・広報本部長】
 全ての国民です。それと、この国で暮らす国籍を問わず全ての方々、住人です。自民党支持の方でも、公明党支持の方でも、ほかの政党支持の方でも、私たちが届ける「あなたのための政治」は変わりません。

【司会(事務局)】
 ほかいかがですか。よろしいでしょうか。ではポスター会見はここで一旦閉めさせていただきます。
 それでは引き続き幹事長会見で進めたいと思います。

【幹事長】
 ご苦労さまでございます。今、ポスターの発表をさせていただきました。「あなたの力が必要です」と本会議場で何度も言われた、立憲民主党結党以来の枝野代表の言葉を受けて、我々は「あなたのための政治」をするという決意を改めて皆さんにお知らせをしたいという思いでつくらせていただきました。
 年末に入りまして、やはり結党して2カ月たちますので、全国からも新しいポスター、新党としてのイメージで欲しいという声もありましたし、先ほどお話がありましたように衆議院選挙が1年以内ということも踏まえ、年末年始にかけて一斉にこのポスターを全国に張りめぐらせると。総支部長が200人近くになっているわけですから、全国にこのポスターを張ることで立憲民主党のメッセージを、右側にあります思いも含めてお伝えをさせていただきたいと考えているところでございます。ぜひ自民党のポスターと比較をして報道していただければと思います。

○第7回常任幹事会を開催

【幹事長】
 常任幹事会でございますが、お手元の資料のとおりでございますが、代表の挨拶は皆さんご案内のとおりです。
 私からは、先般の常幹のときにもご報告をしました規約・規則に関する検討委員会の設置報告をさせていただきました。メンバーは私に一任をいただいておりましたが、平野代表代行、大島組織委員長、私、加えて組織委員会から落合・勝部両議員、つながる本部から逢坂事務総長、パートナーズの局長をずっと旧立憲でやっていただいた堀越議員、それぞれの代表選管の経験者であります難波議員・田名部議員にメンバーとしてお入りいただいて、先週の金曜日から1回目の検討委員会をもうスタートさせているところでございます。内容についてはもう皆さんご案内のとおりで、(規約)附則の2条・3条・4条にあります、構成員、いわゆる党員・サポーター・パートナーズのあり方についての検討、総支部・都道府県連、行政区支部も含めての体制の問題、そしてそれが揃った段階での代表選挙規則について、幅広く議論を進めていきたいと思っておりまして、ほぼ1週間に一遍、精力的に検討していく予定でございます。
 2点目、役員人事ですが、ちょっとこれ抜けているので追加をいただければと思いますが、政調会の副会長に、大河原雅子ジェンダー平等推進本部長が副会長としてジェンダー本部から行っていただくと。ジェンダー平等推進本部と政調のジェンダー関係の政策は切っても切れませんので、そのことについて大河原副会長として入っていただく。それから、つながる本部でございますが、本部長は代表ですが、代行が辻元さん、副本部長に田名部さんと私、事務総長代行に大西健介さんに入っていただくということで、補充人事という形できょう確認をさせていただきました。
 それから、詳細は申し上げませんが、地方自治体議員選挙における新しい党としての公認料や推薦料についてもきょう確認をさせていただきました。詳細は申し上げません。
 それから、私からですが、先週の木曜日に開催をいたしました、いわゆる新宿東南口の「大作戦」の報告をさせていただきました。多くの皆さんにお集まりをいただいて、予算委員会等でご活躍をいただいている先生方にそれぞれマイクを握っていただき、もちろん代表にも握っていただいたということで、多くの皆さんにご参集いただいたことの報告をさせていただきました。
 それから、私からでございますが、11月14日に社民党の党大会がございます。その党大会に向けて断続的に吉田幹事長と私は意見交換等をさせていただいておりますので、11月14日、もう目の前に来ているものですから、現状の社民党からいただいている報告も含めて私から常幹の皆さんに報告をさせていただきました。
 国対委員長からは、集中審議を求めていたところ、きょう月内開催について、ほぼ自民党との国対委員長同士、自民党との与野国で合意になったということで、そこは評価するというお話がありました。また、コロナの問題について、非常に北海道を中心に感染が広がっておりまして、このことについて国会で十分に議論する必要があるということも含めて、国対委員長からは今後与野党でしっかりやっていきたいというお話がありました。
 政調会長はきょうご欠席でしたが、川内代行から与野党連絡協議会の報告、先ほど申し上げた大河原副会長の就任のご報告、それから基本政策について自治体議員とZoom会議をして意見交換をし、また、両院議員も含めて今後党内での議論を深めていきたいという日程等々についてのお話、報告がありました。
 選対委員長からは、自治体議員の公認候補者の公認もしくは推薦候補者の報告がありまして、前橋市、戸田市、鹿児島市のそれぞれの市議会議員についての公認、それから首長選挙の推薦について報告がありまして、了としていただきました。
 組織委員長からは、衆議院総支部の設置について、茨城3区・梶岡さん、東京11区・阿久津さん、岡山3区・森本さん、それぞれ調整区だったところでございますが、総支部の設置が決まりました。
 それから、衆議院小選挙区の総支部長の選任でございます。これは新人の選任でございますが、福島5区・鳥居作弥さん、新人。岡山1区・原田謙介さん、新人。原田さんは昨年の参議院選挙に岡山全県区で立候補した原田さんですが、2人の総支部長の選任を決めまして、これで193人になったと理解しております。
 それから、来年の東京都議会議員選挙について、1次公認という位置づけですが、10名公認を決めさせていただきました。
 その他のところでは、先ほどご報告ありました、蓮舫代行からポスターについての報告がありまして、常任幹事会としても了承をしていただいたところでございます。

○国会論戦 学術会議任命拒否問題について

【幹事長】
 私からは、きょう集中審議が衆参ともで今月内に開催が決まったことについては安住国対委員長を初め国対の皆さんのご尽力に敬意を表したいと思います。集中審議はまさに(新型)コロナが感染拡大している中で必須のことだと思いますし、私は拒否する理由は与党にはないと思っておりましたので、集中審議の開会が決まったことについては評価したいと思います。
 ただ、総理の答弁にありました、学術会議(会員)の選定に当たって強い関与が考えられる杉田官房副長官の国会の参考人招致についてはいまだに与党はゼロ回答でありまして、このことについては極めて遺憾であります。
 総理の答弁は、答弁に立つたびに矛盾に満ちておりますし、偏りとか多様性という当初の話から事前調整という話に変化がありました。この事前調整という話については大西元学術会議会長が明確にそんなものはなかったと否定をされていて、総理の国会での答弁の信憑性が疑われる状況になっています。非常に問題だと思います。
 その場限りの答弁では済まされない状況まで来ました。いつも申し上げているように、この問題については再度学術会議から6名の方の推薦を上げていただいて、総理は任命をすると、非を認めることが常道だと私は思います。その後、学術会議のあり方等について改めて議論するならば、それは私どもは政治が介入したり政治が価値判断したりすること自身について抵抗感はありますが、全てにおいてはまず学術会議に推薦をしていただいて総理が6名を任命するというところからしかこの問題について決着はつかないのではないかと思っております。ただ、その前提として総理がそのことを拒否されるならば、杉田官房副長官の国会招致は必須の問題だと思っておりますので、強く求めていきたいと思います。

○国会論戦 緊急経済対策について

【幹事長】
 それから、本日補正予算の指示が出たということでございます。補正予算について我々も殊更に否定をするわけではありません。日本の今置かれている経済状況からいって補正予算の必要性については、内容を吟味しながら検討していくことは当然のことだと思っております。
 しかし、補正予算の3本柱と言われている感染症の拡大防止策は結構でございますが、ポストコロナ経済構造の転換とか好循環の実現とか、防災・減災、国土強靱化の推進等々について言えば、少し時間軸がずれているのではないかと言わざるを得ません。
 今、足元の感染拡大と、それから足元の経済状況。生活に非常に困っている方々、働きたくても働けない方、商売したくても商売ができない方、商売はするけれども密防止のために商売をすればするほど赤字が拡大する、けれどもしょうがないと、キャッシュフローが必要だということで商売をされている方、たくさんいらっしゃると思います。観光や公共交通などは本当に厳しい状況になっている。この足元の状況について、補正予算は来年のおそらく2月以降の執行になりますので、足元の問題に対するメッセージが予備費も7兆円余っているにもかかわらず全く出てこないことについては非常に遺憾に思いますし、本当に足元の国民の厳しさ、それぞれの商売をされている方々の厳しさについて、官邸なり総理なりに届いているのかということを若干疑わしく思わざるを得ない状況だと思っております。
 ご案内のように、代表も私も予算委員会で強く申し上げてきた、12月に切れる雇用調整助成金の延長についてもまだ政府からは何のコメントもありません。それから、ご案内のように、緊急小口資金の特例貸付について言えば、これも12月末までになっておりまして、この12月末に切れたときに、本当に厳しい状況で生活している方々に対しては、次の手当についてはこれも何も言及がありません。さらに申し上げると、住宅確保給付金も期限は9カ月でございます。これも年末から年始にかけて切れる可能性のある方々がたくさんいます。住宅の確保や緊急小口資金や雇調は、実はぎりぎりの生活をしている国民にとっては本当に最後のセーフティーネット、ぎりぎりのセーフティーネットと言えるものだと思います。このセーフティーネットに年末から年始にかけて大きな穴があいた場合に、補正予算では間に合いません。なぜ7兆円の予備費を早急に活用してこういった手当をしないのか。年末年始に対しての国民生活の状況をどのように認識しているのか。このことについて全く総理からメッセージが出ていないことについて非常に遺憾に思います。
 中小企業も大企業も含めて雇調の延長について求めていますので、このことについては、補正の是非は私は今のところ否定はしません、補正を検討するのはいいとは思いますが、今の状況では少し時間軸がずれているのではないかと言わざるを得ません。

○新型コロナ 感染再拡大について

【幹事長】
 それから、コロナの北海道を初めとした急速な感染拡大については大変危機感を持っております。先週末の状況でのコロナのステージについては、まだステージ3に至る都道府県はないと理解をしておりますが、今週いっぱいの数字を考えたときに、おそらく13日に厚労省から出ると思いますが、ステージ3になる都道府県があらわれる可能性があると考えます。そのときには、分科会の提言にあるように、ステージ3の場合には「Go To トラベル」の除外も含めての検討が必要になってくると思いますので、経済とコロナ感染拡大防止の両立は非常に難しい問題だと思いますが、分科会の提言にあるようなステージ3の場合の「Go To トラベル」の活用については、13日の厚労省の数字を見た上で我々も判断をしていきたいと思いますので、政府においてもこのことについて科学的な状況を踏まえた上での判断を強く求めていきたいと考えております。
 余談ですが、きょう実は世界の感染症と向き合ってきているグローバルファンドの医師であります國井修さんのご講演を、私、グローバルファンドとご縁があるもので聞いてまいりました。今、ご案内のようにフランスを初めヨーロッパでは感染が急速に広がっています。きのうも私、ポーランドの退任をされてこられた大使と話をしたのですが、ポーランドでも1日の感染者の数が2万人です。その2万人を超えている感染者の数がもう10日以上続いているというような状況で、フランス等については皆さんご案内のとおりだと思います。ヨーロッパの感染拡大のこのスピードは非常に早いのですが、國井先生に私、なぜこんなにヨーロッパで拡大しているのかと、寒さが原因なのかと聞いたら、寒さは一因だとおっしゃっていました。だから北海道の一定の、そのことについても國井先生の言葉をかりれば寒さも一因だと思うと言われました。しかしながら、やはり大きいのは人の移動だということでした。ヨーロッパはやはり移動制限の中での国民のフラストレーションがたまっていて、移動解除のときにヨーロッパ中での移動が非常に盛んになったと。そのことがやはりこの急拡大につながっているというふうに考えざるを得ないという話になりました。
 移動はなかなか制限するのは国民にとって厳しいし経済にとって厳しいと思いますが、どの程度の移動で感染拡大とバランスをとっていくかというのは非常に難しいと思います。きのうの分科会の提言を踏まえても、なかなか判断は厳しいと考えますが、少なくとも感染が急拡大しているような都道府県において、分科会の提言に沿って政府としても検討いただきたいと、そのように考えております。


■質疑

○街頭演説会「新立憲大作戦」について(1)

【フリーランス・堀田記者】
 (先週)木曜日17時半から、立憲の聖地ともいえる新宿東南口で街宣活動があった。一体全体どういう人を呼んだのか、何の目的でやったのか。つまり、1年後に行われる選挙があるわけだが、そこに選挙区である海江田さんはいない、東京都連からは長妻さんも来ていない、手塚さんも来ていない。しかも集まった人数ははっきり言って100人ぐらいだ、私は何回も数えたが。2017年の選挙のときの枝野さんと小林よしのりさんが集めた数の20分の1ぐらいか、少なかったが、これを主催者発表で500人とやった。この間違いはどのように説明していただけるか。

【幹事長】
 手塚さん、長妻さんは都連会長ですから声をかけましたが、予定があったということでございます。
 政党が街宣活動することは国民の皆さんとのコミュニケーションなので、いちいち目的等々について説明する必要はないと思います。ごくごく当たり前の活動だと思いますし、立憲民主党ができて最初の街宣を本会議の代表質問、それから予算委員会がほぼ一巡、我が党のメンバーが質問し終わった後に、そのことの報告も含めて街宣活動するというのは当たり前のことだと思っております。今さら説明する必要はないと思います。
 また、100人とおっしゃいますが、私も現場にいました。上にいる方々、それから途中でたまっている方々、一部お話を聞いていらっしゃる方々も含めて、100人ということはなかったと僕は思いますので、それは堀田さんのご判断だと思いますが、私は300人から500人の方が入れかわり立ちかわりいらっしゃったと思います。
 どことの比較で言われるかというのは、選挙のときとはまた平時ですから異なりますので、私は全国いろいろ回っていますし、蓮舫さんや代表が回られている中で一定の有権者の皆さんにお集まりをいただいていると思いますし、私自身は有権者から温かい声をいただいて激励をいただいていると思っていますが、選挙がどんどん近くなるにつれて多くの有権者にさらにお集まりをいただけるように頑張っていきたいと思いますし、「大作戦」は変わらず節目節目でやっていきたいと考えております。

【フリーランス・堀田記者】
 海江田さんは何で来なかったのか。選挙区なのに。

【幹事長】
 海江田さんは海江田さんで選挙区での活動をされていると思いますので、この間は基本的には本会議や予算委員会で立っていただいた方に声をかけました。

○野党合同ヒアリングについて

【朝日新聞・小泉記者】
 野党ヒアリングについて、自民党などから官僚への負担が大きいなどの批判がある。この批判についてどのように受けとめていらっしゃるかと、改めて野党ヒアリングの意義についてどのようにお考えか伺いたい。

【幹事長】
 野党ヒアリングをやられないというのだったら、国会を、予算委員会を、集中審議をもっとやればそれで終わりです。菅総理自身が内閣をつくってから40日も国会を開かないわけですから、課題が出てきて問題が出てくれば、野党としては国政の問題についてチェックする機能があるわけですから、役所を通じて政府に対して監視をしていくのは当然のことだと思います。それならば集中審議をどんどん毎週でも入れていただければいいわけで、官僚に対して負担だというならば大臣が出てきて答弁をしていただければいい。もしくは、もっと言えば、不審に思われるような案件について、野党から追及されるような案件について政府が出さなければもっといいわけですが、そういう問題が出てきたときに国会を開かない。集中審議は、そうは言ってもやっと了解したところですから、毎週でもやればこういった官僚の皆さんにご負担をかけるようなことは少なくて済むので、それは全て政府・与党の責任だと思います。
 また、野党合同ヒアリングの中で新しく明らかになった事実というのは、森友・加計学園の問題だけではなく、例えば例の民間(英語試験)、大学入試のやめることや、それこそひとり親世帯への給付の問題や、コロナのときには補正予算で組まれたメニューの具体的な課題について野党ヒアリングで問題点として出てきた。国民の皆さんがいろいろなことを言ってきたことについて実現をしていることが多々ありますし、新しく出てきた新事実もあの場でいっぱい出てきているので、それは十分評価に値すると私は考えています。

○衆院選 候補者擁立・調整について(1)

【「フランス10」・及川記者】
 11月4日、山本太郎代表が福山さんの地盤でもある京都駅前で街頭記者会見をして、そこで前原誠司さんのことを菅義偉首相や日本維新の会と同じ方向性の人だと批判し、対立候補を擁立すると述べ、対立候補の中さんを紹介した。これについて京都選出である福山幹事長はどう思うのかが一点。
 もう一点が、候補者一本化調整のことだが、共産党との間で枝野さんはずっと50から100と言っているが、政権交代するにはもう少し必要ではないかと思うが、50から100以上の選挙区で候補者調整するお考えはあるのかどうか伺いたい。

【幹事長】
 1点目は、れいわさんが候補者擁立について、ほかの選挙区でもいろいろ擁立をされています。政党の候補者の擁立について私が今ここで何らかの形でコメントするのはあまり適切ではないと考えます。
 それから、代表が50名から100名の候補者調整と言われているのは一つのめどの数字だと理解をしております。これは共産党も含めて相手があることですから、そのことのめどを持って、その後、候補者の調整の状況具合によって、それぞれの政党との協議の状況によって、たぶんまだ状況は変化すると思いますので、あまりかちっと決まったというより、そういうめどで候補者調整について代表の頭の中にあるということだと私は認識をしております。

○新型コロナ 感染再拡大について

【北海道新聞・文記者】
 冒頭もご発言あったが、北海道が今、新型コロナの感染者が急増し、本日も160人以上になる見込みだ。加藤官房長官は午前の会見で「Go To トラベル」の対象から除外を検討する状況にはないと発言しており、経済活動の維持と感染拡大防止の両立を図るというのはわかるが少し経済に偏り過ぎていないかという批判もあるかと思うが、幹事長のお考えをお聞きしたい。

【幹事長】
 先ほど申し上げたとおりです。「Go To トラベル」から除外する状況にはないと官房長官が言われたのは、どの時点の数字的なものを言われているのか。先ほど申し上げたように、分科会が提言をしているところによると、ステージ3になれば除外の検討をするべきだと書いてあります。ですから、私はあえて先ほど少し慎重に申し上げたのは、先週の11月3日までの数字だと確かにステージ3ではぎりぎりないのですね。しかし今週の感染者の拡大をもって今週の金曜日に厚労省が発表するときにステージ3に北海道が行く可能性もあり得ると私は思っていて、そういった状況を踏まえた上で、科学的に分科会の提言を踏まえて政府はそのことについても視野に入れて検討するべきではないかということを申し上げました。
 今回、きょう官房長官の会見を私も拝見していましたが、全くそういう状況ではないみたいにはっきりと否定をしているのですが、どの時点の話、今の状況でというのはどういうことで、なぜなのか。それから、この分科会の提言をどう踏まえているのかについてはちょっと状況がわからないご発言だったので、あえて私はそのように申し上げたということです。
 やはり数字を見て判断をしなければいけないと思いますし、経済と感染拡大防止の両立は本当に難しい判断だと思うので、しかし、あえて分科会の提言については、そろそろ北海道はそのステージ3に入っていくのではないかという危惧を持っているということで申し上げました。

○世論調査の結果について

【毎日新聞・宮原記者】
 弊社の世論調査について、予算委員会が終わった後の7日の調査だったが、菅内閣の支持率が、前回9月17日の言ってしまえば党首選が行われた後で結構支持率が高かった状態で64%だったのが、先日7日では57%に支持率下がったが、一方で7%(ポイント)しか下がっていないのかというような見方もあり、他社の世論調査だと支持率が上がっているところもある。学術会議の任命拒否の問題については、弊社の世論調査だと「問題だと思う」が37%、「思わない」が44%と、問題としての広がりを少し欠いているのではないかというような結果も出ている。今回の予算委員会の追及を踏まえて、この結果をどのように受けとめていらっしゃるか。

【幹事長】
 毎日新聞さんの世論調査に限らずですが、他社も含めて、例えば他社の場合は学術会議(問題)の説明が足りないという方々が例えば5割とか6割のところがあって、今の毎日さんとは真逆の数字が出ていて、一方でそういうところでも支持率はあまり下がっていなくて、毎日さんは今おっしゃったように2回の調査でおそらく10ポイント以上下がっていると思います、前回と今回を合わせると。つまり、それぞれの調査は非常にまちまちの状況になっています。ですから、これと特定して何らかのコメントをすることが適切だとは私は思いません。
 一方で、少し残念だったのは、大統領選挙もあった関係もあるのですが、ニュースの野党側の予算委員会や本会議の報道はほとんど学術会議の問題に終始したと思います。それはそれで大切な問題だと我々は思っていますが、一方で我々、コロナの状況について、感染拡大防止について、先ほど申し上げたような雇調の給付やいろいろな課題についても申し上げていますし、外交課題についても申し上げています。そういったことについてはほとんど報道されなかったので、そこについては非常に残念に思っております。
 このまちまちの世論調査の結果も、いろいろな報道の仕方、有権者のコロナに対する受けとめ方、それから経済に対する受けとめ方等々も含めて、非常に国民の中でもいろいろな考えが今ある。菅内閣への評価はいろいろあると言わざるを得ないと思いますし、街頭等の私の感じで言えば、6割あるような支持率の雰囲気は私自身は感じませんが、私自身は今の段階のそれぞれの社の世論調査に個別に何かコメント差し上げることが適切な答えになるとは思いません。

○社民党との協議について

【西日本新聞・川口記者】
 きょうの常任幹事会でも11月14日の社民党の党大会に向けた報告があったということだが、改めて社民党の合流について、全面合流ではなく部分的な合流となることで、どんな変化、違いが生じると感じていらっしゃるか。例えばできるだけ多くの社民党の方に合流してほしいなど、どのようにこれから進んでほしいと考えていらっしゃるか。政党と政党の合流ではなくなったということで、今後のスケジュール、例えばどんな手続で一部合流という手続が進んでいくか伺いたい。

【幹事長】  大変本質的な質問をいただいているので、実はお答えしたいのはやまやまなのですが、今、14日の党大会に向けて社民党さんの内部で、今おっしゃった社民党を残すことと一部合流することを円満にやりましょうという議案がかかっているところです。その時点で立憲民主党の「一緒にやりましょう」と呼びかけをした当の幹事長が何らか今の状況についてコメントして、それが党大会に影響を及ぼすのはあまりいいことではないと僕は思っています。
 それぞれのお立場で、社民党の中でこの党大会に向けて大変なご尽力をいただいていることは間違いないと思いますし、立憲民主党と合流したいと思っておられる方がいらっしゃることも間違いないので、そういう方々とはやはりうまくスムーズに合流できるような環境をつくることが私の今の役割だと思っているので、今のところは14日の大会の推移を見守った上で次の実務的な問題については吉田幹事長を中心に協議を進めたいと思っているというのが今の段階での私の言える範囲だと思います。

【西日本新聞・川口記者】
 社民党が立憲民主党に一部でも入ることの意義というか、どんな力になると見ていらっしゃるか。

【幹事長】
 それは決まってから申し上げたいと思いますし、そもそも意義があると思うから「一緒に戦おう」と枝野代表が呼びかけられましたので、意義がないと思わなかったらそんな呼びかけはしませんので、ですから私は14日が終わればその状況に応じてしっかりコメントしたいと思います。

○「新ポスター」「街頭演説(2)」について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 ポスターについて伺いたい。国会議員150人になり、職員が80人いると、1人100枚ずつ張れば2万5000枚、200枚張れば5万枚とか、全国津々浦々青いブルーウェーブみたいなことを考えておられると思うが、どれぐらい張るつもりなのか。それから、先ほどの「大作戦」、確かにこのごろ人が集まらない。「大作戦」というのは枝野さんが行かれるやつを「大作戦」とどうも参議院のときから言っておられたと思うが、ちょっとその定義がわからないが、「大作戦」を年内に何回ぐらいやろうと思っているか。つまり、コロナ禍でわからないが、来年初めの冒頭解散ということが言われているわけで、そのタイミングでどういうふうに具体的に「大作戦」とポスター張りをやっていこうと思うのか。
 それから、その二つはセットだと思うが、たぶん枝野さんのほうはたくさん張るだろうけれども、右側のはそんなにたくさん張るところがあるかどうかわからないが、その右側のやつも結構町に張ろうとお考えかどうか伺いたい。

【幹事長】
 ポスターについてまずお答えしますと、これ2枚セットですが、当然ですが、ご理解いただいていると思いますが、これ(代表写真入りのもの)だけで張れることになっています。ですから、掲示板が縦1枚のところはこの1枚を張れますが、2枚何とか張れるような場所は、例えば県連の事務所とかそれぞれの総支部長の事務所とか、そういうところは2枚をセットで張って、メッセージ性と代表の姿も含めて対応したいと考えております。ただし、場所によってはこれ1枚だけで張るところでも成立するようなポスターになっているので、非常に新しい基軸のポスターのデザインになっていると思います。
 ですから、宮嶋さんが言われたように、立憲ブルーで何とか日本全国張りめぐらしたいと考えておりますので、代表もやはり演説しているときの表情が一番力強いと我々は思っていますので、その表情の写真を使わせていただきました。右側のメッセージは立憲からのメッセージですから、これをどう活用するかはそれぞれの地域、それぞれの総支部長の判断ですが、1総支部それこそ100枚、200枚のレベルで張るような状況をつくっていきたいと思います。今のところ何枚張るかという目標というかイメージはまだ持っていませんが、今言われたように1総支部200枚、100枚、張っていくような展開をしていきたいと考えております。
 「大作戦」は節目節目でやっていきたいと考えておりますし、実はコロナの状況で、2月16日にフェスをやって、実はその後一切街頭できませんでした。なおかつ、その後にその状況で新しい党を立ち上げたので、そういった点で言うと、本当に10カ月以上「大作戦」ができない、街頭運動ができない状況の中での、この間、久々の新党になっての「大作戦」でした。節目節目にやることで多くの皆さんに集まっていただけるような気運をつくっていくことは重要ですし、さはさりながら、今回もコロナでの感染拡大をどう防止するかということも含めて「大作戦」をやるのにも相当気を使いましたので、そこも含めて、選挙が年明けということになれば当然回数はふやしていかなければいけないと考えておりますし、先ほど申し上げたように役員の全国遊説も、今、徐々に徐々にですが始まっておりますので、そういう形で気運を盛り上げていきたいと考えております。

○憲法審査会について

【時事通信・大津記者】
 憲法の関係でお尋ねしたい。きょう憲法審査会の野党の幹事懇も開かれたが、改めて立憲民主党として今国会での憲法審査会の臨み方と国民投票法案の扱いについてお考えを伺いたい。

【幹事長】
 これは今、安住国対委員長に一定の対応をお任せしていますので、きょうも役員何人かで安住さんとも話をしまして、まずは安住国対委員長の判断で、まず国対の推移を、国対の状況を見ながらご判断いただくと。随時我々とも協議しながら進めていくということになっているので、今、僕からこういう形でやりたいということを申し上げるというか、今はもう国対委員長に任せています。

○衆院選 候補者擁立・調整について(2)

【京都新聞・国貞記者】
 また京都の話で恐縮だが、先週、共産党の京都府委員会が次期衆院選に向けた候補者調整等々に向けて立憲の府連に協議申し入れをした。幹事長はそれについてどう受けとめているのかということが一点。泉政調会長が府連会長だが、泉さんは早々に、協議に現時点では応じられないというようなことをおっしゃっているが、あくまでも現時点ではという理解でよろしいか。

【幹事長】
 現時点ではとおっしゃいましたか。京都ではとおっしゃったのではないですか。

【京都新聞・国貞記者】
 おそらく会見の中で現時点でという言葉をお使いになったのだと思うが、我々の記事ではそういうふうに書いています。

【幹事長】
 事の経緯も含めて、泉政調会長が京都府連の会長として一昨日ぶら下がりの会見をした以上でも以下でもありません。私もその府連の拡大常幹に出ておりましたので、そのことを踏まえて泉政調会長というか府連会長がお話をされたので、それ以上でもそれ以下でもない。私が何か発言するというか、泉さんのおっしゃったとおりです。

【京都新聞・国貞記者】
 一方で、泉さんは党の政調会長で、福山さんは幹事長をやられていて、こちらのほうで一定の野党共闘という形で自公政権を打破するためにというふうに今おっしゃっている。一般の政治にそれほど関心のない方からすると、要するに立憲がどちらを向いているんだと、わかりにくい方もいらっしゃるかと思うが、そういう部分に関して幹事長はどういうふうに説明をされるか。

【幹事長】
 国会での野党共闘、共産党も含めての国会での戦いは、誰が見ても菅内閣に向かって対峙しているということは全く揺るぎないものだと思います。
 私は京都では20年以上、自民党とも対決をしてきましたし、共産党とも戦ってまいりましたので、それは状況によっては両方とも戦う場合も選挙ですからあり得ると思います。去年、我々は参議院選挙で大変な厳しい戦いをして、京都では共産党にわずか1万票差で負けるという状況になりました。これは共産党と戦っているわけです。ですから、そう簡単に京都では我々の支援者がそのことについて理解いただけるとは思えないので、これは泉府連会長も言われたとおりですので、まさに泉会長が一昨日コメントされたとおりのことだと思います。

○首相訪米日程について

【共同通信・小野塚記者】
 首相の訪米日程と解散戦略について伺いたい。アメリカ大統領選はバイデン氏が当選確実となった。来年の1月とか2月に首相が訪米するのではないかということも取り沙汰されていて、解散については年明けなどという話も与党幹部から最近聞かれるようになったが、野党として首相の訪米時期と解散戦略についての影響はどのように見ていらっしゃるか。

【幹事長】
 まずは、アメリカの大統領選挙の話になりましたので、私からもツイッターでは表明をしましたが、バイデン大統領とカマラ・ハリス副大統領が就任されることになったことについては心から祝意をあらわしたいと思います。大変な戦いを終えて、今度はアメリカの舵取りをされるということで、ご健闘を祈念したいと思います。その中で、まずはコロナ感染拡大防止、世界的経済の立て直し、それから気候変動対策等々について国際的なリーダーシップを発揮していただきたい。地球規模課題について果敢にリーダーシップを発揮していただく大統領・副大統領であっていただきたいと願います。そういった観点で、パリ協定、それからWHOにいち早く復帰を明言されたことについては歓迎したいと思います。私は、大統領に当選が決まられ、パリ協定に復帰を一日も早くしていただきたいということをコメントさせていただいたのですが、すぐにそのことを明言されたことについては歓迎したいと思います。
 今のご質問についてですが、総理の訪米と解散戦略は当然非常に密接にかかわってくると思います。アメリカ大統領就任式が終わってからの会談になるのか、前回のトランプ大統領のときのように就任する前での会談になるかによって、おそらく総理の訪米日程が、相手もあることですから、かなり動くと思いますし、総理は国会日程もあるわけですから。さらに言えば年末には当然予算編成も出てくるわけですから、こういった状況の中で、どの時点で訪米するかによって通常国会の召集時期も変わると思いますので、そこは我々も注視をしていきたいと考えております。