枝野幸男代表と逢坂誠二党新型コロナウイルス対策本部長は13日、黒岩祐治神奈川県知事と国会内で会い、全国知事会新型コロナウイルス緊急対策本部の「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言を受けた緊急提言」の要望を受けました。
 緊急提言は(1)特措法(新型インフルエンザ等対策特措法)・感染症法等の迅速な改正(2)緊急事態宣言・緊急事態措置(3b)医療提供体制や医療従事者の処遇改善(4)ワクチン接種及び保健所機能の確保等(5)水際対策(6)誰ひとり取り残されない社会の構築――についての要望をまとめたもの。

 枝野代表は「現場の対応にあたっている首長の方々は連日ご苦労があると思う」と敬意を表し、「とにかく国の方でできることは最大限やっていくということで、われわれも国会内外で強く向き合いたいと思っている」とあいさつしました。

 逢坂対策本部長は、昨年12月2日に野党が協同で提出した特措法改正案について「知事会のご意見を踏まえて法案をつくらせていただいた。いわゆるお金の部分についても対応する、緊急事態宣言発出の前に医療機関を開設できるようにするとか、踏み込んだ法案を出している。私たちは議論を早めにしないと、宿泊・自宅療養要請にしても事務連絡で根拠なしでやっているのはおかしい、従ってくれる人もいなくなるという思いだった」と説明しました。
 黒岩知事はあわせて、医療体制のひっ迫・崩壊といった危機に対応するための特措法改正を神奈川県独自に要望しました。

【知事会提出資料】新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言を受けた緊急提言.pdf
新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正等に係る要望について(神奈川県知事)pdf.pdf

★ぶら下がりDSC02705.jpg

 会談終了後、枝野代表が記者団の取材に応じ、「網羅的に新型感染症対応についての要望をいたただいたが、特措法等の対応について強く切望しているというお話だった。概ね、われわれが12月2日に野党共同で提出している法案と方向性、考え方が一致している。罰則等の点についてのお話があったが、われわれも全否定するものではない。ただ、その前提となる補償とか、患者さんをしっかりと入院する先を確保するとか、そうした実効性こそが大事である、ということで認識は一致たと思っている」と語りました。

 また、政府が緊急事態宣言の地域拡大を決定することについて問われ、「1週間前1都3県について判断した状況のもとでも同じ判断ができたという客観的な状況ではないか。1週間遅れたということは、その間の感染に抑制が効かなかったとすれば非常に多くの影響を与えるということ。とにかくこうした後手にまわる対応は何とか食い止める、終わらせなければいけない」と述べました。「本当に今回の対象(地域)だけで足りるのかという問題も同時に突き付けられている。むしろやらなくていいところをピックアップするという状況ではないか。そうした意味では今回も、結果的にまた、五月雨式になっているのではないか」と強い危惧を示しました。

 知事からの要請ありきで国が判断している状況について「一言で言って責任放棄ではないか。知事の要請がなければ出さないと言うんだったら、初めから知事の権限にする改正案を出すべき。(知事から)要請があったから政府が動いていると言われても仕方がない状況になっている。それは政府の責任放棄だと思う」と政府に対応を改めるよう求めました。

 さらに、政府から自粛要請に応じる飲食店の関連業者への補償を表明し始めていることについて「そうした考えがあるのならできるだけ早く、明確な方針を示していただきたい。関連する事業者の皆さんは、本当に今日に明日にも廃業しようか、倒産するかという状況の中にある方が、少なからずいる。一定の明確な方針を示すことで、細かい制度の立て付けは若干遅れたとしても、そうした方が倒産・廃業しなくても済むような状況を1日も早く作ってほしいと思っている」と述べました。