福山哲郎幹事長は27日、来月実施される参院広島選挙区の再選挙で無所属での立候補を表明した、宮口治子さんの応援のため広島県入り。広島市内で開かれた街頭演説会に参加し、「政治とカネの問題に決別し、広島から未来に向けて声を上げていこう」と訴えました。

 今回の再選挙は、2019年参院選広島選挙区をめぐる公職選挙法違反事件で河井案里前参院議員の有罪が5日に確定し、公選法の定めで当選が無効になったことを受け、当選人が欠けるため1人を選び直すものです。

 宮口さんは、福山市に住むフリーアナウンサー。現在3人の子どもを育てるシングルマザーで、重度の発達障害がある子どもを育てるなかで、障がいを理解されずつらかった経験から、「ヘルプマーク」(※)の普及活動にも参加。政治団体「結集ひろしま」が支援し、立憲民主党などが推薦しています。

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 福山幹事長は立憲民主党広島県総支部連合会(県連)主催の街頭演説で、今回の再選挙のテーマは「政治とカネ」だと述べ、前代未聞の大規模買収事件では、自民党本部から送金された1億5,000万円がその原資となっていたことから、公職選挙法違反罪に問われている元法務大臣の河井克行被告と、妻の案里元参院議員にとどまらず、当時の安倍総理や、菅官房長官ら自民党にも責任があると指摘。さらに検察当局が現金を受け取った地元議員ら100人の刑事処分を見送り、そうした議員らが今回の再選挙に関わっていることも問題視しました。
 その上で、新型コロナウイルス感染症をめぐる後手後手の対応、総務省の接待問題にも触れ、今の政治のままでいいのかと提起。コロナ禍で女性が特に厳しい状況にあるなか、女性の働き方や、ひとり親・ふたり親の低所得の子育て世帯、ジェンダー平等などの課題解決が求められるとして、さまざまな困難と向き合ってきた当事者である宮口さんはその時代の要請にあった人物だと紹介、「当事者の声で未来を作る。広島から未来に向けて声を上げていこう」と呼びかけました。

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 宮口さんは、「今回の買収事件、なにしとるんじゃろうか、情けないなと。県民の皆さんもきっと同じ思いを抱えていらっしゃると思う」と切り出し、「だけど私は、あえてその先のことを考えていかなければいけないと思った。ここで足踏みしている場合ではない。コロナ禍で、どんなお金持ちでも、生活が苦しい人でも、若い人も、高齢者も、新型コロナウイルスを前に、世界中の人が弱者になってしまったと感じた。そして、障がいを持つ長男のような立場の人は、さらにそこから弱い立場になってしまった。私はそうした、障がい福祉や雇用、子育て支援、高齢者の問題など、さまざまな問題に光を当てることで、強い人も含めて心も生活ももっと豊かになっていくと信じている」と表明。今回、立候補を決意できたのは、80代の両親が自分の思いを理解し、子どもの世話をしてくれているからだと感謝の言葉を述べ、「私のようにシングルマザーであっても、子どもが障がいを持っていても、こうやって挑戦する女性がいるんだな。だったら私も頑張ろうかなと思ってくれる人が一人でもいたら、私が挑戦する意味は十分にあるのではないか。ヘルプマークにも興味を持ってくれる人がいるのではないか。普及活動につながるのではないかと思っている」と話しました。

 一方で、友人に「遠い人になるんだね」と言われたと話し、「なぜ政治家になることが遠い人になることなのか。本来、皆さんに一番近くで寄り添わなければいけない人がどうして遠くなるのか。私は、小さな声を届ける代弁者になりたい。誰かのために役に立てる人になりたいと決意した」と力を込めました。

 県連代表の佐藤公治衆院議員は、「今の政治を変えるために力を貸してほしい」、県連代表代行の森本真治参院議員は「もう一度公正な審判を、県民の良識をもう一度示してもらいたい」などとそれぞれ訴えました。

 福山幹事長は、「結集ひろしま」街頭演説会にも参加。連合広島の久光博智会長、国民民主党の小林正夫参院議員らとともにマイクを握りました。連合広島の久光会長は、「投票行動で国政に意思を届けよう。広島から未来を変える選挙で雇用と暮らしを守る政治を取り戻そう」などと訴えました。

 街宣には、大井赤亥(広島2区)、ライアン真由美(広島3区)、上野かんじ(広島4区)、野村こうじろう(広島5区)、さとう広典(広島7区)各総支部長も駆け付けました。

※義足や人工関節を使用している方、内部障がいや難病の方、または妊娠初期の方など、外見から分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるよう、東京都が作成したもの。

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