福山哲郎幹事長は27日、参院広島選挙区の再選挙で無所属での立候補を予定している、宮口治子さんの応援で訪れた広島市内で記者団の取材に応じました。

 来月8日告示、25日投開票の参院広島選挙区再選挙の位置づけ、また立憲民主党としてどのように臨むかとの質問に福山幹事長は、「全国的に2つの補欠選挙(衆院北海道2区と参院長野選挙区)と、この広島の再選挙がある。それぞれ大切だが、広島は前代未聞の買収事件に端を発した再選挙であり、何としても勝たせていただきたいという思いだ。2年前に多くの広島県民の皆さんに力を頂いた、『結集ひろしま』として県民挙げて結集をして応援いただく体制のなかで、われわれ立憲民主党は、佐藤公治衆院議員と森本真治参院議員を中心に役割を果たしていきたい」とコメント。「党本部として最大限の支援をしていきたい」と力を込めました。

 宮口治子さんについては、「障がいを持ったお子さんを育てられたこと、障がい者の皆さんをヘルプする、『ヘルプマーク』の普及活動をやってこられたこと、働きながら子育てをされてきたこと、子育て中にシングルマザーになられたこと。いま日本の女性が課題として抱えている問題を当事者として自らが経験され、それに対する強い思いがある素晴らしい候補者」だと評価。「政治とカネの問題は1つの争点だが、広島の県民の皆さんは、政治とカネについては嫌と言うほど分かっておられる。そこから未来に向けて歩き出す選挙にしたい。この政治とカネの問題や、新型コロナウイルス感染症で後手後手になっている対応、総務省や農水省のおカネの問題を含めて、今の菅政権や自民党に最もおかしいと抗議の声、怒りの声、そして『コロナ対応をちゃんとやってくれ』という声を上げられる、最も大きな力と資格があるのは広島県民の皆さんだと思っている。だからこそ、宮口さんにご支援をいただくことで広島県民の声と力を結集いただきたいと強くお願いしたい」と述べました。

 自民党側で現金を受け取った議員の対応については、「最も問題があったのは河井夫妻だと思うが、その原資と言われる1億5千万円は、自民党本部、もっと言えば当時の安倍総理や菅官房長官の責任は非常に大きい。一方で、おカネを受領した側の問題についても、(今回の再選挙で)自民党の候補者を応援する選挙をやることは、法的には何の制約はないが、道義的にそうしたことをすると、自民党は反省していないと思われても仕方がない。自民党には謙虚に、そして道義的な責任を感じてもらいたい」と述べました。

 候補者擁立が遅れたことなど現下の情勢についての見解を求められると、「自民党の候補予定者もある意味で無名であり、宮口さんもある意味で知名度がない。知名度がない者同士の戦いになる。だからこそここから先、何をしたいのか、どういうバックグランドがあるのか、なぜここで決断をしたのか、本人の強い思いが問われる選挙になる。3つの選挙のなかで女性の候補者を立てられたことはよかった。森元総理の発言をはじめ、いろいろな女性をめぐる問題が出ているなかで、女性の候補者であることと、当事者としての問題意識を持っている宮口さんに出ていただいたことは、単に政治とカネの問題だけではなく、広く未来に対して訴えられる候補者だと思う。そのことを強く、広く訴え、広島県民の皆さんに知っていただくことが大事だと思う。知名度のない者同士で十分に戦えると思う」と述べました。

 また、森喜朗元総理が26日、自民党の河村建夫元官房長官のパーティーで、河村氏の事務所に勤めるベテラン女性について「女性というにしては、あまりにもお年」などと発言したことへの受け止めを問われると、しばし考えた後、「正直言ってあきれているので、コメントするのも、もういい加減にしてくれと言うのが率直な思いだ」と発言しました。