政府が大阪府、兵庫県、宮城県に新型インフルエンザ特措法の改正で創設された「まん延防止等重点措置」を初めて適用する意向を示したことを受け、1日午後、衆参両院の議院運営委員会で政府からの報告に対する質疑がおこなわれました。

 西村康稔経済再生担当大臣は、大阪府、兵庫県、宮城県の新型コロナウイルスの感染状況がステージ3段階となり、医療提供体制のひっ迫のおそれがあることから、その3府県に対し、「重点措置」を4月5日から5月5日までの1カ月間適用することについて、同日午前に開催された新型インフルエンザ等対策推進会議基本的対処方針分科会に諮り、了承を得たと報告しました。同措置のもと、知事が期間、区域、業種などを絞って機動的に、集中的に実施することができ、飲食店には20時までの営業時間短縮を求め、協力した事業者に対し、従来の支援水準を継続しつつ、公平性と円滑な実施に配慮しながら、影響の度合いや事業の規模に応じた支援を実施していくと説明しました。

■「緊急事態宣言解除から1カ月でのまん延防止等重点措置の適用は政府の責任」 村上史好議員の質問
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 衆院議院運営員会では、立憲民主党から村上史好議員が質問に立ちました。今回の「重点措置」の適用について「改正特別措置法施行後、初めてとなるが、規制を求められる市民・国民にとって有難いことでは決してない。先般の緊急事態宣言の解除にあたっては時期早尚との声があったし、専門家からも早期解除はリバウンドを早め、第4波を招く危険性が指摘されていた。それなのに大阪府、政府はそうした指摘を無視して経済活動に軸足を置いて解除を優先させた結果、現在の感染拡大を招いたと言っても過言ではない」と述べ、緊急事態宣言解除後、わずか1カ月で「重点措置」を発令することになった政府の責任を追及しました。

 西村大臣は、緊急事態宣言解除にあたっては各知事から地域の状況をよく確認し、諮問会議で専門家の意見を伺い、全会一致で決めたと説明しました。また「(感染の)流行は何度も起きると繰り返し申し上げてきた。これを大きな流行にしないことが大事」と述べ、変異株のモニタリング検査の実施や高齢者施設での検査について説明しましたが、感染再拡大についての政府の責任は認めませんでした。

 村上議員は、「予想以上に第4波の入口が早く、判断が甘かったと、まず、政府は反省すべきだ」と述べました。また、大阪市や仙台市ではすでにステージ4の段階なのに緊急事態宣言ではなく「重点措置」なのかとただしました。さらに「現在の大阪府や兵庫県の姿は明日の東京の姿と言っても過言ではない」と指摘し、政府の対策を尋ねました。

 また、14日から大阪市内で予定されているオリ・パラの聖火リレーの実施について国の見解を求めると、西村大臣は組織委員会と都道府県の実行委員会が状況を見ながら実施方法を適切に決めると説明しました。

■「まん延防止等重点措置に効果はあるのか」 木戸口英司議員の質問
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 参院議院運営委員会では立憲民主党から木戸口英司議員が質問に立ちました。木戸口議員は「本日の大阪の新規感染者は616人、宮城県仙台市では68人で、変異株も検出された。全国では2841人感染(3月31日)が確認された。全国の新規感染者数は2841人で昨年12月と同程度。もう第4波が到来したと認識しているのか。また、ステージ4の水準の指標が出ているのに、なぜ、緊急事態宣言ではなのか」とただしました。

 西村大臣は、関西、仙台市などで感染が増加し、変異株の感染が広がっていることを注視しているとし、「何度も流行は来るが、それを大きな流行にしないために抑え込む」「国民の命と暮らしを守るために必要であれば緊急事態宣言を再び発出することもあり得るが、そうしなくて良いようにまん延防止等重点措置をしっかり実施していきたい」と述べました。
 木戸口議員は「まん延防止等重点措置」が国民に分かりづらいと指摘し、「これで行動変容が期待できるのか。略して『まんぼう』と言われているが、その言い方にも違和感がある」と指摘しました。
 西村大臣は、まん延防止等重点措置では20時までの営業短縮をお願いし、見回り等で徹底させたいと説明し、「『まんぼう』が使われているが、少しふざけているように聞こえるので、私は「まん延防止等重点措置」としっかり言うようにしている」と述べました。
 木戸口議員は政府が今まで実施してきた対策に効果があったのか検証するよう求めました。また、菅総理が記者から「重点措置」を実施する判断について聞かれ、「知事から要請があった。専門家の意見を聞いた」と答えていてるところが報道されていたが、まるで他人ごとのようだったと述べ、総理自身の考えで決断すべきだと指摘しました。木戸口議員は、1月の緊急事態宣言の発令が遅れたことが結果として、解除の遅れにつながり、経済的な打撃も長引いたとし、適切なタイミングで宣言を発令することの重要性を改めて訴えました。

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