枝野幸男代表は4日、静岡県総支部連合会(県連)の第1回定期大会に出席しあいさつを行いました。

 枝野代表は来賓あいさつのなかで、COVID-19対策として、検査の拡大や暮らしと事業を守るために補償をすべきだと1年前から訴えていると話し、日本と同じ島国の台湾、オーストラリア、ニュージーランドが同様にこれらの対策をし、海外からの感染ルートを食い止める水際対策を行なうことで経済が回復していると指摘しました。
 その上で、「コロナを乗り切るには今の政治の流れを変えるしかない」と力を込め、「私たちには1年間ずっと訴え続けた対案がある。皆さんの力を借りれば日本の政治を動かせる。この社会は、一人ひとりの暮らしもぎりぎりのところだと思っている。ぜひ一緒にこの静岡から大きく政治の流れを変える一歩を踏み出していきましょう」と訴えました。

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 大会の冒頭、県連代表の渡辺周衆院議員は、謙虚に(民主党政権の)3年3カ月を受け止め、できなかったこと、もう少し頑張ればできたこと、もう少し丁寧に理想を共有すればできたことなど、もう1度検証をして、「この静岡の地、霊峰富士を仰ぐこの静岡県から、もう一回政権交代のうねりを大きくしていきたい。そんなスタートの日にさせていただきたい」とあいさつしました。

 大会では、枝野代表のほか、連合静岡の角山雅典事務局長、県議会会派「ふじのくに県民クラブ」会長の阿部卓也県議会議員も出席しあいさつを行いました。

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 また、大会に先立ち、枝野代表は記者団の取材に応じました。記者からの主な質問とその回答(要旨)は以下のとおりです。

Q:新しい立憲民主党になり初めての静岡入り。目的・意味、党員にどのようなことを伝えたいか

 さかのぼれば、もう4年前のいわゆる希望の党騒動以来、全国各地で潜在的にご支援いただいている皆さんにはご苦労をおかけしましたが、静岡は特にいろいろな状況、難しい側面があり、大変ご苦労をおかけしてきました。
 完全にという形ではありませんでしたが、でも去年9月15日に、なんとかさまざまな壁を乗り越えて、新しく合流の立憲民主党になりましたので、どこか早いタイミングで、これまでのご苦労に感謝をし、しっかりと力を合わせれば、大きな力を発揮できる潜在力がある地域だと思っていますので、是非静岡からも日本の政治を動かしていく、そのエンジンになっていただきたいと。そのことを今日はお伝えしたいと思います。

Q:2021年は衆院選イヤーです。静岡は8選挙区ありますが、立憲民主党にとって静岡選挙区の位置付けは

 党の中枢を担っていただいている渡辺周幹事長代行もおります。彼は小選挙区制度が始まって以来、ずっと小選挙区で勝っているという、非常に強い足場を持っています。
 その他の仲間、新人も含めて、もともと地合い的には十分自民党と互角に戦い得る地域が、この静岡県のほとんどだと思っていますので、静岡で小選挙区過半数を取るのが政権を変えていく上での前提条件だろうと思っています。まずそこに向けて力を合わせてもらいたいと思っています。

Q:そうした中で、静岡1区が国民民主党との間で候補者の調整がついておりません。今後、どのような対応をお考えでしょうか

 できるだけ多くの小選挙区で自民党または公明党と、これに対抗する勢力の一騎打ち構造を作るのが望ましいと思っています。
 特に、国民民主党とは考え方も非常に近いので、すべての地域で一本化をしたいと思っておりますが、まさに静岡1区は、いろいろなこの4年間の経緯の中で、お互いそれぞれの経緯と立場を持っている中で、一番難しいところだなとは率直に思っています。ただ、なんとかその壁を乗り越えられないか、最後まで努力をしたいと思っています。

Q:来年、2022年の夏には参院選が。改選が予定されている静岡選出の議員は現状、自民党と無所属となっております。ここについて、国民民主党との調整もあると思いますが、候補者の擁立も含め、どのような対応をお考えか

 残り1年ちょっとなので、早い対応も必要だと思いつつも、まずは間違いなく、その1年前に衆院選挙があります。今日も岐阜で、今日が25歳の誕生日という新人候補の出馬会見に出席してきたのですが、まだ衆院でも空白になっている選挙区があります。
 先ほど話のあった調整が必要なところもありますので、今のところまずは、衆院選挙の体制をきちんと整える。その上で、秋までには参院の選挙区についても考えていきたいと思っていますので、現状は白紙です。

Q:静岡県には県知事選も予定されておりますが、どのように対応されるか。現職の川勝知事に対してはどのような評価をされているか

 まず、地方の首長選挙については、基本的にはそれぞれの地域ごとに中央とは違った事情・構造がありますので、まずは地方組織において、さまざまな検討をしていただいた上で、必要に応じて党本部として関与するということです。
 今のところ静岡県連から知事選挙について、何らかの具体的な相談はありませんので、それを待ちたい思っています。
 川勝知事については県民の皆さんの評価が一番大事なので、そこはよく分からない部分はありますけれども、東京から見ている限り、非常にアクティブに能動的な知事として、静岡県を発展させてきたのではないかと見てます。

Q:関連して、今後川勝知事が出馬表明をした場合は、支援をされるのでしょうか

 東京では「地方のことは私に聞かないでください、県連に聞いてください」といつもお答えをしている状態です。
 まずは静岡県内において県連でいろいろ検討した上で、例えば本部の推薦が欲しいとか、いろいろな相談がもしあれば、その時本部としては対応します。
 逆にまったく考え方の違う方を地方組織として動いたりした時には、本部でコミットすることはありますが、基本的には県連の相談が優先です。

Q:内閣不信任案の提出自体に関しては、第4波に入ったという認識等の見方もありますし、改めてそのあたり枝野代表はどうお考えでしょうか

 第3波を招いたGoToトラベル、あるいはその中止の遅れ、2回目の緊急事態宣言の遅れ、そして緊急事態宣言を出しながら、国民の皆さんや特に飲食店に物事をお願いする一方で、政府としては何もやってこない。
 結果的に解除をして、解除も時期尚早だと言ったら、残念ながら言った通り、すぐにリバウンドになっている。もう信任に値しないというのは、はっきりしています。
 ただ、国会で不信任案を出すかどうかというのは、まさに高度な政治判断ですので、現状ではいつ出すとも出さないと申し上げられる状況ではありません。
 必要があれば、いつでも速やかに出します。

Q:北朝鮮の拉致問題について、今後日米首脳会談が控えていますが、(政府は)今朝のテレビ番組でもアメリカと協力して解決に向けて取り組むと話をされていました。この問題に関して政府に求めることは

 アメリカの協力は必要なことですが、ただずっと第2次安倍政権の発足から8年以上にわたり、それは繰り返しています。
 安倍内閣も最優先課題だとおっしゃりながら、結局8年間、何の動きも見えませんでした。
 もちろん相手もあることですので、結果を出せるかどうかは、簡単なことではありませんが、8年間動きがまったく見えていない。菅さんも官房長官でしたから、その中心を担っていたわけなので、ただ「最優先だ」と言い、それで何ら問題のないアメリカに協力求めるというだけでは、何も動いてないんだと受け止めざるを得ません。
 結論を出すのは難しいにしても、何らかの動きを見せることが、特に高齢になっている家族の方に対して、必要なことだと思っています。